クリードに最強の敵が立ちはだかる
前作「クリード チャンプを継ぐ男」を見た人
「ロッキー4 炎の友情」をリアルタイムで見た人
「ロッキー」シリーズが好きな人
上記に当てはまる人は必見レベル!!
宿命の対決
過酷な特訓
エキサイティングなボクシングシーン
そして、ロッキー・バルボアのいぶし銀の格好よさ
シリーズ集大成ともいえる傑作である
予告編
作品情報
作品名「クリード 炎の宿敵」(原題Creed II)
監督:スティーブン・ケイプル・Jr.
キャスト:マイケル・B・ジョーダン、シルベスター・スタローン、テッサ・トンプソン、フィリシア・ラシャド、ドルフ・ラングレン、フロリアン・“ビッグ・ナスティ”・ムンテアヌ
上映時間:130分
製作費:$50,000,000(IMDb推定)
製作国:アメリカ(2018年)
ざっくりあらすじ
世界チャンピオンに上り詰めたアドニス・クリードに、かつて父アポロを葬ったイワン・ドラゴの息子ヴィクターが挑戦状を叩きつける………………
感想(ここからネタバレ)
ロッキー・バルボアとイワン・ドラゴ
「ロッキー4 炎の友情」からもう34年
宿命の対決がこんな形で再び実現するとは
男なら燃えないはずがない!!
父の仇
物語はアドニス・クリードがロッキー・バルボアの指導の下、世界ヘビー級タイトルマッチを迎えるところから始まる
いきなりクライマックス
こういう戦いって普通は映画の最後にやるものじゃないの!?
驚きの幕開けである
若いパワーとスピードでチャンピオンを倒し、見事世界王者に輝くアドニス
とうとう頂点に上り詰めた
そして、その勢いに任せて恋人のビアンカにプロポーズ
こうしてチャンピオン・ベルトと花嫁をゲット
アドニスはまさに幸せの絶頂だった
しかし、そんな時、ロシアのヴィクター・ドラゴが挑戦状を叩きつけてくる
ヴィクターはアドニスの父アポロ・クリードをリングで殺したイワン・ドラゴの息子だった
アドニスの中で復讐の炎が燃え上がる
そんなアドニスにロッキーは忠告する
「あの親子には怒りしかない。戦いは避けるべきだ」
その言葉を無視して、挑戦を受けるアドニス
ロッキーはそんな彼を見ていられないと、協力を辞退した
アドニスはロッキー抜きでヴィクターと戦うことになるのだが………………
キャラクター
アドニス・クリード
ロッキーのライバルであり親友だったアポロの息子
ついにヘビー級の世界チャンピオンにまで上り詰める
結婚し子供もできて幸せの絶頂
そんな中、復讐心からドラゴ親子と戦うことになる
演じるのはマイケル・B・ジョーダン
出演作
「ブラックパンサー」
社会現象となるほどの大ヒットを記録したマーベル作品
マイケル・B・ジョーダンはブラックパンサーの敵役を好演
ロッキー・バルボア
トレーナーとしてアドニスを世界チャンピオンになるまで育て上げる
だが、ドラゴ親子と戦うのは反対する
演じるのはもちろんシルベスター・スタローン
ビアンカ・テイラー
アドニスと結婚し、子供も生まれる
歌手としてのキャリアも順調
演じるのはテッサ・トンプソン
イワン・ドラゴ
ロシアの元チャンピオン
アポロをリングで殺した
その後、ロッキーに敗戦
全てを失い、恨みを抱いている
演じるのはドルフ・ラングレン
一度は出演を断ったが、脚本を読んで感動し、再びイワン・ドラゴを演じることに決めた
ヴィクター・ドラゴ
イワンの息子
最強の挑戦者
つねに怒りをあらわにしている
演じるのは新人のフロリアン・ムンテアヌ
「ロッキー4 炎の友情」とは
ソ連の殺人マシーン、ドラゴにアポロが挑み命を落とす
ロッキーは仇を討つため、ロシアでドラゴと対戦するが………………
正直、見る前は馬鹿にしていた
ソ連のボクサーをロッキーが打ち破る
まさにアメリカ万歳
あまりに頭が悪い内容に思えたのだ
だが、実際に見ると意外と面白い
色々と鼻につくところはあるのだが、エンターテイメントとしてはサクッと見れる
何より殺人マシーン、ドラゴの存在感が強烈だった
科学的トレーニングをするドラゴとアナログな特訓をするロッキーの対比も面白い
「ロッキー」シリーズでは異色作だが、何故か忘れられない魅力がある
敗北
ロッキー抜きでヴィクター・ドラゴに戦いを挑んだアドニス
果たして勝ち目はあるのか?
