Netflixオリジナルのスペイン映画
スペイン内戦中、ロザーノ大尉は任務の最中に、ゾンビの襲撃を受けて…………
戦争アクション映画とゾンビの融合
めちゃくちゃ面白いエンターテイメント!!
主人公のロザーノ大尉が非常に人間味があって魅力的
他の登場人物もそれぞれキャラが立っている
ゾンビから生き残るために、敵同士が手を組む展開が熱い
アクション、スリル、ユーモアが見事にブレンドされている
展開もスピーディーで退屈する暇なし
徹頭徹尾、エンタメに徹しているのがいさぎよし
キャラクターたちの散りざまに涙が止まらない
説教くささは微塵もないが、見終わると戦争の愚かさもちゃんと伝わってくる
スペイン映画はクォリティが高いと思っていたが、本作も見事な出来栄え
ゾンビ映画が好きな人はもちろん、「戦略大作戦」や「レイダース/失われたアーク」が好きな人にはおススメ
極上の活劇が楽しめる
予告編
作品情報
作品名「マルナシドス -ゾンビの谷-」(原題Malnazidos)
監督:ハビエル・ルイス・カルデラ、アルベルト・デ・トロ
キャスト:ミキ・エスパルベ、アウラ・ガリード、ルイス・カイェホ、アルバーロ・セルバンテス、ヘスス・カロッツァ
上映時間:101分
製作国:スペイン(2020年)
ざっくりあらすじ
1938年、スペインは内戦の真っただ中だった。ロザーノ大尉は任務の最中に、敵の捕虜となってしまう。ところが連行されている途中で、ゾンビの襲撃に遭い…………
感想(ここからネタバレ)
スペイン映画、マジで侮れない…………
極秘任務
1938年、スペインは内戦の真っただ中だった
ジャン・ロザーノ大尉は軍に反抗的な態度を取った罪で射殺されようとしていたが、叔父である将軍に助けられた
だが、将軍は情けからロザーノを救ったわけではなかった
将軍はある任務を伝えに来たのだ
それは敵地を突っ切って機密文書を届ける危険な任務だった
ロザーノ大尉はデクルス二等兵と車で出発した
ところが途中でドイツ軍に行く手を阻まれた
ナチスはロザーノ大尉が属する反乱軍を支援している
だが、ここは通せないと言うのだ
ロザーノは重要な任務だと言って、強引に通り抜けた
途中、味方であるイタリア軍の戦闘機が、撃墜されるのが見えた
ロザーノ大尉はパイロットを助けに行った
そこで政府軍と出くわした
銃を取り上げられ、2人はロープで縛られた
そして連行されそうになった時、政府軍の兵士が悲鳴を上げた
息絶えたと思われたパイロットが、突然動き出し噛みついたというのだが…………
作品解説
原作はマヌエル・マルティンの小説「38年の死者の夜」
監督は「SPY TIME -スパイ・タイム-」や「スーパーロペス」のハビエル・ルイス・カルデラとアルベルト・デ・トロ
本作は2020年10月8日に第53回シッチェス映画祭で初公開された
当初は2021年1月22日にスペインで劇場公開される予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期
最終的には2022年3月11日に公開された
ジャン・ロザーノ大尉
皮肉屋で飄々とした主人公
いつも軽口を叩いているが、銃を突きつけられても動じないタフな男
戦争前は弁護士だった
ゾンビの襲撃に遭い、敵味方関係なく共に生き残ろうとするが…………
とぼけた態度だが、やる時にはやる
ロザーノ大尉はめちゃくちゃ格好いい主人公だった
演じるのはNetflixドラマ「イノセント」のミキ・エスパルベ
軍曹
政府軍の軍曹
敵である反乱軍には容赦しないが、情に厚い男
部下から慕われている
戦争前は鉄道員だった
最初はロザーノ大尉を敵視していたが、次第に信頼を寄せるようになり…………
演じるのはルイス・カイェホ
Netflix映画「薄氷」などに出演
スペイン内戦
スペイン内戦は1936年から1939年まで続いた
マヌエル・アサーニャ率いる政府軍と、フランシスコ・フランコを中心とした反乱軍が争った
政府軍をソビエト連邦、メキシコが支援し、反乱軍をドイツ、イタリア、ポルトガルが支持した
最終的には反乱軍が勝利した
本作のゾンビはナチスが実験で作り出したという設定
Netflixの韓国ドラマ「キングダム」もそうだが、歴史ものにゾンビを組み合わせたところが面白い
戦争活劇
本作は一種の戦争映画であるが、どちらかというと戦争活劇といった印象
ナチスを悪役にしているところなど、めちゃくちゃ「レイダース/失われたアーク」みたいだった
また困難なミッションに挑むところは「戦略大作戦」や「イングロリアス・バスターズ」などを彷彿とさせた
絶体絶命の場面でも軽口をたたき合ったり、銃を撃った後で決め台詞をつぶやいたり、好きな人にはたまらない
どこか懐かしいエンターテイメントとなっている
最近、ハリウッドがやらなくなったことを、まさかスペインがやってくれるとは!!
スペイン映画、マジで侮れない
人間ドラマ
本作の大きな魅力の一つは、キャラクター1人1人を上手く描き分けているところ
キャラクターがけっこう多いのだが、それぞれが個性的でスムーズに頭に入ってくる
悪役のナチスのインパクトも良かった
見事な演出力といえるだろう
特に魅力的だったのがヒロインである「司祭キラー」ことマタキュラス
最初はロザーノ大尉を敵視していたが、次第に惹かれ合っていくところが、ベタだが最高だった
これまで敵として殺し合ってきた同士
それが生き残るために手を組む
男なら燃えないわけがない
最高のシチュエーションである
同時にスペイン人同士が殺し合う内戦の悲哀も、十分に伝わってくる
ただのエンタメで終わらない深みが、この作品からは感じられた
次々と倒れていく仲間たち
クライマックスの盛り上がりも凄い
エンターテイメントとして見事な出来栄えだ
まとめ
スペイン内戦時代にゾンビが出現
色物かと思われたが、めちゃくちゃ面白かった
アクションやキャラクター描写など文句なし
敵同士で芽生える友情
男たちの熱い散りざま
こういうのが嫌いな男がいるだろうか?
ゾンビ映画としても新鮮
こんな冒険活劇が今時、見られるとは
スペイン映画、恐るべしである
Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/malnazidos
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