Netflix「浅草キッド」ネタバレ感想 笑いと切なさが満載の傑作!!

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Netflixオリジナル映画
「幻の浅草芸人」と呼ばれた師匠・深見千三郎や仲間たちとの浅草での日々と、芸人・ビートたけしが誕生するまでが描かれる

柳楽優弥と大泉洋、主演2人の演技が神がかっている
笑いと切なさが満載の傑作!!

劇団ひとりが脚本と監督を担当
予想以上の出来栄えで困惑を隠せない(笑)
もう今年の日本アカデミー賞はこれでいいだろという感じ
とにかく主演2人の演技が素晴らしい
昭和40年代の浅草もよく出来ていて、タイムスリップしたような気分を味わった
1人の青年のサクセスストーリーとしても興味深い
そして大泉洋がとんでもなく格好いい
深い師弟関係
そして決別
ラストは切なくも感動的
青春映画としてもかなりの良作
特にビートたけしが好きな人は必見
たけしの原点をより深く知ることが出来るだろう


予告編

『浅草キッド』ティーザー予告編 – Netflix

作品情報
作品名「浅草キッド」
監督:劇団ひとり
キャスト:大泉洋、柳楽優弥、門脇麦、土屋伸之、鈴木保奈美
上映時間:122分
製作国:日本(2021年)

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ざっくりあらすじ

昭和40年代の浅草。大学を中退したタケシは浅草のフランス座でエレベーターボーイをしていたが、「幻の浅草芸人」と呼ばれる深見千三郎のコントにほれ込み、弟子入りを志願し…………

感想(ここからネタバレ)

予想以上のクォリティでノックアウトされた…………

弟子入り

昭和40年代、大学を中退したタケシは、ストリップ劇場の浅草フランス座でエレベーターボーイをやっていた
そこでタケシはフランス座の座長の深見千三郎のコントにほれ込む
タケシはエレベーターの中で、弟子入りを志願する
深見はタケシの前で、タップダンスを踊って見せて、芸人になりたいならこれぐらいやってみせろと言う
その日からタケシはタップダンスの猛特訓を始めた
そんなタケシを深見は目をかけるようになった

深見に弟子入りし、舞台に立つようになったタケシ
最初はぎこちなかったものの、メキメキと実力をつけていった
フランス座にはタケシ目当ての客まで訪れるようになった
深見はそれを我がことのように喜んだ

しかし、次第にフランス座の経営は傾いていった
自分がフランス座を支えなければ
そう考えるタケシ
そんな時、フランス座の元先輩であるキヨシが、タケシを訪ねてきた
キヨシは自分と漫才のコンビを組まないかと言う
師匠は漫才を低俗だと嫌っていた
最初はタケシもその誘いを断るのだが…………

作品解説

原作はビートたけしの自伝「浅草キッド」

監督・脚本を担当したのは劇団ひとり
自身の小説を映画化した「青天の霹靂」で監督デビューしている

「浅草キッド」の原作を10代に読み、そうとう思い入れがあったそうで、映画化を7年模索したとのことだ
その甲斐あって、作品はかなり気合の入ったものになっている

柳楽優弥

若きタケシを演じる
大学を中退
夢もなく、浅草フランス座で住み込みでエレベーターボーイとして働く
そこで深見千三郎のコントにほれ込み弟子入り
深見の指導のもと、実力を上げていく
しかし、このままフランス座で終わりたくないという思いが強くなり…………

柳楽優弥がビートたけし?
最初はイメージが全く違うと思った

ところが作品を見たら、めちゃくちゃ似てる
仕草もそうだが、シャイな面や不器用さ、溢れるエネルギーなど雰囲気が生き写し
柳楽優弥の演技に圧倒された

またツービートの漫才シーンもかなりいい
懐かしいネタに思わず爆笑してしまった
柳楽優弥は役者として本作で、一皮むけた感すらある
間違いなく代表作となるだろう

大泉洋

「幻の浅草芸人」と呼ばれた深見千三郎を演じる
「バカヤロー」が口癖
テレビを嫌い、舞台でのコントに情熱を傾ける
口が悪いが人情味があり、浅草の人々からも師匠と慕われている
弟子入りしたタケシのことを可愛がり、芸人としての生き様を叩き込むが…………

大泉洋演じる深見千三郎は、とにかく格好いい

外では必ずお洒落な身なり
経済的に困窮していても、全く表に出さない
芸人としてのプライドを持っており、客に媚びない

そんな人を惹きつけるカリスマ性を持った深見を、大泉洋は非常に魅力的に演じている

ビートたけし

漫才ブーム、オレたちひょうきん族、スーパージョッキー、天才・たけしの元気が出るテレビ!!、世界まるごとHOWマッチ、オールナイトニッポン

テレビやラジオでビートたけしを見ない日はなかった
誰もがたけしに魅了され、何らかの影響を受けただろう

個人的に衝撃的だったのは、北野武名義で初めて監督した映画「その男、凶暴につき」

これを本当にあのたけしが撮ったの!?

まさに天才だと思った

そんなビートたけしの青春時代を描いた本作

金がなくフランス座の楽屋で寝泊まりする日々
地味な下働き
ついに舞台に立っても、緊張し言葉が出てこない

あの天才たけしにも、こんな鬱屈した時代があったとは
正直、驚きだった
本作でたけしを見る目が、かなり変わった

師弟

「幻の浅草芸人」と呼ばれる深見千三郎に弟子入りしたタケシ

「笑われるんじゃなく笑わせろ」

深見はタケシに大きな影響を与えていく

今となってはアナクロな師弟関係
だが、人の情がいまだに健在だった
浅草という土地柄も影響していたのだろう
泥臭いが強い絆に、非常に魅力を感じた

決別

家族のように受け入れてくれたフランス座の仲間たち
何もかも世話になり頭の上がらない師匠

しかし、タケシは彼らを切り捨て、外の世界に出ることを決意する
その葛藤シーンが非常に秀逸だった

大切なものを全て見捨てた自分
こうなったら何が何でも成功するしかない

タケシは漫才でのし上がっていく
一方、時代に取り残された深見は、フランス座を手放し芸人の引退を余儀なくされる

師弟の明暗が残酷に描かれていく終盤は、見ていてほろ苦かった
そして深見の死
最後にタケシと酒を酌み交わした深見の上機嫌の笑顔が印象的だった

かつてのフランス座を訪れるタケシ
このラストシーンがまさに映画的
フランス座で過ごした青春の日々
笑って泣ける見事なラストになっていた

まとめ

予想以上の傑作
劇団ひとりの監督としての手腕は本物のようだ
ほろ苦く懐かしい青春映画
かつて深見千三郎という芸人がいたことを、知るためだけでも価値がある
2021年を代表する日本映画である

Netflixでオリジナル映画「浅草キッド」が配信された 芸人・ビートたけしが浅草で師匠である深見千三郎と過ごした若き日々を描いた本作...

Asakusa Kid (2021) on IMDb

allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/379889

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コメント

  1. 柴原清聡 より:

    自分も傑作に一票です。

    • しまと より:

      コメント、ありがとうございます
      本当に予想以上の出来で驚きました
      主演2人の演技は素晴らしかったです
      脚本や演出も良かった
      ちょっと侮っていました