人気マンガ「今際の国のアリス」がNetflixでドラマ化
無人と化した東京でアリスたちは生き残るために、様々な死の”げぇむ”に挑むことになる…………
ドラマというより、もはや映画並みのクォリティ
かなり気合の入ったエンターテイメント
佐藤信介監督と山﨑賢人という「キングダム」コンビ
非常にスリリングで面白い作品となっている
アリスたちが参加する様々な”げぇむ”が、バラエティに富んでいて見ごたえがある
ゲームオーバーになると”死”
その容赦ない展開にゾクゾクした
ヒロインの土屋太鳳も魅力的
金のかけ方が明らかに地上波のドラマと違う
そのスケールの大きさに圧倒された
頭脳戦あり、アクションあり、SF要素あり
佐藤信介監督の集大成といえる作品
途中から見るのを止められなくなった
優れた日本のドラマはいくつもある
しかし、エンターテイメントとして世界で通用する作品は少ない
この「今際の国のアリス」なら海外で勝負できるかも知れない
日本の面白い作品が見たい人にはおススメ!!
予告編
作品情報
作品名「今際の国のアリス」
監督:佐藤信介
キャスト:山﨑賢人、土屋太鳳、村上虹郎、森永悠希、町田啓太、仲里依紗
全8話
製作国:日本(2020年)
ざっくりあらすじ
優秀な弟と比較され鬱屈した日々を送る有栖良平(アリス)は、親友のカルベとチョータと共に渋谷で謎の閃光を目撃する。直後、街は無人と化す。アリスはその”今際の国”で生き残るために、様々な”げぇむ”に挑むことになる…………
「今際の国のアリス」
「今際の国のアリス」は麻生羽呂による人気マンガ
単行本は全18巻
2013年にアニメ化もされている
感想(ここからネタバレ)
予想を上回るエンターテイメント
異変
アリスこと有栖良平は大学を中退し、仕事もせずゲームにのめり込む日々を送っていた
父親からは優秀な弟と比較され、家に居場所はなかった
アリスは憂さを晴らそうと、親友のカルベとチョータを誘って渋谷に出た
スクランブル交差点でアリスたちは羽目を外して騒いだ
その時、空に花火のような閃光が光った
騒ぎに気付いた警官たちが、こちらにやってくる
アリスたちは慌てて駅のトイレに隠れた
すると駅構内の電気が消えた
アリスたちはおそるおそるトイレから出た
無人だった
渋谷の街には見渡す限り、誰もいない
呆気にとられるアリスたち
夜になった
結局、人の姿をどこにも見つけることが出来なかった
途方に暮れ、路上に座り込む3人
東京の街は全ての電気が消え、闇に包まれていた
突然、目の前のビルのディスプレイが点灯した
驚くアリスたち
「プレイヤーの皆さま。まもなくGAMEを開始します」
画面にはそう書かれていた
それこそが生き残りをかけた死の”げぇむ”の始まりだった…………
佐藤信介
「GANTZ」2部作、「図書館戦争」、「アイアムアヒーロー」、「デスノート Light up the NEW world」、「いぬやしき」
様々な話題作を手掛けている佐藤信介監督
山﨑賢人とは「キングダム」でタッグを組んでいる
佐藤監督はこの「今際の国のアリス」全8話、全ての演出を手掛けている
気合の入れようが半端ではない
本作は佐藤監督の過去作を彷彿とさせる要素が多い
生き残りをかけた”げぇむ”は「GANTZ」
剣を使った激しい格闘は「キングダム」
後半の組織の崩壊は「アイアムアヒーロー」
「今際の国のアリス」は佐藤監督の集大成といっていい作品となっている
山﨑賢人
有栖良平ことアリスを演じる
生きる目的もなく、日々を無為に過ごすゲーマー
親友のカルベとチョータのことを、心から信頼している
何の取柄もないと思われていたアリス
だが、生き残りをかけた”げぇむ”に巻き込まれた時、その真価を発揮する
絶望したり、自暴自棄になったり、ボコボコにされたりするアリス
山﨑賢人は体当たりの演技
極限に追い詰められた時に、起死回生の策をひねり出す姿が格好よかった
土屋太鳳
宇佐木柚葉ことウサギを演じる
優れた身体能力を持つクライマー
ある”げぇむ”に参加して、アリスと知り合う
最初は他人に興味を示さなかったが…………
ウサギはこの作品の良心であり清涼剤
本作は恋愛要素はほとんどない
しかし、次第にアリスを心から信頼するようになるウサギの姿は微笑ましかった
村上虹郎
苣屋駿太郎ことチシヤを演じる
飄々としてつかみどころがない青年
頭の回転が非常に切れる
ある”げぇむ”で一緒になり、アリスの才能に興味を持つようになる
全てを見透かしたような態度
敵か味方か判別がつかない
非常に魅力的なキャラだった
”げぇむ”
この作品はいわゆるデス・ゲームものである
映画では「ソウ」や「キューブ」
佐藤信介監督作品では「GANTZ」が近いだろう
本作の”げぇむ”の難易度は、トランプの札で示される
札の数字が大きいほど、攻略が難しい
アリスたちが参加した最初のゲーム「生きるか死ぬか」
難易度は♣の3
「生きる」と「死ぬ」
正しいドアを選ばないと死亡
最初から凄まじい緊迫感
”げぇむ”の容赦のなさを思い知らされる
「おにごっこ」、「かくれんぼ」、「でんきゅう」
本作では様々な”げぇむ”が登場
次はどんな危険な”げぇむ”なのか?
