Netflixで「アグリーズ」が配信された
ヤングアダルト向けのディストピア映画
2005年に刊行された小説が原作
16歳になると美容整形手術を受けるのが常識となったディストピア社会
タリーはその日が来ることを待ち望んでいたが…………
予想外の結末を迎えた本作
あのラストシーンは何を意味しているのか?
タリーのその後の運命は?
海外サイトなどを参考にして解説してみた
もちろん全てが正しいかどうかは分からない
あくまで一つの解釈だと考えて欲しい
なお映画のネタバレ全開なのでご注意を!!
「アグリーズ」
石油が枯渇し、人類のほとんどが滅びた世界
残された人類は厳しく管理された社会に住んでいた
世界から差別をなくすため、人々は16歳になるとある美容整形手術を受けて、「プリティ(美しい人)」になることが義務付けられていた
手術を受ける前の子供は「アグリー(醜い者)」と呼ばれた
15歳のタリーはあと3ヵ月で誕生日を迎える
タリーはプリティになることを待ち望んでいた
親友のペリスは明日が16歳の誕生日だった
2人は1ヵ月後に橋の下で会うことを約束した
1ヵ月が経った
手術を受けたはずのペリスからは何の連絡もない
タリーは約束の日に寮から抜け出し、橋の下へ行った
そこにはペリスの姿はなかった
タリーはペリスに会うために、プリティーズが住んでいる居住区へ忍び込んだ
そこは自分たちが住んでいる地区とは違い、全てが煌びやかだった
人々は皆が幸せそうだ
そして、タリーはようやくペリスを見つけることが出来た
ペリスはすっかり別人のようになっていた
久しぶりの再会だが、ペリスの様子は明らかにおかしくて…………
原作はスコット・ウエスターフェルドの小説「アグリーズ」
タリー役はジョーイ・キング
シェイ役はブリアンヌ・チュー
デヴィッド役はキース・パワーズ
監督はマックG
武器
16歳の誕生日、タリーはドクター・ケーブルのところへ呼び出され、失踪した友人シェイのことを問いただされる
シェイはスモーク(整形手術を受けずに都市から離れて暮らしている集団)のところへ行ったことを、タリーは知っていた
ケーブルはスモークは危険なテロ組織であり、都市を攻撃する武器を開発しているという
その武器をスモークに潜入して見つけて欲しい
そうしなければプリティ手術は受けさせないと言われ、タリーはしぶしぶ同意した
タリーはスモークに潜入することに成功
実際のスモークの人々は優しくて、皆で助け合いながら暮らしていた
再会したシェイも元気そうだ
そしてリーダーのデヴィッドから、タリーはプリティ手術の恐ろしい真実を聞いた
あの手術を受けると美しい容姿と引き換えに、脳に損傷を受ける
そうして感情や個性をなくし、ドクター・ケーブルたちのいいなりになるというのだ
その治療薬をデヴィッドの両親(アズとマディ)が開発している
ドクター・ケーブルが言っていた武器とは、その治療薬だったのだ
タリーは自分が間違っていたことに気付き、武器を見つけたら起動するように言われていたネックレスを炎の中に投げ込んだ
襲撃
ところが炎に投げ込んだことで、ネックレスが起動してしまう
翌日、周囲はプリティたちに包囲されていた
スモークの人々は拘束された
ドクター・ケーブルは皆の前で、タリーがスパイだったことを暴露
そして今やケーブルの言いなりになっているペリスに、デヴィッドの父親アズを殺させた(ちなみに原作ではアズは、ドクター・ケーブルの脳手術の実験台にされて亡くなった)
タリーとデヴィッドはかろうじてドクター・ケーブルから逃げ延びることが出来た
しかし、スモークの人々は街へ連行された
タリーは怒りに震えるデヴィッドに、彼らを救出するのを手伝わせてほしいと懇願した
ペリス
タリーはアグリーの友人たちの力を借りて、監獄からスモークの人々を救うことに成功
だが、そこにシェイの姿はなかった
シェイは手術のために連れていかれたというのだ
駆けつけた時には手遅れで、シェイは別人のように変わっていた
シェイを連れて逃げようとしたタリーたちの前に、ペリスが立ち塞がった
彼は今やプリティの上位である超人兵士スペシャルへと生まれ変わっていた
タリーは説得を試みるが、彼は聞き入れなかった
そこに父親を殺され恨みを抱いているデヴィッドが、ペリスに掴みかかった
だが、ペリスの強さは凄まじく、デヴィッドは殺されそうになる
思わずタリーはペリスを突き飛ばした
屋上から落ちる瞬間、ペリスはタリーに「寄り目」とつぶやき、水の中へ消えていった
寄り目は2人の間だけで使われるタリーの愛称だった
果たしてペリスは死んでしまったのだろうか?
実は原作ではペリスは死んでいない
それどころかスペシャルになってもいないし、屋上から落ちるシーン自体がない
スペシャルの肉体は強靭に改造されている
ペリスは原作の続編にも登場するので、生きている可能性が高いだろう
ラストシーンの説明
マディはドクター・ケーブルの研究室から、治療薬に必要な材料を全て持ち出せたという
これでシェイを元に戻すことが出来る
しかし、プリティとなったシェイは治療を拒否
まだ実際に成功した例はなく、どんな危険があるかも分からないため、本人の同意なしに治療は出来ないとマディは言った
「私が実験台になる」
タリーはそうマディに言った
まずプリティ手術を受けて、それから自分の意思で治療薬の被験者になる
だが、それは危険な賭けだった
プリティ手術を受けると、感情を失ってしまうからだ
それでも今なら自分を見失ったりしない
「駄目だ。君まで失ってしまう」
デヴィッドは止めたが、タリーの意思は固かった
タリーはプリティになっても、元の自分であることを示すためにサインを残すと約束した
追手が迫ってきた
タリーはデヴィッドたちを逃がして、振り返った
「タリー・ヤングブラッドです。私をプリティにして」
実は原作はこのセリフで終わっている
だが、映画ではその続きがある
最後のシーンでタリーはプリティとなり、別人のように変わってしまった
「プリティになった自分を気に入っている」
タリーはコンピューターにそう答える
やはりタリーの元の人格は残っていないのか?
だがその時、タリーの手のひらが映し出される
そこにはかつての傷跡がいまだに残っていた
それはタリーがいまだに自分を失っていないというサインだった
続編は?
この「アグリーズ」の原作は三部作である
映画で描かれたのは第一部だけだ
その後、「Pretties」、「Specials」と続く
では、映画の続編は作られるのか?
「それは観客次第です」
本作の監督であるマックGはそう答えた
この「アグリーズ」が好評で人気を得られたなら、続編は作られる
その時は自分自身で監督する、とマックGは言った
原作者のスコット・ウエスターフェルドも「続編をやりたい」と答えた
「スコット・ウエスターフェルドのおかげで、続編の計画は完璧に練られています。ですから続編がNetflixに承認されるのを心から願っています」
マックGは最後にそう付け加えた
ブログTOPへ