Netflix「ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-」ネタバレ感想 家族という呪い!!

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Netflixオリジナル映画
名門イェール大学に通うJ.D.は母親が薬物の過剰摂取で倒れたと聞き、故郷へ向かうが…………

エイミー・アダムスとグレン・クローズの演技が凄い!!
ストーリーはかなり気が滅入る内容
悪い映画ではないが人を選びそう

名匠ロン・ハワードがベストセラーを映画化
この映画に感動を求めて見ると、愕然とするだろう
主人公の母親を演じるエイミー・アダムスの屑っぷりが凄まじい
振り回される主人公が哀れに思えてくる
気丈で口が悪いが愛情深い祖母を演じるグレン・クローズも名演
貧困、薬物中毒、家庭内暴力
過酷な現実が延々と描かれる
家族とは何か?
深く考えさせられる作品だ
名優たちの演技のためだけでも、見る価値あり
ただ決して楽しい映画ではないので注意


予告編

映画「ヒルビリー・エレジー −郷愁の哀歌−」予告編(出演:エイミー・アダムス )

作品情報
作品名「ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-」(原題Hillbilly Elegy)
監督:ロン・ハワード
キャスト:エイミー・アダムス、グレン・クローズ、ガブリエル・バッソ、ヘイリー・ベネット、フリーダ・ピント
上映時間:116分
製作国:アメリカ(2020年)

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ざっくりあらすじ

名門イェール大学に通うJ.D.は一流の法律事務所の最終面接にこぎつけた。そんな時、故郷の姉から電話がかかってくる。母親のベヴが薬物の過剰摂取で入院したというのだ。J.D.は故郷へ急いだが…………

感想(ここからネタバレ)

2大女優の熱演が凄い

故郷へ

J.D.は名門イェール大学のロースクールに通っている
優秀な成績で恋人のウシャとの交際も順調だったが、生活は楽ではなかった
望みは一流法律事務所のインターンになること
今度の最終面接には人生がかかっている

そんな時、故郷であるオハイオ州にいる姉のリンジーから、電話がかかってきた
母親のベヴが薬物の過剰摂取で、病院に運ばれた
至急、帰ってきて欲しい
J.D.は目の前が真っ暗になった
故郷へ帰れば、最終面接に間に合わないかも知れない

悩んだあげく、J.D.は故郷へ車を走らせた

いつだってこうだ!!

J.D.の脳裏には母親に振り回された過去と、自分を育ててくれた祖母のマモーウとの思い出が蘇ってきた…………

原作

原作は31歳の無名の弁護士J・D・ヴァンスによる回顧録「ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち」


ヒルビリー・エレジー~アメリカの繁栄から取り残された白人たち~

分断されたアメリカ
トランプの支持者はどうやって生まれたのか?

それらを理解するのに最適な本とされ、長い間ニューヨーク・タイムズのベストセラー第1位だった
トランプ大統領当選直後には、NHKニュースでも紹介された

ロン・ハワード

ロン・ハワードは好きな監督の1人
特に初期の作品に思い入れがある

「ラブINニューヨーク」、「スプラッシュ」、「コクーン」、「ガン・ホー」、「ウイロー」、「バックマン家の人々」

どれも最高だ!!

「ザ・ペーパー」「アポロ13」、「フロスト×ニクソン」も好き

キャラクターへの暖かい目線
ユーモア
バランス感覚

どちらかというと大作よりも、こぢんまりとした作品の方が、持ち味が発揮されると思う
そのためか最近の作品(「ダ・ヴィンチ・コード」シリーズや「ハン・ソロ」など)は、いまいちな感じが否めない

エイミー・アダムス

主人公の母親ベヴを演じる
13歳で妊娠
そのためケンタッキー州からオハイオ州のミッドタウンに移り住んだ
子供には愛情深いが、精神が不安定で時々キレる
様々なトラブルを起こし、子供たちを振り回すが…………

エイミー・アダムスの熱演が凄まじい
とても「魔法にかけられて」のお姫様と、同一人物とは思えない

いきなり子供にキレる
何度更生を誓っても、薬物に手を出す
恋人を次々と変える
子供たちに依存する

誰もが絶対に関わり合いになりたくないと感じるだろう
その駄目っぷりはある意味突き抜けていた
こんな汚れ役を引き受けたエイミー・アダムスの役者魂には感服

グレン・クローズ

主人公の祖母マモーウを演じる
気丈な性格
ヘビースモーカーで口が悪い
娘のベヴのことに責任を感じている
代わりに孫のJ.D.を見守ろうとするが…………

厳しいが情が深い
少ない食事のほとんどを、孫に分け与えるシーンは感動
「ターミネーター2」が大好きで、100回は見てるというのも面白かった
愛すべきお祖母ちゃん!!
グレン・クローズは素晴らしい名演
エンディングで本人の写真が出てくるが、あまりにそっくりで驚いた
ここまで似せたメーキャップも凄い

ガブリエル・バッソ

主人公のJ.D.を演じる
ずっと母親に振り回されてきた
一度は道を踏み外しそうになるが、祖母の愛情で立ち直る
高校を卒業して海兵隊に2年入隊
その後、オハイオ州立大学からイェール大学のロースクールへ
一流の法律事務所に入ることを望んでいるが…………

ガブリエル・バッソは「砂上の法廷」でキアヌ・リーブスと共演
他には「SUPER 8 スーパーエイト」などに出演した

貧困

「ラストベルト(錆びついた工業地帯)」と呼ばれるオハイオ州の貧しい白人労働者が住む地域

貧困の連鎖
アルコール依存
薬物中毒
抜け出すことのできない負のスパイラル

そんな現実がまざまざと描かれる
なぜトランプが支持されたのか?
本作を見ていると、おぼろげに見えてくる

家族

ベヴが本当にどうしようもない母親
次から次へとトラブルを起こす
「またか」と主人公と一緒にため息をつきそうになった

全てベヴが悪いわけではない
彼女も今まで酷い目にあってきた
環境がそうさせたのだ
とはいえ我慢にも限度がある

それでもJ.D.は母親を見放せない
「家族」だからだ

家族とは「絆」であり「呪い」である
本作を見てそう感じた
時に自分の背を押してくれて、時に足を引っ張られる

明日は最終面接
夢のために戻らなければならない

最後にベヴは自ら息子の手を放す
それも母親の愛情の一面なのだろう

作品の評価

本作は過去と現在が交互に描かれる
どちらでも母親がトラブルを起こし、主人公が酷い目にあう
その繰り返しである
陰鬱な展開で、見ていて辛かった

祖母の愛情で主人公が立ち直り、前向きに努力するようになってからは、なかなか面白かった
ラストも爽やかな感動

後半は持ち直したが、前半は気が滅入るシーンが多く単調だった
あまり人に勧めにくい作品である
だが、2大女優の熱演やアメリカの現実など、見どころも多い
映画好きなら時間を割く価値はあるだろう


Hillbilly Elegy (2020) on IMDb


Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/hillbilly_elegy
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/373906

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