謎の連続殺人を追う1人の刑事
タイトルからはどんな映画か分かりにくいが、これはかなり面白かった
刑事ドラマとSFの融合
「リーサル・ウェポン」と「シュタインズゲート」が好きな自分にはどストライク
全く予想だにしない展開の面白さ
ミステリー
アクション
SF
人間ドラマ
そして衝撃の真実
これはなるべく予告編など見ずに鑑賞した方がいい
面白いエンターテイメントが見たい人にはおススメ!!
予告編
作品情報
作品名「月影の下で」(原題In the Shadow of the Moon)
監督:ジム・マイクル
キャスト:ボイド・ホルブルック、マイケル・C・ホール、ボキーム・ウッドバイン、クレオパトラ・コールマン
上映時間:115分
製作国:アメリカ(2019年)
ざっくりあらすじ
1988年、フィラデルフィアで3人の男女が同じ時刻に違う場所で死亡した。警官のトーマス・ロックハートは容疑者と思われる若い女を追跡するが………………
感想(ここからネタバレ)
かなり満足
久々に満たされた気分
連続殺人
1988年、フィラデルフィアでほぼ同時刻にピアニスト、料理人、バスの運転手の3人が顔から大量の血を流して死亡するという事件が発生した
被害者には全員、首に注射の針の痕のようなものがあった
刑事になることを願っている警官のトーマス・ロックハートは相棒のマドックスと現場に駆け付けた
被害者は血と共に脳味噌を垂れ流していた
全く奇妙な事件だった
被害者たちの関連性も見つからない
トーマスの義理の兄であるホルト刑事は、世間から注目されているこの事件を解決し、出世することを目論んでいた
クラブの女性客が暴行を受けたという通報があった
青いフードをかぶった若い黒人の女から、首に何かを刺されたという
それだけ言って女性客は顔から血を噴き出し、トーマスたちの目の前で死んだ
警察はその黒人女を必死に捜索した
トーマスは偶然、その女を発見し追跡する
女を駅の構内に追い詰めたトーマス
銃を向けるトーマスに、女は振り向いて言った
「こんにちは、トーマス。ここがあの場所なのね」
女はトーマスの妻が妊娠していて、もうすぐ娘が産まれることも知っていた
「奥さんは気の毒だったわ」
「黙れ!!」
拘束しようとしたトーマスに、女は反撃した
揉み合ったはずみで女は線路に落ち、列車に轢かれた
茫然と立ち尽くすトーマス
そんな時、子供が生まれると連絡があった
トーマスは病院へ駆けつけた
難産で娘は無事だったが、妻は亡くなった
時は過ぎ1997年、フィラデルフィア
娘は9歳になり、トーマスは刑事へと昇格していた
仕事に忙殺されながらも、男手一つで娘を育てるトーマス
そんなある日、9年前と全く同じ連続殺人事件が発生した………………
刑事ドラマとSFの融合
この作品の幕開けは素晴らしい
画面にはいきなり荒廃した2024年のフィラデルフィアが映し出される
未来の物語かと思っていたら、次のシーンは1988年のフィラデルフィア
謎の連続殺人事件を追う警官のドラマが描かれる
この事件が冒頭のシーンとどうつながるのか?
その興味でグイグイと物語に惹きつけられていく
この1988年のシーンが刑事ドラマとしても非常に面白い
謎の連続殺人
未知の殺害方法
被害者に共通点はない
フードをかぶった謎の女
そして謎の女との追跡劇
ようやく容疑者を追い詰めたトーマス
だが、その女は謎の言葉を残し、目の前で列車に轢かれて死亡
事件は何一つ解決していない
まさに怒涛の展開だった
1997年、再び同じ連続殺人が発生
死んだはずの女は蘇ったのか?