不謹慎だがワクワクした
そしてクライマックス、アリスは最悪の”げぇむ”に立ち向かうことになる
実写化
「銀魂」、「るろうに剣心」、「東京喰種トーキョーグール」、「鋼の錬金術師」
昨今は人気マンガの実写化が大流行である
本作の佐藤監督も「いぬやしき」や「BLEACH」など多くを手掛けている
コミックの実写化が全て成功するわけではない
むしろ原作ファンが目を覆いたくなるような作品の方が、多いかもしれない
だが、この「今際の国のアリス」は実写化の成功例といえるだろう
デス・ゲームもの
もはや一つのジャンルであり、マンガや映画でも多く見受けられる
このタイプの作品は、アニメやマンガ以上に実写との相性がいいのだ
疑心暗鬼
極限の恐怖
突然の理不尽な死
そういった要素は二次元のキャラより生身の人間が演じる方が、ダイレクトに観客に伝わる
そちらの方がよりリアルだからだ
いい原作に目をつけたといえるだろう
また様々な”げぇむ”を視覚的に見事に再現しているのも素晴らしい
日本のドラマとは思えないクォリティだった
スケール
序盤の無人となった渋谷
ここでまず度肝を抜かれた
どうやって撮影をしたのか見当もつかない
「アイ・アム・レジェンド」のようなシーンを、日本のドラマで見られるとは!!
凄いのは見せ方
渋谷の交差点で騒ぎを起こし、駅の中に逃げ込むアリスたち
警官に見つからないようにトイレに隠れる
構内の電気が消え、外に出てみる
見渡す限り無人の渋谷
これを全てワンカットの長回しで撮っているのだ
映像へのこだわりがたまらない
凄まじく見事な出来栄えである
セット、美術、CG
このドラマの全てが劇場版クォリティ
6時間の映画を見ているような感覚だった
さすがNetflixオリジナル
予算の桁が違う
最悪の”げぇむ”
本作は大きく分けて2部構成となっている
アリスがウサギと行動を共にするようになるまでが第1部
ホテルを拠点としたグループ「ビーチ」にアリスたちが関わるエピソードが第2部となる
カルト派のボーシヤと武闘派のアグニ
「ビーチ」は二つの派閥に分かれていた
両者は一触即発状態の危うい均衡を保っていた
そして最後の”げぇむ”が始まる
「まじょがり」
ロビーで胸をナイフで刺されて殺された少女
殺した「まじょ」は誰なのか?
見つけて火で燃やさなければ「げぇむおおばぁ」
100人以上いる「ビーチ」のメンバー、全員が死ぬことになる
そこからの展開が凄まじい
怪しい奴を片っ端から殺し、火に投げ込むアグニ一派
大虐殺の始まりである
あまりの壮絶な展開に呆然
これはテレビでは流せないかも知れない
ここまで突き抜けた日本のドラマ、見たことがない
本作はNetflixで世界190か国で配信される
海外で勝負できる日本のドラマを作る
佐藤監督の本気を見た
その心意気やよし!!
まとめ
エンタメ全振りのドラマ
熱量が凄まじい
洗練度ではまだまだな部分はある
だが、ストレートに面白い作品になっている
これなら世界でも通用するかも知れない
海外の反応が楽しみだ
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/374595
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