Netflix「未成年裁判」ネタバレ感想 見ごたえのある社会派エンターテイメント!!

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Netflixオリジナルの韓国ドラマ
非行少年を嫌悪するシム・ウンソク判事は、様々な未成年事件を厳しく追及していく…………

少年犯罪という難しい題材を社会派エンターテイメントとして昇華
シリアスで地味だが、上質なドラマとなっている

未成年犯罪を憎むカリスマ判事を演じるキム・ヘスが圧倒的な存在感
誠実で温厚な判事を演じるキム・ムヨルも素晴らしい
殺人、窃盗、家庭内暴力
扱う事件は様々で、二転三転する脚本が見事
ミステリーとしても面白い
相手が子供だろうが、容赦なく罪を追及する主人公が魅力的
気が滅入る場面も多い
しかし、少年犯罪の難しさを深く考えさせられる
また毎回、気になるところで終わるので、ズルズルと見てしまった
見ごたえのあるドラマや裁判ものが好きな人にはおススメ


予告編

『未成年裁判』ティーザー予告編 – Netflix

作品情報
作品名「未成年裁判」(原題Juvenile Justice)
監督:
キャスト:キム・ヘス、キム・ムヨル、イ・ソンミン、イ・ジョンウン
全10話
製作国:韓国(2022年)

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ざっくりあらすじ

シム・ウンソクはエリート判事だが、非行に走る少年たちを嫌悪していた。シムは冷静に厳しく、未成年の事件を追及していく…………

感想(ここからネタバレ)

韓国ドラマからまた傑作が登場

新任の判事

シム・ウンソクはヨンファ地方裁判所の少年刑事合議部に、判事として赴任してきた
彼女は優秀なエリートで、罪を犯した少年たちに容赦なく罰を与えることで有名だった
シムは非行少年を憎んでいた

部屋は同僚の判事であるチャ・テジュと一緒だった
テジュは若くて温厚で、自分が担当した子供たちの面倒を熱心に見ていた
親しげに接してくるテジュに、シムは冷たい態度だった

部長判事のカン・ウォンジュンに2人は呼ばれた
ジフという名の8歳の小学生が殺された
死体はバラバラにされ、捨てられていた
犯人はペク・ソンウという13歳の少年だった
その事件をシムに担当してもらう

この事件は世間の注目度も高い
くれぐれも失態を犯さないように部長判事は念を押した

審理が始まった
容疑者であるソンウはシムに、ふてぶてしく言った

「14歳以下なら、人を殺しても罰を受けないんですよね?」

邪悪な笑みを浮かべるソンウ
しかし、シムはソンウの言動に違和感を感じ…………

作品解説

演出は「彼女の私生活」、「ライフ」のホン・ジョンチャン

キム・ヘス

ヨンファ地方裁判所に着任したシム・ウンソク判事を演じる
優秀なキャリアを誇るエリート
つねにクール
仕事の鬼で、同僚ともプライベートの付き合いは一切しない
未成年犯罪を嫌悪している
それには過去の事件が関係しているようだが…………

孤高のプロフェッショナルで、笑顔は一切見せない
相手が子供でも、容赦なく罪を追及する
一見、血も涙もないが、被害者やその家族には誠実に接する
キム・ヘスは「ハイエナ -弁護士たちの生存ゲーム-」や「シグナル」などに出演

キム・ムヨル

チャ・テジュ判事を演じる
温厚で誠実な人柄
自分が担当した事件の少年たちを、熱心に面倒見ている
シム判事の冷酷なやり方に、時に反発する
かつて少年院に入っており、担当になった判事に支えられたのをきっかけに、この道を目指した

主人公とは正反対の人情派
まさにこの作品の良心的存在
キム・ムヨルは「悪人伝」や「食われる家族」などに出演

イ・ソンミン

部長判事のカン・ウォンジュンを演じる
テレビ番組にも出演している有名人
反抗的なシム判事に手を焼いている
判事を辞めて、政界入りを狙っているが…………

怒鳴り散らしてばかりの無能な上司
最初はそんな印象だった
しかし、次第に判事としての真摯な素顔が見えてくる
イ・ソンミンはNetflix映画「第8日の夜」などに出演

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この「未成年裁判」はそれら3作に比べると、エンタメ色は薄い
かなり地味で渋い社会派ドラマだ
どちらかというと2021年に配信された「D.P.-脱走兵追跡官-」が近いだろう
改めて韓国ドラマの層の厚さには驚かされる

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少年部の判事

韓国の判事は3300人いる
その内、少年部の判事はたった20人
人手が足りないため、彼らは多くの事件を抱え込んでいる

未成年の裁判は大人のそれとは違う
少年保護事件として扱われ、検察も出席しない
弁護士は付添人と呼ばれる

判事は判決を下して終わりではない
その少年が逃亡したり、再び罪を犯さないように監督する責任がある
また非行少年の環境を整え、品行を正しく矯正しなければならない

なぜ判事がそこまでするのか?
それは少年の健全な成長が、少年法の最大の目的だからである
そのため少年部の判事は多忙で、うまみが少ないという

事件

小学生バラバラ殺人事件
家庭内暴力
有名高校試験流出事件
未成年無免許運転事故事件

本作では様々な事件が描かれる
普通の裁判ものでは扱われないような事件が多く、非常に興味深かった

第一の事件である小学生バラバラ殺人事件が強烈
二転三転する展開
意外な真相
まるでハリウッドのミステリードラマを見ているかのようだった

試験流出事件も面白かった
殺人などが起きるわけでもないのに、凄まじい盛り上がり
これが最終回でもいいと思える出来栄え

どの事件も脚本が練られていて、とても見ごたえがあった
エンタメとして面白い上に、少年犯罪について深く考えさせられた

子供たち

純真な天使たち
そんな子供へのイメージは、本作を見ると一変するだろう
罪を犯した子供たちを親身になって世話をし、更生してくれたと思ったら裏切られる
その虚しさ
また劇中では人間の屑のような少年たちも出てきて、はらわたが煮えくり返った

非行少年たちの多くは家庭に問題を抱えている
好きでそうなったわけではない
少年たちの罪は親たちの罪なのだ
このドラマを見ていると、そう実感させられる

それでも犯した罪は償わなければならない
たとえどんな事情があるにしてもだ
この作品にカタルシスはない
事件が解決しても、やりきれなさが残る
ほろ苦い大人向けの作品だ

まとめ

扱うのが難しい題材を誠実に描いたドラマ
非常に見ごたえがあった
また裁判ものとしても新鮮
重くて地味だが、それでも見る価値のある一作だ

Juvenile Justice (2022) on IMDb

Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/tv/juvenile_justice/s01

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