Netflixオリジナル・アニメシリーズ
人間とヴァンパイアの戦争がずっと続く世界で、モモはヴァンパイアのフィーネと出会い…………
「進撃の巨人」「SPY×FAMILY」のWIT STUDIO最新作
人間の少女とヴァンパイアとの切ない逃避行が描かれる
戦争で疲弊しきった世界
そんな中で運命の出会いをするモモとヴァンパイアのフィーネ
主役2人は声優の熱演もあり素晴らしかった
またWIT STUDIOが手がけるアニメーションもハイクォリティ
アクションシーンも多くて迫力があった
物語は5話と短いこともあり、駆け足な印象
また百合色が強いので、人を選びそうだ
とはいえラスト2話はかなり盛り上がり、思わず見入ってしまった
最後は静かな感動
とっつきにくいところもあるが、全体的には良作
時間を費やす価値は大いにあるだろう
予告編
作品情報
作品名「ヴァンパイア・イン・ザ・ガーデン」
監督：牧原亮太郎
キャラクターデザイン・総作監：西尾鉄也
キャスト：潘めぐみ、小林ゆう、小林千晃、深見梨加、東地宏樹
全5話
アニメーション制作：WIT STUDIO
ざっくりあらすじ
人間とヴァンパイアの戦争が100年以上続いている世界。人類は常に軍人に監視され、抑圧された生活を送っていた。こんな世界から逃げ出したいと絶望していたモモは、ヴァンパイアのフィーネと出会い…………
感想（ここからネタバレ）
この前「バブル」が配信されたばかりなのに、もう次のWIT STUDIOの新作が来るとは驚き！
出会い
人類とヴァンパイアの戦争が100年以上続いている世界
ヴァンパイアは音楽や芸術を謳歌していた
一方、追い詰められた人間たちは、ヴァンパイアが愛する芸術を禁じていた
貧困がはびこり、軍人たちが監視する人間社会
人々はヴァンパイアとの戦いに疲弊しきっていた
士官学校を卒業したモモは、毎日を息苦しく感じていた
母親は軍の司令で、モモに厳しく接した
親友のミラナからもらった壊れたオルゴール
モモはそれを修理して、夜中にこっそり聞いていた
ヴァンパイアの女王フィーネ
彼女は歌にダンスに酒と享楽的な日々を送っていた
その姿は自暴自棄になっているかのようだった
幼馴染のアレグロはフィーネを心配していた
ある夜、モモはベッドの中でオルゴールを聞いているのを、母親に見つかった
オルゴールを床に叩きつける母親
モモはショックを受け、オルゴールを拾い外に飛び出した
一方、ヴァンパイアたちは人間の街に総攻撃をかけていた
その中にはフィーネの姿もあった
だが、フィーネには人間への憎しみなどなく、森の中をさまよっていると、1人で泣いているモモと出会った
「もう嫌だ…………、ここから逃げ出したい」
モモは静かに歌を口ずさんだ
その姿にフィーネは思わず見入ってしまい…………
WIT STUDIO
「進撃の巨人」、「甲鉄城のカバネリ」、「王様ランキング」、「GREAT PRETENDER」、「SPY×FAMILY」
ハイクォリティな作品を次々と世にはなっている注目のスタジオである
先月もNetflixでアニメ映画「バブル」を配信したばかり
そのハイペースぶりには驚かされる
今後もますます目が離せないスタジオだ
監督は「ハル」、「屍者の帝国」の牧原亮太郎
キャラクターデザイン・総作監は「スカイ・クロラ」の西尾鉄也が務めている
モモ CV.潘めぐみ
軍の司令の娘
士官学校は優秀な成績で卒業したが、ヴァンパイアに対して非情になりきれない
手先が器用
母親が軍の司令であることに、重圧を感じている
偶然出会ったヴァンパイアのフィーネを、最初は警戒していたが…………
最初は頼りない印象だったモモ
だが、フィーネと共に過ごすうちに、強く成長していく
時折、披露する美しい歌声も見どころ
フィーネ CV.小林ゆう
ヴァンパイアの女王
普段はダンスにパーティと享楽的に振る舞っている
しかし、実際は昔のある事件を引きずって、深い孤独を抱えている
ほとんど血を口にしない
モモのことを何故か気に入り、屋敷にかくまう
一見軽薄だが、かなり複雑なキャラ
モモのことを身を挺して守ろうとするが…………
ヴァンパイア
映画やマンガやアニメ
ゾンビと並ぶ定番ネタのヴァンパイア
本作ではヴァンパイアの方が人類より優勢という設定
音楽や芸術など愛し、華やかな印象
一方、人類社会は軍に監視され、娯楽もなく抑圧されている
ヴァンパイアの方が文化的な社会というのが面白い
とはいえホラー色もちゃんと用意されている
追い詰められたヴァンパイアは、自らにある薬を打つ
薬を打ったヴァンパイアは、理性を失い凶暴化し、命と引き換えに周囲の人間を駆逐する
その薬が物語の最後に大きな意味を持ってくる
絆
ヴァンパイアのフィーネと出会ったモモ
最初はフィーネを警戒していた
しかし、一緒に過ごすうちに、モモは彼女に心を許すようになる
どこかにあるというヴァンパイアと人間が共に暮らす場所「楽園」
そこを目指して2人は旅をする
この辺りはまるでロードムービーのような趣き
人間側とヴァンパイア側
どちらからも追われる2人
お互いを命がけで守ろうとする姿には、胸を打たれた
残念なのは物語が駆け足気味に感じたこと
モモとフィーネが信頼し合うようになるのも、すごくあっさりの印象だった
やはり全5話は短かったかも知れない
2人の旅も1クールなら、もっと色々なエピソードが描けただろう
その辺りは残念に感じた
楽園
長い旅の末（実際はあっという間だったけど）、ようやく楽園と呼ばれる場所に辿り着いたモモとフィーネ
そこでは本当に人間とヴァンパイアが、共に助け合い暮らしていた
モモはこここそ自分たちの理想の場所だと喜んだが…………
「楽園」の真実
モモとフィーネを追ってきた人間たちとヴァンパイアの戦い
お互いを思いやるモモとフィーネの強い絆
ラスト2話の盛り上がりは良かった
特にモモの成長には目を見張った
モモを守るためのフィーネの決断も胸に迫った
静かな余韻が残るラストも印象的
まとめ
ちょっととっつきにくい部分のある作品
展開も性急に感じるところがあった
けれど作画はさすがのクォリティ
モモとフィーネの絆にも胸を打たれた
アニメファンならチェックしておいていいだろう
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/374515
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