Netflix1オリジナルのフランス映画
人間とスーパーヒーローが共存する世界で、モロー刑事は能力者の仕業と思われる放火事件を追っていたが…………
スーパーヒーロー映画とミステリーの融合
かなり良質なエンターテイメント
普段はやる気がないように見えて、実は切れ者の主人公が格好いい
ヒロインを始め、他のキャラクターも魅力的
スーパーヒーロー映画にひねりを利かせたストーリーが面白い
ハリウッドのような超大作ではないが、見せ方が上手くてチープには感じられなかった
スーパーヒーロー映画としても刑事ものとしても楽しめる
演出、脚本、演技
全体的にクォリティが高い
家族でも安心して見られる娯楽作になっている
面白いエンターテイメントを探しているなら、見て損はない
予告編
作品情報
作品名「スーパーヒーローへの道」(原題Comment je suis devenu super-héros)
監督:ドゥーグラス・アタル
キャスト:ピオ・マルマイ、ヴィマーラ・ポンス、ブノワ・ポールヴールド、レイラ・ベクティ、スワン・アルロー
上映時間:101分
製作国:フランス(2020年)
ざっくりあらすじ
スーパーヒーローと人間が共存する世界。モロー刑事は能力者によるものと思われる放火事件を追っていたが…………
感想(ここからネタバレ)
クォリティが高くて驚いた…………
事件
2021年のパリ
世界は人間とスーパーヒーローが共存していた
スーパーヒーローはテレビにも登場する人気者で、ネットでは人気投票が行われていた
クラブで火事が発生し、5人が負傷した
犯人は能力者だと思われた
モローは能力者の事件を専門とする刑事だが、周囲からはやる気のない男だと思われていた
警部はそんなモローに、エリートのシャルツマンを相棒につけた
学校で生徒が手から炎を出し暴れていると連絡が入った
モローとシャルツマンは現場に駆けつけた
逃げまどう生徒たち
シャルツマンは被害を抑えるために、狙撃手を配置した
ところがモローは丸腰で犯人の前へ出て、その少年を捕まえてしまった
驚きを隠せないシャルツマン
犯人の少年は能力者ではなかった
能力を一時的に使えるようになるドラッグを手に入れたらしい
入手先を聞いても、少年は頑なに答えようとしなかった
炎を数メートル先に放射する能力
その能力を使えるのは、記録ではブラゼロという男だけだった
能力者は同じ能力を持っている者はほとんどいないのだ
モローたちはブラゼロを探した
ブラゼロは死体で見つかった
その死体は全身の血を抜かれていた
そして、その血の成分はドラッグに使われているものと一致
何者かが能力者からパワーを抜き取っている
モローは他に行方不明になっている能力者はいないか調べたが…………
作品解説
監督のドゥーグラス・アタルは本作が長編デビュー作となる
原作はジェラール・ブロナーの同名小説
モロー
能力者の事件を専門に扱う刑事
無気力で不真面目と思われているが、実はかなりの切れ者
つねに単独行動を好み、新しい相棒のシャルツマンを邪険にする
その態度には過去の事件が関係しているようだが…………
演じるのは「おかえり、ブルゴーニュへ」のピオ・マルマイ
普段は昼行燈を装っているが、いざという時には頼りになる
モローはめちゃくちゃ格好いい主人公だった
いつも飴を舐めているのも人間味があって面白い
やがて、モローの驚きの過去が明らかになっていき…………
シャルツマン
エリートの刑事
モローとコンビを組まされる
最初はやる気のないモローに、怒り心頭だった
しかし、何度も窮地を助けられて、彼のことを信頼するようになり…………
演じるのはヴィマーラ・ポンス
最初は嫌っていたモローに、次第に好意を寄せるようになる
シャルツマンはとても魅力的なヒロインだった
本作はバディものとしても面白い
パックロワイヤル
電気を操るジガマン
テレポート能力を持つモンテカルロ
未来を予知できるカリスタ
3人のスーパーヒーローチーム「パックロワイヤル」
モローは彼らとの連絡係で、一緒に様々な事件を解決してきた
だが、ジガマンの死によってチームは解散
その事件をモローはいまだに引きずっていて…………
世界観
人間とスーパーヒーローが共存
スーパーヒーローとして人気が出てテレビ出演する者や、その能力を悪用し犯罪に走る者もいる
プライムビデオの「ザ・ボーイズ」や「僕のヒーローアカデミア」に近い世界観である
日本人も受け入れやすいだろう
ミステリー
同じような火事が多発
次々と行方不明になる能力者
能力が一時的に使えるスーパードラッグが、世間に出回っていた
一体、誰がこんなことをしているのか?
本作は刑事ものとしての面白さもある
捜査を積み重ねて、犯人に迫っていくモローたち
ミステリーとしても、なかなか見ごたえがあった
スーパーヒーロー映画
本作はマーベルやDCのような超大作ではない
予算も少なめだろう
だが、見せ方が上手くて、チープには感じられなかった
またストーリーに工夫があり、スーパーヒーロー映画として面白いアプローチになっていた
フランス映画のレベルの高さを感じられた
普通の人間が主人公のスーパーヒーロー映画
そう思わせた本作
だが後半、驚きの事実が明らかになる
モローがかつて封印した能力
それは凄まじい力だった
スーパーヒーローとして生きる覚悟
これはトラウマを乗り越える男の物語にもなっている
最後の最後で正統派のスーパーヒーロー映画に
この巧みな構成には舌を巻いた
まとめ
良質なスーパーヒーロー映画
フランス映画らしい工夫も加えられている
何より主人公のモローが格好いい
最後には爽快な気分を味わえる一作だ
Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/how_i_became_a_superhero
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/377653
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