まだ前半だし嫌な予感しかしない
案の定、ボコボコにされるアドニス
こんなん絶対に勝ち目ないだろ
ヴィクターの反則により、チャンプの座は守った
しかし、肉体もプライドもボロボロである
アドニスは自信を失い、スランプに陥った
底辺からの脱出
「ロッキー」シリーズのテーマの一つである
その通りにアドニスはいきなりどん底に叩き落される
復活
「戦う理由は何か?」
ロッキーは何度もアドニスに問いかけた
最初は復讐心だった
殺された父の敵を討つのだ
だが、結婚し娘も生まれた
自分には守るものが出来たのだ
それなのに、どうしてあんな恐ろしい相手と戦わなければならないのか?
アドニスは自問自答する
出た答えはシンプルだった
自分はボクサーだからだ
ボクサーであり続けるために、ヴィクターは避けては通れない相手だ
アドニスはもう一度、戦う決意をする
そんなアドニスをロッキーは根本から叩き直す
熾烈な特訓
ロッキーは設備の整ったジムを離れ、アドニスをカリフォルニアの砂漠に連れていく
そこは信じられないほど、みすぼらしい設備だった
ロッキーが言うには、そこはボクサーの虎の穴だという
何だかんだで、お坊ちゃんのアドニス
あまりに粗末な場所にドン引きだ
そこでアドニスは徹底的に身体を痛めつけられる
「ロッキー」名物のトレーニングシーン
今回はそこにも力が入っている
パワーではるかに勝っているヴィクター
それに対抗するには徹底的に身体を鍛え上げなくてはならない
「ロッキー」のトレーニングシーンは見ていて本当にテンションが上がる
マイケル・B・ジョーダンの熱演にも注目
ドラゴ親子のドラマ
今回、驚いたのは敵であるドラゴ親子のドラマにも力が入っていること
金と妻と尊敬
34年前、ロッキーに敗北したことで全てを失ったイワン・ドラゴ
彼は復讐を誓い息子であるヴィクターを徹底的に鍛え上げた
そして、ロッキーの愛弟子であるアドニスを潰し、王座を手に入れようとする
本来ならただの逆恨みだ
でも、あのドラゴの落ちぶれた姿を見ていると、同情したくなるのも事実
また父の復讐の道具として育てられたヴィクターも哀しい存在だ
彼らは負けたらもう後がないのだ
家族にも師にも恵まれているアドニスに比べて、何という哀れさだろう
演技が初めてというのが信じられないほどのヴィクター役のフロリアン・ムンテアヌの熱演が凄い
そして、何より落ちぶれたイワンを演じるドルフ・ラングレンの哀愁ただよう演技
こんな枯れた役が似合う役者になっていようとは
前作をリアルタイムで見た人間からすると涙を禁じ得ない
ロッキー・バルボア
前作に続いてロッキー演じるシルベスター・スタローンの渋さは健在
親友であるアポロを目の前でみすみす死なせた後悔
その息子を同じ目に合わせたくない
老いたロッキーの苦悩が胸に迫る
またロッキーとアドニスの親友のような親子のような信頼関係も微笑ましい
最初はドラゴと戦うことに反対していたロッキー
だが、覚悟を決め、アドニスを勝たせるために全てを注ぎ込む
そこから物語はみるみる面白くなる
本作でロッキー役を引退すると宣言したスタローン
ラストにふさわしい名演だった
クライマックス
最後の決戦はアウェイであるロシアの会場で行われる
万全の準備をして身体を鍛え上げたアドニス
それでもやはりヴィクターは強かった
アドニスは何度もマットに沈む
それでも何度も立ち上がる
この不屈の闘志こそが「ロッキー」シリーズである
ロッキーは言った
最後はハートの強さが勝負を決める
そして、アドニスはハートで上回った
ヴィクターを滅多打ちにするアドニス
ばてて手を出せないヴィクター
それでも決してやめようとしない
勝負の幕引きはイワン・ドラゴの投げたタオルだった
実は「ロッキー」シリーズ全8作で、タオルで勝負が決まったのは本作が初めてである
息子のヴィクターを道具のように使っていたイワン
だが、ちゃんと親子の情はあったのだ
「ロッキー4 炎の友情」から34年
非常に感動的な幕引きだったと思う
まとめ
「ロッキー4 炎の友情」の因縁の対決を、34年ぶりに再び実現
まさに企画の勝利である
見終えて言い知れぬ感動を覚えた
これはリアルタイムでシリーズを追ってきた人間の特権かも知れない
まさにシリーズの集大成のような傑作である
「ロッキー」シリーズほど長く愛されてきたスポーツ映画は他に思いつかない
これで完結したとしても文句なし
見事すぎるシリーズの幕引きになると思う
それでも「ロッキー」シリーズだから、まだ続きそうな気もするが………………
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