日本では劇場未公開
Amazonプライムビデオで見られる
もしハートウォーミングな作品が好きなら、必見レベル
全編、暖かい笑いと感動が詰まっている
親のいない子供たち
その子たちを引き取ることの責任と大変さ
コメディだが、そういった問題を誠実に真っ向から描いている
それらを乗り越えて、本当の家族になれた時の喜び
後半は涙なしには見られない
マーク・ウォールバーグとローズ・バーンが子育てに悪戦苦闘する夫婦を好演
3人の子供たちも個性的でいい味
ロッテントマトで80%以上の高評価を得ている、この作品
プライム会員なら見なければもったいない
予告編
作品情報
作品名「インスタント・ファミリー ~本当の家族見つけました~」(原題Instant Family)
監督:ショーン・アンダース
キャスト:マーク・ウォールバーグ、ローズ・バーン、オクタヴィア・スペンサー、イザベラ・モナー、マーゴ・マーティンデイル
上映時間:118分
製作国:アメリカ(2018年)
ざっくりあらすじ
子供がいないワーグナー夫妻は養子をとることに決めた。子供1人で良かったのだが、ひょんなことから3人の姉弟を引き取ることになってしまい………………
感想(ここからネタバレ)
アメリカで公開された時、評価が高かったので、ずっと気になっていた
日本未公開で、いつの間にかプライムビデオに………………
新しい家族
ピートとエリーは子供がいない夫婦
それで満足していた
ところがエリーが今になって、子供が欲しくなったようだ
エリーは養子縁組について調べ始めた
最初は乗り気ではなかったピートも、調べて愕然とした
全国に10万人以上の親がいない子供がいるというのだ
彼らは家族を心から欲している
ピートとエリーは養子をとることを決意した
夫婦は長い里親講習の末、候補である子供たちと対面することになった
自分たち以外にも大勢の夫婦が、同じ目的で広場に集まっている
幼い子供が人気で、奪い合いの様相を呈していた
ふとピートは広場の一角に、子供たちが所在なさげに群がっていることに気づいた
彼らは中学生や高校生、ティーンエイジャーの子供たちだった
話を聞きに行こうとするピートを、エリーが止めた
「駄目よ。あの子たちはドラッグをやったり、ゲーム実況の動画を見たりするのよ」
それを聞きつけた女の子の1人が近寄ってきた
「私たち10代の子供は人気がないの。遠慮しないで幼い子のところへ行って。バイバイ」
その子、リジーは2人に強烈な印象を残した
ソーシャルワーカーに気になった子はいたかと聞かれて、リジーのことを口にした
あの子はいい子だけど問題がある
リジーには弟と妹がいるのだ
引き取るなら3人一緒にして欲しい
子供は1人だけのつもりだった
3人なんて無理だ
ピートたちはためらったが、子供たちの写真を見せられ、なし崩しに引き受けてしまった
そして子供たちが家にやって来た
長女のリジーは高校1年生で気の強い少女
弟のフアンは臆病でドジ
妹のリタはまだ幼くお転婆
ワグナー家はいっきににぎやかになった
そこからピートとエリーの予想を上回る悪戦苦闘の日々が始まった………………
ショーン・アンダース
本作の監督
「パパVS新しいパパ」「パパVS新しいパパ2」でもマーク・ウォールバーグとタッグを組んでいる
この「インスタント・ファミリー」は監督の実体験が基となっている
映画と同じく監督自身も、3人のヒスパニック系の子供たちを養子にした
色々なエピソードに実感が伴っているのは、そのせいだろう
里親制度
この作品で里親制度について、初めて詳しく知った
里親とは本当の親子ではない
児童虐待
犯罪行為で親が刑務所に
育児放棄
様々な理由で親がいない子供たちがいる
そんな子供たちには施設よりも、ちゃんとした家庭で育てられる方が望ましい
そういった理由で行政は子供たちの里親をつねに募集している
アメリカには里親の順番待ちの子供が10万人以上いるという
里親制度とは本来なら、身寄りのない子供を一時的に預かる制度である
だが里親の多くは子供たちとの養子縁組を望んでいる
里親として一緒に暮らし、裁判所が親としてふさわしいと認めれば養子、本当の親子となる
2015年に実際に養子となった子供は、22%だったという
マーク・ウォールバーグ
「トランスフォーマー」シリーズ、「ローン・サバイバー」のようなアクション大作
「テッド」「パパVS新しいパパ」のようなコメディ
振り幅の大きい俳優である
アクションでもコメディでもこなせる才能は貴重
本作では持ち前の親しみやすさで、父親になろうと奮闘する男を好演
手に負えない子供たちに、自分には無理だったと泣き言をいう姿
初めて「パパ」と呼ばれて舞い上がる姿
娘にボーイフレンドが出来て、イライラする姿
等身大の男を演じるマーク・ウォールバーグは魅力的だ
悪戦苦闘
3人の子供を引き取ったピートとエリー
だが、子育ては一筋縄ではいかなかった
性的虐待、暴力
親のいない子供には、身体的にも精神的にも傷を負っているケースが多い
そんな子供をケアするのは、想像以上の苦労が伴う
立派な親になる
そんな綺麗ごとは、あっさり吹き飛ぶ
時には自分の嫌な面を直視することになる
ピートとエリーは白人だが、子供たちはヒスパニック系だ
親子で肌の色が違う
そのため周囲から、どうしても注目を浴びる
また実家の両親や兄弟
彼らも子供たちを不安視する
「犯罪者の子供を引き取って大丈夫か?」
そういう者もいる
この「インスタント・ファミリー」はコメディだが、そういった困難さを赤裸々に描いている
多くは実際に監督が体験したことなのだろう
それだけ生半可ではない覚悟が必要なのだ
親子の絆
幼いフアンとリタは、次第にピートとエリーに懐いていった
だが、反抗期で思春期真っただ中のリジー
彼女だけは別だった
決して心を開こうとしない
3人の母親はドラッグ依存症で刑務所にいる
リジーは実の母親を慕っていた
クライマックス、リジーは母親に見捨てられる
傷ついたリジーは心情を吐露する
自分は誰からも必要とされていない
愛されていない
可哀想だと同情されているだけだ
自分のことは放っておいてくれ
「この先ずっと、いつまでも一緒にいる」
ピートとエリーの言葉で、ようやくリジーの凍えた心が氷解する
本当の家族に少しだけ近づけた
誰からも愛されていない
親のいない子供の多くがそう考えているという
彼らの心を溶かすのは容易ではない
本作のラストはとても胸を打った
まとめ
笑って泣かせる素晴らしい作品
親のいない子供
里親制度
それらの問題を誠実に真摯に描いている
自分ならどうするか?
色々と考えさせられる作品だ
Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/instant_family
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/367998
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