あの「天元突破グレンラガン」や「キルラキル」の今石洋之監督作品が、Netflixのアニメシリーズとして登場
人体改造が当たり前となった世界で、全てを失った少年デイビッドはアウトローの傭兵であるエッジランナーを目指すが…………
地上波では絶対に放送できない過激な描写の連続
裏社会の青春群像劇を殺戮と破壊満載で描いた傑作
原作はPS4などで発売された人気ゲーム「サイバーパンク2077」
舞台は同じナイトシティだが、違う主人公の物語が語られる
本作を見て驚くのが容赦ないゴア表現
人間が虫けらのように次々と死んでいく
また女性のヌードなども頻繁に出てくる
家族のいるところで見ない方がいいだろう
絶望とどん底に突き落とされるデイビッド
そんなデイビッドが仲間を得て、エッジランナーとしてのし上がっていく姿が描かれる
TRIGGER制作だけあって、アクションは動きまくり
殺戮の嵐が吹き荒れ、爽快感すら感じた
強大な敵に立ち向かうクライマックスの展開も熱い
今石監督作品としては、もっともダークでハードで大人向け
ファンなら必見！！
アニメに良識を求める人は、見ない方がいいだろう
予告編
作品情報
作品名「サイバーパンク エッジランナーズ」
監督：今石洋之
ショーランナー・制作総指揮：ラファウ・ヤキ
キャスト：KENN、悠木碧、東地宏樹、鷄冠井美智子、本田貴子、高木渉、黒沢ともよ、井上和彦、日野由利加、津田健次郎
全10話
アニメーション制作：TRIGGER
制作：CD PROJEKT RED
製作国：日本、ポーランド、アメリカ（2022年）
ざっくりあらすじ
人体改造が当たり前となった世界。ナイトシティに住む少年デイビッドは、巨大企業アラサカが運営するアカデミーに通っていた。ある日、ギャングの抗争に巻き込まれて全てを失ったデイビッドは、アウトローの傭兵であるエッジランナーとなって這い上がることを誓うが…………
感想（ここからネタバレ）
今石監督の新作なら見ないわけにはいかない…………
どん底から這い上がれ！！
巨大都市、ナイトシティ
その街は大企業アラサカが支配し、貧富の差が激しく、ギャングたちが好き放題に暴れて治安も乱れていた
また自らの身体を人体改造したエッジランナーと呼ばれるアウトローたちが、危険な仕事を請け負い暗躍していた
アラサカが運営するアカデミーに通う少年デイビッドは、母親のグロリアと二人暮らしで、生活は家賃も滞納するほど貧しかった
学費は高く、グロリアは息子をアカデミーに通わせるため無理をしていた
デイビッドは成績は良かったが、下層階級だと馬鹿にされて、学校では周囲の生徒に馴染めなかった
母親の期待がデイビッドには重かった
デイビッドはBD（ブレインダンス）で他人の刺激的な記憶を追体験することで、憂さを晴らしていた
ある日、ギャングの襲撃に巻き込まれて、母親が亡くなった
デイビッドには多額の借金が残った
もうアカデミーにも通えない
デイビッドの人生はどん底だった
母親の遺品の中から奇妙なものが見つかった
それは軍用の人体改造パーツ”サイバーウェア”だった
グロリアはそれを横流しすることで、学費にしていたのだ
全てを失ったデイビッド
残ったのは母親が遺したサイバーウェアのみ
デイビッドは闇医者のリパードクのところへ、それを持ち込んだ
「こいつを俺にインストールしろ！！」
作品解説
原作はポーランドのゲーム開発会社CD Projekt REDが開発し、2020年にPS4などで発売された「サイバーパンク2077」
「サイバーパンク エッジランナーズ」に登場する様々な銃器やサイバーウェアは、ゲーム内でも使われている
「サイバーパンク エッジランナーズ」の制作は「サイバーパンク2077」のゲーム発売前からスタートした
ゲーム開発元であるCD Projekt REDとTRIGGERの打ち合わせは、ゲームとアニメの表現の違いで難航し、脚本に2年かかったという
今石洋之
「天元突破グレンラガン」、「パンティ&ストッキングwithガーターベルト」、「キルラキル」、「プロメア」
次々と話題作を生み出す異色の監督である
動きへのこだわり
作画が崩れても、その場の勢い重視
熱い展開
どこか昭和チック
デザインの統一性を重視する昨今の日本のアニメとは真逆
スタッフの個性を尊重するどこか懐かしく自由な作風
まさに唯一無二の存在である
今回、Netflixと組んだことで規制などから解放され、新たな次元へと進んでいる
デイビッド CV.KENN
本作の主人公でアカデミーに通う少年
