Netflix「ブーブル」ネタバレ感想 切なく美しいホラー!!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Netflixオリジナルのインド映画
切なくて美しいホラーである
いや、怪談とかおとぎ話に近いかもしれない
村で次々と男性が殺される
犯人は本当に森に住む魔女なのか?
ブーブル役のトリプティ・ディムリがとても美しくて魅力的
幻想的な映像や音楽も素晴らしい
インド映画だがシリアスなタッチで、歌やダンスなどはない
非情にメッセージ性の強い作品である
ハリウッド製のホラーとは、全くの別物
だが、ある意味では本当に恐ろしい
ホラー映画好きな人、インド映画が好きな人にはおススメ
とても見ごたえのある一作である


予告編

作品情報
作品名:「ブーブル」(原題Bulbbul)
監督:アンヴィタ・ダット
キャスト:トリプティ・ディムリ、アビナッシュ・ティワリ、ラーフル・ボース、パランブラタ・チャテルジー
上映時間:94分
製作国:インド(2020年)

スポンサーリンク
PC レスポンシブ

ざっくりあらすじ

5年ぶりに故郷に帰ってきたサティヤは、美しい義姉ブーブルと再会する。しかし、ブーブルが治める村では、男性ばかりが殺される不可解な連続殺人事件が起こっていた…………

感想(ここからネタバレ)

音楽や映像が本当に美しい

森の魔女

1881年のインド
ブーブルは木登りが好きなお転婆な女の子
ある日、綺麗な衣装を着せられ、ブーブルは連れていかれた
周りは知らない人ばかりだ
それはブーブルの結婚式だった
相手はイントラニルという大人の男性だった

イントラニルは領主で、森の中の豪邸に住んでいた
幼いブーブルは孤独だった
だが、イントラニルの弟で同年代のサティヤと仲良くなる
ブーブルとサティヤはいつも一緒だった

それから時が流れた
サティヤは立派な青年になっていた
ブーブルにとってサティヤだけが心の支えだった
ところがサティヤは法律を勉強に、ロンドンへ旅立ってしまった
ブーブルは深く嘆いた

それから5年が経ち、サティヤは故郷へ帰ってきた
久しぶりの我が家
しかし、ブーブルの夫のイントラニルは、数年前に屋敷を去った
下の兄マヘンドラは亡くなっていた
噂では不可解な死に方だったらしい
今ではブーブルが実質的な領主となっていた

そして、再会したブーブルは美しく、近寄りがたい魅力を放っていた
変わってしまった義姉にサティヤは戸惑った
そんな時、村で妙な噂を聞いた
最近、男性ばかりが次々と殺される事件が発生しているというのだ
村人たちは森に住む足のねじれた魔女の仕業だと信じていた
だが、そんなはずはない
犯人は人間だ
サティヤは大勢を連れて、森へ犯人の捜索に出発するが…………

ブーブル

幼い頃に嫁いできた少女
昔はお転婆で快活な女の子だった
しかし、今ではどこか冷たいミステリアスな女性へと変わってしまった
再会したサティヤにも冷めた態度で接するが…………
演じるのはトリプティ・ディムリ

ブーブルを演じるトリプティ・ディムリが非常に魅力的
美しくて、ミステリアス
そして、少しずつ彼女の隠された秘密が明らかになっていく

サティヤ

ブーブルの夫イントラニルの下の弟
幼い頃から、ずっとブーブルと一緒に過ごしてきた
5年ぶりにロンドンから帰ってみると、ブーブルはすっかり変わっていた
さらには近隣で起きている殺人事件
魔女の仕業だという噂を信じず、サティヤは犯人を見つけようとするが…………
演じるのはアビナッシュ・ティワリ

理不尽

「君はお転婆な女の子だね」

連れていかれた先で、サティヤという男の子と仲良くなったブーブル
あの子が私の結婚相手?
だが、相手は自分よりずっと年の離れたサティヤの兄イントラニルだった

この冒頭シーンは衝撃
まだ子供のブーブルが、同意もなく大人に嫁がされる
恐ろしい理不尽さだ
しかし、世界で現実に起きていることである

児童婚

児童婚とは未成年者(18歳未満の者)と結婚すること
大抵の場合、パートナーの一方のみが児童で、その多くは女性である
アフリカや南アジアで児童婚は多く見られる
世界の若い女性で、児童婚を経験した者は5人に1人といわれている
Netflixの短編アニメ「シターラ: 夢を抱け、少女たち」でも描かれている

衝撃を受けた たった15分の短編アニメである サイレントでセリフは一切ない だが、映画を見て、こんなに憂鬱な気分になったのは久しぶりだ...

悲恋

本人の同意もなく嫁がされたブーブル
夫も含め屋敷の中は見知らぬ大人ばかり
ブーブルは孤独だった

そんな中、同年代の男の子サティヤだけが、ブーブルの話し相手であり友達だった
唯一の心の拠り所
ブーブルはサティヤを深く愛するようになった
だが、それは秘めた恋だった
絶対に夫に知られるわけにはいかない

このブーブルの心情が本当に切ない
サティヤだけがブーブルにとって太陽であり、心の安らぎ
しかし、それに感づいた夫によって、サティヤはロンドンへ旅立たされてしまう
絶望するブーブル

魔女か、女神か

男性を殺している魔女
その正体はブーブルだった
彼女の魂はもうこの世のものではなかった

男たちによって不当な目に合わされた自分
そんな男は大勢いる
そういった連中をブーブルは夜な夜な殺していった

ブーブルが行動を起こす時、月は赤くなる
その赤い夜の映像が本当に美しい
ブーブルが始末するのは、女性を虐げた男ばかり
その血に染まった姿は、どこか女神のようでもあった

ホラー映画でありながら、強いメッセージ性を感じる
監督のアンヴィタ・ダットは女性で、これがデビュー作
見事に独創的で見ごたえのあるホラーを作り上げた

まとめ

恋心を秘めた切ない姿、恐ろしい魔女として男を襲う姿
ブーブル役のトリプティ・ディムリが素晴らしい存在感
映像や音楽も美しい
物語が現在と過去を行き来して、見づらい部分はあるが、かなりの見ごたえ
赤い夜の情景が本当に幻想的だった
ただ怖いだけで終わらない強いメッセージ性
独創的なホラーとして、一見の価値あり


Bulbbul (2020) on IMDb

スポンサーリンク
PC レスポンシブ

ブログTOP

関連記事
スポンサーリンク
PC レスポンシブ
PC レスポンシブ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする