Netflix「バック・ノール」ネタバレ感想 衝撃の刑事ドラマ!!

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Netflixオリジナルのフランス映画
マルセイユの3人の刑事は、麻薬組織の摘発に挑むことになるが…………

リアルでハードな実録もの
後半の展開が衝撃的

2012年に実際に起こった事件が基となっている
刑事たちの日常がリアルに描かれる
まるでドキュメンタリーを見ているようだった
主役3人の演技が見事
前半は淡々と小さな事件が描かれる
しかし、中盤の麻薬組織摘発のシーンの迫力が凄まじい
何が起きるか分からない緊張感で、目が離せなかった
そして終盤の衝撃の展開
こんな刑事もの、見たことがない
非常に骨のある作品
取っつきやすくはないが、刑事ものに目がない人にはおススメ!!


予告編

The Stronghold / BAC Nord (2021) – Trailer (English subs)

作品情報
作品名「バック・ノール」(原題BAC Nord)
監督:セドリック・ヒメネス
キャスト:ジル・ルルーシュ、カリム・ルクルー、フランソワ・シヴィル、アデル・エグザルコプロス、ケンザ・フォルタス、シリル・ルコント
上映時間:105分
製作国:フランス(2020年)

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ざっくりあらすじ

2012年、マルセイユで小さな事件ばかりを扱っていた3人の刑事は、大規模麻薬組織の摘発の機会に恵まれる。だが、そのためには法を破る必要があった…………

感想(ここからネタバレ)

骨のある一作!!

摘発

フランスでもっとも犯罪率の高い地域マルセイユ
2012年、マルセイユの刑事グレッグヤスアントワンとチームを組み、犯罪を取り締まっていた
麻薬の売人や窃盗犯を捕まえる日々
どれもがケチな犯罪ばかりだ
グレッグたちはノルマをこなすことで精いっぱいだった

車を強奪されたという通報が入った
グレッグたちは駆けつけたが、犯人は団地に逃げ込んでしまった
その団地は麻薬組織の根城となっており、警察も手を出せなかった
はらわたが煮えくり返ったが、3人はすごすごと引き返すしかなかった

知事が麻薬組織の撲滅に乗り出した
上司のジェロームはグレッグに、組織の摘発を命じた
そのためにはまずアジトを特定しなければならない
アントワンは情報提供者のアメルに、アジトを探ってくれと頼んだ
その情報は彼女の命を危険にさらすことになる
アメルは引き換えに、5キロの大麻を要求した

グレッグたちはジェロームに、押収品の大麻を使わせてくれと頼んだ
ジェロームは拒否して、大麻が必要なら自分たちで調達するように言った
やむを得ず3人は、麻薬の売人やその客から、地道に大麻を押収していったが…………

作品解説

監督は「ナチス第三の男」のセドリック・ヒメネス
本作の脚本も担当している

「バック・ノール」はカンヌ国際映画祭で上映された後、2021年8月18日にフランスで劇場公開された

グレッグ

マルセイユの刑事
3人のチームのリーダー
ノルマ達成のためのケチな仕事の毎日にうんざりしている
麻薬組織の摘発を命じられ、危険を承知で引き受けるが…………

演じるのは「この愛のために撃て」や「友よ、さらばと言おう」のジル・ルルーシュ
セドリック・ヒメネス監督と組むのは、これが3本目となる

ヤス

グレッグのパートナーの1人
気が短い性格
生まれたばかりの息子に夢中

演じるのは「ワールド・イズ・ユアーズ」のカリム・ルクルー

アントワン

グレッグのもう1人のパートナー
マイペースな性格
情報提供者のアメルと親しくしている

演じるのはNetflix映画「バーン・アウト」のフランソワ・シヴィル

元恋人の借金のかたに麻薬の運び屋にされたバイクレーサー フランス製のアクション・スリラーである 窮地に陥った男の息のつまるような緊張感が...

実録もの

本作は2012年にマルセイユで起きた実際の事件が基になっている
その事件では18人の警官が麻薬密売と恐喝で逮捕された
セドリック・ヒメネス監督は関係者から話を聞き、この物語を書き上げた

まるでドキュメンタリーのようなリアルな刑事もの
本作を見て思いだしたのはこの作品

「エンド・オブ・ウォッチ」
ロサンゼルスの犯罪多発地区を舞台に、パトロール警官たちの死と隣り合わせの日常を描いた
主演、ジェイク・ギレンホール
デビッド・エアーの監督デビュー作でもある
複数のカメラを使ったドキュメンタリーのような作品

刑事の日常

グレッグ、ヤス、アントワン
本作に登場する刑事たちは決してヒーローではない
とはいえ欠点はあるが悪人と言うほどでもない
ごく普通の男たちだ

前半はそんな3人の日常が淡々と描かれる
ノルマ達成のためにケチな犯罪ばかり取り締まる日々
本当の悪人には手を出せないジレンマ
喧嘩もするが固い絆で結ばれた3人
まるで彼らが実在しているかのようだった
ステレオタイプではない血肉の通ったキャラクターを、生み出すことに成功している

亀を売っている男を捕まえたり、どこかユーモアを感じさせるシーンも多い
捕まえた少年がパトカーの中で、ラジオに合わせて歌いだすシーンなど、意表を突かれて面白かった

摘発

麻薬組織を摘発するために、5キロの大麻が必要になったグレッグたち
売人や客から麻薬を回収する姿が、あまりに地味で悲哀を感じた
そして他の仲間たちの協力も得て、ついに5キロの大麻が集まる

団地にある麻薬組織のアジトを急襲するシーンが大迫力
武器を持った無数の犯罪者たち
まるで無法地帯
いつ誰が撃たれてもおかしくない
このシーンは最後まで、手に汗握らされた
素晴らしい見せ場となっている

ジャンル映画からの逸脱

無事に摘発に成功したグレッグたち
ここは非常にカタルシスがあった
それで終わっていれば本作は、普通の刑事ものだっただろう

だが、物語は予想外の展開を見せる
組織の情報を得るために集めた5キロの大麻
そのことは上司も容認していた
ところがグレッグたち3人は、麻薬を密売したとして逮捕されるのだ

確かに違法な行為だった
だが、麻薬組織を壊滅させるために、必要なことだった
頼みの上司は自分は知らなかったと嘘をつく
グレッグたちは警察から切り捨てられた

ジャンル映画を見ていたと思ったら、人間の罪を問うドラマに変貌
これには本当に驚いた
スカッとする刑事ものを期待していた人は、失望するかも知れない
けれど刑事ものというジャンル映画に、疑問を投げかける試みは、非常に刺激的だった
ハリウッドにはない、フランス映画の気概を感じさせた

まとめ

骨のある刑事もの
演技や演出がリアル
全編にみなぎる緊張感
そして終盤の驚きの展開
充足感のある一作だ

The Stronghold (2020) on IMDb

Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/the_stronghold_2020
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/378633

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