2019年のNetflix映画「ハイ・フォン: ママは元ギャング」の前日譚
1990年代のサイゴンで、若き3人の殺し屋たちは街を牛耳る犯罪組織に、戦いを挑むが…………
肉弾戦を中心とした壮絶なアクションが炸裂
女殺し屋3人の絆など、ドラマも充実
若き殺し屋たちのアクションが凄まじい
壮絶な過去により、人を信じられなくなった主人公
彼女が仲間と巡り合い、人の暖かみを知っていく展開も感動的
女性を食い物にする卑劣な犯罪組織
悪役のキャラクターも強烈だった
アクションシーンは前作に続き、まさに壮絶
身体を張った戦いも凄いが、中盤のバイクチェイスも凄まじかった
アクション満載だが、ストーリーにも手を抜いていない
クライマックスの殴り込みは最高に盛り上がった
また搾取される女性たちの悲哀も、存分に描かれる
エネルギッシュでエキサイティング
アクション映画が好きなら、絶対にお勧め
前日譚なので、こちらを見てから前作を見ても問題ないだろう
予告編
作品情報
作品名「タン・ソイ:美しき殺し屋」(原題:Thanh Sói)
監督:ヴェロニカ・ンゴー
キャスト:ドン・アン・クイン、トック・ティエン、トゥアン・グエン、ヴェロニカ・ンゴー、リマ・タン・ヴィ、ソン・ルアン、ギア・グエン、ファン・タイン・ニエン
上映時間:110分
製作国:ベトナム(2023年)
ざっくりあらすじ
1990年代のサイゴン。3人の若き殺し屋たちは、街を牛耳る卑劣な犯罪組織に裁きを下すべく、命を懸けた戦いを挑むが…………
感想(ここからネタバレ)
相変わらずのキレキレのアクション
どん底での出会い
幼いビは田舎で、娼婦の母親と2人で暮らしていた
だがある日、ビは客の男から襲われ、助けようとした母親は殺された
ビは男を殺して、サイゴンへ逃げた
都会での生活は、想像を絶する厳しさだった
物売りから盗み
ビは生きるために何でもやった
ある日、男たちに襲われそうになったところを、1人の女性に救われた
その女性はジャクリーンと名乗った
ビはその強さを見て、自分を連れて行って欲しいと頼んだ
クールで素っ気ない態度のタン
明るくムードメーカーのホン
ジャクリーンは2人の10代の少女たちを引き取って暮らしていた
新しい仲間だと、ジャクリーンはビを紹介した
その日から、厳しい訓練が始まった
ジャクリーンの目的は、搾取されている女性たちを救うこと
そのためにビたちは戦士として鍛えられた
3人は次第に姉妹のように、絆を深めていった
ジャクリーンからある任務が言い渡された
ターゲットは狂犬ハイ
この街の裏社会を仕切っている組織のボスだ
ハイと3人の幹部たちは「ビッグ4」と呼ばれて恐れられていた
ビたち3人は組織に戦いを挑んでいくが…………
作品解説
監督・脚本はヴェロニカ・ンゴー
前作では主役のハイ・フォンを演じ、素晴らしいアクションを見せてくれた
本作はベトナム初のNetflixオリジナル映画
ビ
母親を殺した男を殺害し、田舎から出てきた
他人を信用できない
過去のトラウマに苦しんでいる
仲間と出会ったことで、人のぬくもりを知るが…………
演じるのはドン・アン・クイン
見事なアクションを披露している
タン
クールで素っ気ないが、実は情に厚い
最初はビにきつく接したが、次第に強い絆で結ばれる
ジャクリーンには売春宿に売られたところを救われ、恩義を感じている
ビのことを妹のように思っている
演じるのはトック・ティエン
ホン
明るいムードメーカー
ビにも親身に接する
ファッションにうるさい
仲間のことを家族だと思っている
演じるのはリマ・タン・ヴィ
ジャクリーン
ビが出会った謎の女性
孤児3人を引き取り、殺し屋として育て上げる
女性を食い物にする犯罪組織を、壊滅させようと考えている
過去に夫と息子を殺されて…………
演じるのはヴェロニカ・ンゴー
前作では主役のハイ・フォンを演じた
本作でヴェロニカ・ンゴーは監督と脚本も担当
役者としてもさすがの貫禄
他にも「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」や「オールド・ガード」などに出演
タン・ソイとは?
主人公であるビが成長した姿、タン・ソイ
タン・ソイとは実は前作「ハイ・フォン: ママは元ギャング」のラスボス
人身売買組織のリーダーで、列車の中でハイ・フォンと死闘を繰り広げた
単なる悪役だと思っていたタン・ソイに、こんな悲しい過去があったとは…………
前作を見直すと、また違った印象になりそうだ
アクション
前作に続き、本作もアクション満載
大勢の悪党たちをビたちがなぎ倒していく姿は痛快
また銃を組み合わせた近接格闘も見事だった
そして、中盤のバイクチェイスが凄い
2人乗りで、バイクで逃走するタンとビ
それをバイクで追いかける組織の追手たち
バイクの上での格闘
倒しても倒しても、新たな追手が迫ってくる
そんなアクションシーンを、1テイクの長回しで見せる
技術的にも先日見た「シン・仮面ライダー」のバイクシーンより凄かった
ベトナム映画のクォリティの高さを思い知らされた
絆
10代の殺し屋たち、ビとタンとホン
彼女たちは虐げられた辛い過去を持っている
そんな3人が少しずつ絆をはぐくんでいく
ビが少しずつ笑顔を見せるようになる姿が微笑ましかった
生死を共にし、まるで姉妹のように強い絆で結ばれる3人
ビは人の暖かさを初めて知る
だが、運命は過酷だった
やがて訪れる悲劇
闇の中で生きるしかなかったビが、初めて掴んだ光
しかし、その光すらビは奪われてしまう
クライマックス
敵のアジトに乗り込んでいくジャクリーンやビたち
クライマックスは壮絶
文字通りの死闘が展開される
そして、終盤の二転三転には度肝を抜かれた
姉妹愛の強さに涙
思わず固唾をのむクライマックスとなっている
まとめ
前作の悪役にまさか、こんな過去があったとは
闇落ちした理由にも納得
アクションは相変わらずの迫力
とにかく熱気とパワーが凄い
ヴェロニカ・ンゴーは監督としての力量も確かなようだ
Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/furies_2023
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/388630
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