母親を亡くし全てを失ったことで、軍用のサイバーウェア「サンデビスタン」を自らに埋め込み、エッジランナーを目指すようになる
サイバーウェアへの適応力が並の人間より高い
サンデビスタンの力で高速移動が可能
エッジランナーとして少しずつ成長していくが…………
学校ではいじめ
母親は死亡
多額の借金
序盤はデイビッドのあまりに悲惨すぎる状況に、かなり気が滅入った
そんなデイビッドが仲間を得て、エッジランナーとしてのし上がっていく姿は痛快
ルーシー CV.悠木碧
デイビッドが出会った謎の女
アラサカの関係者からチップを盗んでいるところに居合わせ、デイビッドはその仕事を手伝うようになる
ネットランナー（ハッカーのようなもの）で、決して他人に心の内を見せない
デイビッドに次第に気を許すようになるが…………
セクシーでクール
最初はそんな印象だったルーシー
だが、後半では愛するデイビッドのために全てを投げ出すような、激しい一面を見せる
とても印象的なヒロインだった
メイン CV.東地宏樹
ルーシーの仲間のエッジランナーで、チームのリーダー
デイビッドが手に入れたサンデビスタンは、先にメインが買ったものだった
最初はサンデビスタンを取り返そうとするが、デイビッドの才能を見込み仲間にする
面倒見のいい性格
全身にいくつもの武装用のサイバーウェアを埋め込んでいる
デイビッドの兄貴的存在
エッジランナーとしての生き方や技術を、デイビッドはメインから学んでいくことになる
しかし、次第にサイバーサイコに苛まれて…………
レベッカ CV.黒沢ともよ
メインのチームの一員
幼い少女に見えるが口が悪い
トリガーハッピーで、戦闘が始まると活き活きする
デイビッドに気があるが、アプローチに全く気付いてもらえない
幼い少女に見えてトリガーハッピー
今石作品でこの手のキャラを見ると、実家に帰ったような安心感（笑）
終盤、想いが届かなくてもデイビッドを支える姿が切なかった
その少女のような外見からCD Projekt REDが難色を示し、デザインを変更して欲しいと言われてTRIGGER側が「このかわいらしいレベッカじゃなきゃ駄目なんだ。何より制作のモチベーションが段違いなんだよ！」と答えたというエピソードが好きすぎる
表現の限界
とにかく本作は過激だ
TRIGGER作品の中でも群を抜いている
潰れる頭部
飛び散る肉片
人体切断
何もぼかさずありのままを見せている
そして主人公のデイビッドも殺しまくる
凄まじい勢いで人が死んでいくので、爽快感すら覚えた
地上波では絶対に無理だろう
また過激なのはそういう面だけではない
ヒロインの裸体もありのままに見せている
全てにおいて突き抜けている作品だ
日本では珍しい大人向けアニメといえるだろう
サイバーパンク
本作はゲームである「サイバーパンク2077」が原作である
ゲームが原作のアニメを今石監督が手がけるとは意外だった
とはいえストーリーは独立しているので、本作だけでも楽しめる
しかし、気になった点もある
ゲームで使われた専門用語が、アニメでも多く使われている
雰囲気で分かるものもあるが、何の説明もなくさっぱり分からないものもあった（ミリテクって企業名だったんですね）
どうも知ってて当たり前という描き方なのだ
ゲーム未プレイ者にも、もう少し配慮が欲しかった気がする
今石作品としての系譜
陰鬱でハードで過激
最初は今石作品としては異色な印象だった
だが、改めて考えると、「グレンラガン」と通じる部分が多いことに気づいた
主人公はどん底からスタート
中盤での兄貴分の死
成長した主人公が仲間を率いていく
ある意味「グレンラガン」を表とするなら、「エッジランナーズ」は裏と呼べる存在なのかも知れない
また今石作品としては珍しく、大人の恋愛を描いているのも特徴
終盤はそれがメインテーマとして浮かび上がってくる
相手を守るためなら自分は死んでもかまわない
デイビッドとルーシーの激しい愛情
特にルーシーの献身的で一途な姿は、クールなイメージとのギャップもあり、非常に胸に迫った
今石監督が新たなステージに辿り着いたという印象だ
まとめ
今石洋之監督の久々の新作
脳がトリップしそうな感覚を味わった
やはりこの人は凄いと痛感
今石作品やTRIGGERのファンなら絶対に見るべし！！
Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/tv/cyberpunk_edgerunners/s01
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/373091
ブログTOPへ