物語はじょじょに刑事ドラマからSFへとシフトしていく
見ている作品のジャンルが変わっていく感覚が面白い
懐かしい作風
「リーサル・ウェポン」などの刑事ドラマ
「ターミネーター」のようなSFアクション
超常現象の絡んだ事件を、あくまで1人の刑事の視点から描いたのが素晴らしい
この「月影の下で」を見ていて、思い出した作品が「ヒドゥン」
1988年の傑作
凶悪犯を追う刑事とFBI捜査官
だが、その犯人は人間から人間へ乗り移るエイリアンだった
刑事ドラマとSFの見事な融合
FBI捜査官を演じるカイル・マクラクランもいい
「月影の下で」を見て、あのワクワク感が蘇った
ボイド・ホルブルック
数十年に渡って1人の殺人犯を追い続ける刑事トーマス・ロックハート
演じるボイド・ホルブルックの熱演が見事
1988年、1997年、2006年、2015年
若くて精悍な姿から、老いて衰える姿まで目を見張る変貌ぶり
とても1人の人物が演じているとは信じられないほどだ
ボイド・ホルブルックはNetflixのドラマ「ナルコス」や昨年の「ザ・プレデター」でも主演
実力派俳優で今後の活躍も期待できそうだ
殺人は許されるのか?
犯人の正体は未来から来た女性だった
その目的は世界を救うこと
数年後に酷い内戦が起き、人類の大半は死滅する
その内戦を煽った指導者たち
悲劇を防ぐには彼らや、彼らに影響を与えた人物を消していくしかない
未来で悲劇を引き起こす人物を、まだ罪を犯していない時点で殺すのは罪なのか?
スティーヴン・キングの「デッドゾーン」でも描かれたテーマである
「デッドゾーン」(1987年)
スティーヴン・キングの同名小説をデヴィッド・クローネンバーグが監督した名作
交通事故により未来視の能力を得てしまった青年が、ある上院議員が大統領になって世界を破滅に導くことを知り………………
誰にも理解されずに世界を救うため、上院議員の暗殺を試みる主人公の姿に涙
クリストファー・ウォーケンの切ない名演が見事
殺人を止めようとするトーマス
しかし、それは正義感などではなかった
事件のあった日に死んだ妻
失ったものを取り返したい
トーマスが求めていたのは家族だった
もう一度、過去を元に戻すことが出来れば
だが、起こったことは取り消せない
タイムトラベルは未来から過去への一方通行
その逆はないのだ
様々な伏線が収束するクライマックスは見ごたえがあった
タイムトラベルものが好きな人間にはたまらない
そして、衝撃の真実
脚本の完成度はかなり高い
まとめ
かなり満足のいくエンターテイメント
刑事ドラマとSFの融合が見事に果たされている
また数十年に渡って事件を追う男の執念も印象的
9年ずつ時代が飛ぶ構成もユニーク
見せ場も多い
「ターミネーター」の1作目を彷彿とさせるようなパワフルで完成度の高い娯楽作品である
Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/in_the_shadow_of_the_moon_2019
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コメント
私には消化不良となった映画でした。
インド人の部分は特にです。
また、犯人の正体も途中で気が付いてしまいます。
IMDbで現在(2019.9.29)評価6.2です。
私もそれくらいだと思います。
映画タイトルで検索したら、このHPが出てきたので
コメント入れました。
joeさん、コメントありがとうございます
確かに科学者とか細かいところでは雑に感じる部分もありましたね
でも、タイムトラベルや連続殺人など、大胆なアイディアを組み合わせて娯楽作品を成立してしまったその気概に惚れました(笑)
B級映画、かくあるべし!!
個人的には大好きです
B級映画、かくあるべし!!
納得してしまいました。
たしかに最後まで見てしまったのは、つまらなく無かったと言う事ですね。
タイム・トラベルを扱った作品では、同じくNetflixの「嵐の中で」が良かったです
これは本当に傑作だと思います
IMDbでも7,4
ロッテントマトも71%と高いですね