【興行成績】なぜヴィン・ディーゼルの「ブラッドショット」は爆死したのか?

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「ワイルド・スピード」シリーズのドム役で絶大な人気を誇るヴィン・ディーゼル
そのヴィン・ディーゼルが主演するスーパーヒーロー映画「ブラッドショット(原題Bloodshot)」が、3月13日に全米で公開された

BLOODSHOT Trailer 2 (2020)

ところが、この「ブラッドショット」の興行成績が、芳しくないようなのだ
いったい何が原因だったのか?

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作品解説

原作はバリアント・エンターテインメント社のコミック「ブラッドショット」シリーズ
ある日、アメリカ海兵隊員のレイ・ギャリソンとその妻が、何者かに殺された
軍の科学者チームはナノマシンを駆使して、レイを蘇生させた
復活したレイは圧倒的なパワーと回復力を持ち、「ブラッドショット」と呼ばれた
しかし、レイは自分たちを殺した犯人に復讐を誓い、施設から逃げ出した
そして、憎むべき相手を、その驚異的な能力で倒したのだが…………

共演はガイ・ピアース、エイザ・ゴンザレス、サム・ヒューアン、トビー・ケベル、ラモーン・モリス
監督は本作がデビューとなるデイヴ・ウィルソン

オープニング成績

「ブラッドショット」のオープニング成績は930万ドルで、初登場3位だった
スタジオの予想は1,000万ドル
そういう意味では予想通りだったといえるが、製作費4500万ドルの作品としては物足りない数字となった

1. 「2分の1の魔法」
2. 「I Still Believe」
3. 「Bloodshot」
4. 「透明人間」
5. 「The Hunt」
6. 「ソニック・ザ・ムービー」
7. 「The Way Back」
8. 「野性の呼び声」
9. 「Emma.」
10. 「バッドボーイズ フォー・ライフ」

現時点での全世界での興収は2970万ドルである
「ワイルド・スピード」シリーズで絶大な人気を誇るヴィン・ディーゼルのスーパーヒーロー映画
残念な結果となった原因は何なのか?

新型コロナウイルス

「ブラッドショット」が公開されたのは3月13日
まさにアメリカで新型コロナウイルスの蔓延が、深刻化してきたタイミングだった
公開2日前にWHO(世界保健機関)がパンデミックを宣言
多くのアメリカ人が専門家のアドバイスに耳を傾け、家で過ごすことを選んだ

「ブラッドショット」が公開された週末の全米興行収入は、全体で約5,530万ドル
2000年の9月15日から17日の週末(5450万ドル)以来の最低の記録となった
新型コロナウイルスによる非常事態
公開するには最悪のタイミングだったと言えるだろう

原作の知名度

アメコミ原作のスーパーヒーロー映画は、ドル箱である
「アベンジャーズ」「キャプテン・マーベル」「ブラックパンサー」「アクアマン」「ワンダーウーマン」
ヒット作は枚挙にいとまがない

だが、ヒット作のほとんどをマーベルDCが占める
「スーパーマン」や「バッドマン」と違い、バリアント・エンターテインメント社の「ブラッドショット」と言われても、ほとんどの日本人は知らないだろう
それはアメリカ人も同じだったようである

マーベルの「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズは、原作は無名だったが大ヒットした
それはジェームズ・ガン監督の手腕により、作品の出来栄えが斬新だったことが大きい
残念ながら「ブラッドショット」は、批評家も観客も斬新な出来だとは思わなかったようだ

厳しいレビュー

それでは「ブラッドショット」の出来栄えはどうだったのか?
シネマスコアは「B」
IMDbのスコアは5.7/10
ロッテントマトの批評家支持率は30%、観客支持率は78%

「古臭くて退屈」
「典型的なアクション映画で、創造性とユーモアに欠ける」
「ロボコップのリメイクより悪い」
「いくつかのアクションは面白いが、ストーリーのテンポが遅く、悪役が信じられないほど弱い」
「ヴィン・ディーゼルは何をやってもヴィン・ディーゼル」
「この映画の良いところが一つも見つからなかった」
「退屈なアクション映画」
「決まり文句がいっぱい」

アクションシーンを称賛する声もあったが、全体的には平凡な出来という評価だった

ヴィン・ディーゼル

コロナウイルス
原作の知名度
厳しい評価

様々なマイナス要素
これでは、いくらヴィン・ディーゼル主演作でもヒットは難しい
爆死も仕方なかった
ところがヴィン・ディーゼルの責任を指摘する声もある

爆発的な人気を誇る「ワイルド・スピード」シリーズ
その看板スター、ヴィン・ディーゼル
だが、グルートの声を演じた「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズは別にして、ここ数年は「ワイルド・スピード」以外のヒット作がない

2013年の「リディック:ギャラクシー・バトル」は製作費3600万ドルで、9800万ドルの興収
「ワイルド・スピード」シリーズに比べると、かなり見劣りする
2015年の「ラスト・ウィッチ・ハンター」は製作費9000万ドルで、全米の興収は2700万ドル
全世界では1億4,600万ドルだったが、マーケティング費用などを考えると、とても十分とはいえなかった
2017年の「トリプルX:再起動」は製作費8500万ドルで、全米で興収4500万ドル
危うく爆死かと思われたが、中国で驚きの大ヒット
中国だけで1億6400万ドルを稼ぎ、全世界では3億8500万となった
しかし、これは共演したドニー・イェンやディーピカー・パードゥコーンなどの、中国のスターの力が大きいと思われる

観客は「ワイルド・スピード」のドムが大好きだ
だが、それ以外のヴィン・ディーゼルには、あまり興味がないらしい
Forbesの記事ではヴィン・ディーゼルはトム・クルーズではなく、シルベスター・スタローンタイプであると指摘している
観客は「ロッキー」や「ランボー」は見に行くが、それ以外のスタローンには興味がない
「ワイルド・スピード」はヴィン・ディーゼルにとっての「ロッキー」である
「トリプルX」は言うなれば「ランボー」
それ以外のヴィン・ディーゼルには興味がない
何とかそこからの脱却を図ろうとヴィン・ディーゼルも模索しているようだが、「ラスト・ウィッチ・ハンター」に続いて「ブラッドショット」でも失敗したようだ

まとめ

残念ながら全米で爆死した「ブラッドショット」
ヴィン・ディーゼルの新たな代表作とはいかなかったようだ
「ワイルド・スピード」シリーズがあれほどヒットすれば十分すぎる気もするが、ヴィン・ディーゼルにとっては不服かも知れない
とりあえず「ブラッドショット」の日本公開が決定するのを待つとしよう

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