Netflix「ステラ -真昼の誘拐-」感想 リメイクとしては微妙……………

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初のNetflixオリジナルのドイツ映画である
イギリス映画「アリス・クリードの失踪」のリメイク
ステラは路上でマスクをした男二人に誘拐される………………
登場人物は3人だけ
かなりハードな内容
緊迫感は凄まじい
ユーモアなどは一切ないので、好みが分かれるだろう
事件の裏側が徐々に明らかになるさまが面白い
二転三転する展開も目が離せない
娯楽映画としては地味
ちょっと生真面目すぎる印象
サスペンスが好きな人なら、なかなか楽しめるだろう
オリジナルの「アリス・クリードの失踪」を見ていなければだが………………


予告編

KIDNAPPING STELLA Trailer German Deutsch (2019) Netflix

作品情報
作品名「ステラ -真昼の誘拐-」(原題Kidnapping Stella)
監督:トーマス・ジーベン
キャスト:イェラ・ハーゼ、マックス・ボン・デル・グレーベン、クレーメンス・シック
上映時間:89分
製作国:ドイツ(2019年)

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ざっくりあらすじ

ステラは路上でマスクをした二人組に誘拐された。古いアパートの一室に連れ込まれたステラは、ベッドに縛り上げられるが………………

感想(ここからネタバレ)

こういうこじんまりとしたジャンル映画とNetflixの相性は抜群
今後、ますます増えていくだろう

真昼の誘拐

富豪の一人娘であるステラは、路上でマスクをした二人組の男に誘拐される
ステラは古いアパートの一室で、ベッドに手足を縛られた
男たちの顔はマスクで見えない

猿ぐつわをされて、ベッドから動けないステラ
男たちはその姿を写真に撮った
それを父親に送り、身代金を要求するという

「危害を加えるつもりはない。だが、抵抗したら容赦しない」

年配のマスクの男は凄みがあった

男の1人が電話をすると出かけ、若い方が残った
ステラは用が足したいと要求する
男はベッドにかけられた左手の手錠だけを残して、ステラの手足を開放した
バケツで用を足せという

「見られていたら出来ない」

仕方なく男は後ろを向いた
ステラはバケツで男の後頭部を殴った
揉み合う二人
男のマスクが取れた
それは別れたかつての恋人、トムだった………………

「アリス・クリードの失踪」

本作は2009年のイギリス映画「アリス・クリードの失踪」のリメイクである
そちらは残念ながら未見

映画『アリス・クリードの失踪』予告編

「ディセント2」脚本家のジェイ・ブレイクソンの監督デビュー作
ヒロインを演じるのは「007 慰めの報酬」ジェマ・アータートン
その緻密なシナリオが世界で絶賛された

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サスペンス

冒頭は二人の男、トムヴィックが何かの準備をしている
ホームセンターで道具や必要なものを揃え、部屋の窓を打ち付け、壁を防音加工する
そして、男たちはマスクをかぶり、白昼堂々と路上でステラを誘拐する
10分近くセリフが一切ない
そのことが張り詰めた緊迫感と、犯人たちのプロフェッショナルぶりを伺わせる

この作品の登場人物はステラとヴィックとトムの3人だけ
舞台も主にアパートの部屋だけで進行する
まるで舞台劇を見ているかのようだ

ステラの監禁シーンはかなりリアルに描かれている
目隠しや猿ぐつわをされ、服をハサミで切られて、準備した服を着せられる
手足はベッドに縛られ、身動きできない状態だ
父親が身代金に応じず、ステラが小指を切断されそうになるシーンもある
見ていて精神的にきつかった

物語は誘拐から始まり、そこから事件の背景が徐々に明かされる

ステラと犯人の心理的駆け引き
信頼と裏切り
拳銃と携帯

それぞれの力関係が逆転するのが面白い
また何とか犯人を出し抜き脱出しようとするステラの姿に、手に汗握るシーンも多かった
サスペンス映画として悪くない出来だ

リメイクの必要性

問題はなぜ「アリス・クリードの失踪」をリメイクする必要があったのかだ
もちろんリメイクにも傑作はある
中には「遊星からの物体X」のように、オリジナルを越えたとまでいってもいい作品も
だが、それはあくまで例外

「死霊のはらわた」「X-ミッション」「ベン・ハー」「アサシン 暗・殺・者」

ほとんどはオリジナルを越えられずに、凡庸な出来で終わる
特にオリジナルが傑作と評されている作品ならばなおさらだ

この「ステラ -真昼の誘拐-」がオリジナル作品だったら、それなりに評価できた
しかし、リメイクとなると話は別だ
見どころの多くはオリジナルから引き継いだもの
むしろ色々と劣化しているようだ
わざわざリメイクをした意味が見いだせない

「アリス・クリードの失踪」は脚本が秀逸だと評価されている
そういう作品はリメイクが難しい
例えば「レザボア・ドッグス」をリメイクしても、ロクなものにならないだろう
それと同じことだ
改めて作り直す意味を見いだせないリメイクは、存在する価値がない
それだけリメイクのハードルは高いのだ

裏話

本作はドイツ初のNetflixオリジナル映画である
映画館で公開しないことに躊躇いはなかったのか?
そう訊かれてトーマス・ジーベン監督は語った

「今のテレビは15年前のように小型ではありません。Netflixは高解像度で、音質も良いです。それに彼らはとても協力的でした。しかも作品が世界で配信されます。機会があれば、またNetflixと組みたいです」

まとめ

ドイツ初のNetflixオリジナル映画
これがリメイクじゃなかったら、悪くない出来なのだが
残念な結果になってしまった
だが「アリス・クリードの失踪」を見ていなければ、それなりに楽しめるだろう
見ている人は、正直こちらを見る価値はない

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Kidnapping Stella (2019) on IMDb


Rotten Tomatoes

https://www.rottentomatoes.com/m/kidnapping_stella

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