Netflix「チャタレイ夫人の恋人」ネタバレ感想 純愛映画の傑作!!

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Netflixオリジナル映画
コニーは貴族であるクリフォード・チャタレイと結婚し、彼の領地で暮らしたが、生活に息苦しさを感じるようになり…………

演技、演出、撮影、音楽、全てが一級品
大胆なラブシーンが多いが、それ以上に純愛を描いた作品

何度も映画やドラマになっている「チャタレイ夫人の恋人」が、Netflixで映画化
正直、「チャタレイ夫人の恋人」というと軽薄なポルノ映画のようなイメージがあったが、予想以上に深い内容で驚いた
主演のエマ・コリンは体当たりの演技を披露
他の役者も演技がとても自然だった
過激なイメージの強い作品だが、前半はほとんど濡れ場はなし
格調高い文芸作品といった印象
しかし、撮影や演出のクォリティが高く、全く退屈しなかった
コニーと使用人のメラーズのラブシーンはかなり大胆
大いに期待に応えてくれるだろう
とはいえ純愛なので、下品な感じはしなかった
むしろ、ついに愛する人と出会ったチャタレイ夫人を応援したくなった
そんな愛し合う2人に階級問題や厳しい現実が立ちはだかる
恋愛映画として、相当に高いレベルの作品
興味がある人なら、見て後悔はしないだろう

予告編

Lady Chatterley's Lover | Official Trailer | Netflix

作品情報
作品名「チャタレイ夫人の恋人」(原題Lady Chatterley’s Lover)
監督:ロール・ドゥ・クレルモン=トネール
キャスト:エマ・コリン、ジャック・オコンネル、マシュー・ダケット、フェイ・マーセイ、エラ・ハント、ジョエリー・リチャードソン
上映時間:127分
製作国:イギリス、アメリカ(2022年)

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ざっくりあらすじ

コニーは貴族であるクリフォード・チャタレイと結婚した。だが、クリフォードは第一次世界大戦で、下半身不随になって帰ってくる。夫の領地で暮らすコニーに自由はなかった。やがてコニーは森番のメラーズと、次第に親密になっていくが…………

感想(ここからネタバレ)

「チャタレイ夫人の恋人」にはいやらしいイメージしかなかったが、見る目が変わった…………

貴族との結婚

コンスタンス・リード(コニー)は貴族であるクリフォード・チャタレイと結婚した
クリフォードは温厚で優しかった
コニーは幸せの絶頂だったが、軍人であるクリフォードはすぐに第一次世界大戦の戦場へと戻ってしまった

クリフォードは戦場で負傷し、下半身不随となった
車椅子なしでは生活できない身体だ
コニーとクリフォードは、彼の領地であるラグビーの屋敷に移った
そこは鉱山以外には何もない田舎だった

コニーとクリフォードは、新しい使用人を雇った
その中に、陸軍中尉だったオリバー・メラーズがいた
彼は森番を任されることになった

ラグビーの生活はロンドンとはまるで違った
周りには何もなく、友人もいない
夫の世話しかやることがなかった
そのクリフォードも怪我のために、子供を作ることは不可能だった
身動きできない彼は、次第に神経質になっていった
まるで縛られているような生活
コニーには毎日が息苦しかった

「他の男と子供を作ってくれ」

ある日、クリフォードが思いがけないことを言いだした
チャタレイ家には跡取りが必要
相手は家督を汚さない男なら誰でもいい
自分たちの子供として育てよう
コニーは耳を疑った
そんなこと思いもよらなかった

それ以来、コニーはいっそう孤独を感じるようになった
クリフォードは妻の自分には、ほとんど関心がないようだった
自分はチャタレイ家を存続させるための道具でしかないのか

そんな時に、コニーは森番のメラーズと親しくなった
メラーズは不愛想で静けさを好む人物だったが、どこか優しかった
コニーは次第にメラーズに惹かれていったが…………

作品解説

原作はD・H・ローレンスの1928年に発表された小説「チャタレイ夫人の恋人」
当時は猥褻文書だとして問題となった

監督は「ムスタング」のロール・ドゥ・クレルモン=トネール

コニー(チャタレイ夫人)

クリフォード・チャタレイの妻
気さくな性格で使用人にも優しく接する
文学に精通
屋敷での孤独な生活に寂しさが募っていき…………

演じるのはNetflixドラマ「ザ・クラウン」でダイアナ妃を演じたエマ・コリン
Amazon映画「僕の巡査」にも出演

Amazonオリジナル映画 1950年代のイギリスで警察官のトムと教師のマリオン、美術館学芸員のパトリックの三角関係の行方が描かれる ...

本作「チャタレイ夫人の恋人」でエマ・コリンは、大胆な濡れ場を演じている
だが、それ以上に孤独に苦しむ姿、恋に落ちて喜びに打ち震える姿が印象的
非常に情熱的なチャタレイ夫人だった

クリフォード・チャタレイ

コニーの夫で領主
戦争で車椅子の生活になった
作家業をしている
次第に気難しく神経質になっていき…………

演じるのはマシュー・ダケット

オリバー・メラーズ

チャタレイ家に雇われている森番
戦争中は陸軍中尉だった
不愛想で物静かな人物
実際には思慮深く、思いやりがある
バーサという妻がいたが、戦争中に男を作って姿を消した

演じるのは「不屈の男 アンブロークン」のジャック・オコンネル
包容力のあるメラーズを魅力的に演じている

ラブストーリー

浮気や大胆な濡れ場など刺激的な要素に目が行きがちだが、本作はかなりの純愛ラブストーリー
コニーも本来は身持ちの固い女性

下半身不随になった夫は相手にしてくれない
領主の夫人という立場から、周囲に本音を話せる友人もいない
圧倒的な孤独と寂しさ

前半はそんなコニーの苦しみが、丁寧に描写されていく
そして、ようやく巡り合った心を開ける相手メラーズ
2人が結ばれるのは、非常に自然な流れだった

愛する人に出会えた喜び
それまで思いつめた顔が多かったコニーの、見違えるような歓喜の表情が印象的
幸福感が画面からこちらまで伝わってきた
大胆なラブシーンも、コニーの束縛からの解放が上手く表現されていた
セクシーさが売りという印象だった「チャタレイ夫人の恋人」だが、本作は決してうわべだけのものになっていない

階級問題

本作で大きなテーマとなっているのが身分
コニーは領主の妻
メラーズはその使用人
その当時、決して結ばれてはいけない2人だ

「貴族たちは心のどこかに蓋をしている。そうでなければ、戦場に人を送り込んだりできない」

メラーズの言葉がとても印象的だった

身分の差
現代では想像もできないほど、当時は大きな壁だった
身分違いの2人が結ばれることに、コニーの最大の理解者である姉のヒルダですら反対する
莫大な財産や身分、全てを捨てて1人の男と結ばれるなど、ありえないことだ
正気とは思えない

けれどコニーは実行する
真実の愛
それに全てを捧げると誓ったからだ

チャタレイ夫人の情熱的な生き方に感動
最後は爽快感すら感じられた
現代が舞台では作れない非常にドラマチックなラブストーリーである

まとめ

演技、演出、撮影、音楽
全てのクォリティが高かった
エマ・コリンが本当に素晴らしい
愛に生きようとするチャタレイ夫人を、心から応援したくなった
純愛映画の傑作だ

Lady Chatterley's Lover (2022) on IMDb

Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/lady_chatterleys_lover_2022
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/385865

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