マーベル VS DC スーパーヒーロー映画の歴史を解説!!

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マーベル・コミックとDCコミックス
アメコミの2大出版社である
多くのスーパーヒーローを生み出し、映画化された

スーパーヒーロー映画は今や、ハリウッドを征服したといっていい
しかし、最初から上手くいったわけではなかった
大の大人がコスチュームを着て、悪と戦う
見下す者も多かった

スーパーヒーロー映画の歴史
それはマーベルとDCの戦いの記録でもある
その歴史でもっとも重要な位置づけの作品は何か?
Looperの記事などを参考に、スーパーヒーロー映画の歴史を振り返る

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「スーパーマン」(1978年)


スーパーヒーロー映画の歴史
それはこの傑作から始まったと言っていい
DCコミックスでもっとも有名なヒーロー”スーパーマン”
スーパーヒーロー映画としては初のメジャー作品である

主役のスーパーマンにクリストファー・リープ
その父親にマーロン・ブランド
悪役であるレックス・ルーサーにジーン・ハックマンと豪華なキャスト
監督は「オーメン」のリチャード・ドナー

アメリカでの興収は1億3121万ドルで、1978年の最高の売り上げ
全世界では3億2000万ドルで、当時の歴代6位だった
作品は批評家からも観客からも絶賛された
この大成功で続編が3本製作された

スーパーヒーロー映画の歴史はDCから始まった

「バットマン」(1989年)


次に続いたのもDCだった
バットマン
DCコミックスの人気キャラクターである
監督はティム・バートン
バットマン役はマイケル・キートンだった

ティム・バートンとマイケル・キートンは「ビートルジュース」など、コメディとしての印象が強かった
そのためファンが猛反発
論争を引き起こし、特にキートンの起用に対しては5万人の抗議文がワーナー・ブラザーズに送られてきた

だが、映画は大成功
全米で2億5120万ドル
全世界で4億1135万ドル
これは2008年の「ダークナイト」まで、DC作品の歴代1位だった

「暗すぎる」という声もあったが、作品はおおむね好評
ジョーカー役のジャック・ニコルソンの怪演が話題を呼んだ
またマイケル・キートンのバットマンも、公開後は称賛の声が多くなった

「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲」(1997年)


スーパーヒーロー映画の歴史を語る上で欠かせない作品
それがこの「バットマン&ロビン」である
しかし、良い意味ではない

「バットマン」シリーズの第4作
前作「バットマン フォーエヴァー」が大ヒット
その勢いに乗って作られた
主演のバットマン役にジョージ・クルーニー
ヴィランであるMr.フリーズにアーノルド・シュワルツェネッガーが抜擢された
これで大ヒット間違いなし!!

ところが映画は大失敗
製作費1億6千万ドルに対して、全世界の興収は2億3820万ドル
これは歴代のバットマン映画では最低である
作品の評価も最悪で、その年のゴールデンラズベリー賞の最低作品賞にもノミネートされた
監督のジョエル・シュマッカーは、ファミリー向けにするようにワーナー・ブラザーズが圧力をかけてきたのが原因だと主張した
この失敗により、続編「Batman Triumphant」はキャンセルされた

このことは後のスーパーヒーロー映画にも、大きな影響を与えた
「バットマン&ロビン」は明らかにチケットやおもちゃの売り上げだけを念頭に作られた
しかし、スーパーヒーロー映画にとっても、もっとも重要なのはクオリティなのだと、誰もが思い知らされた


「ブレイド」(1998年)


さてDCの話題ばかりだが、その頃マーベルは何をやっていたのか?
マーベルは1980年代後半から徐々に経営が悪化し、もはや破産寸前だった
そのため「スパイダーマン」など、人気キャラクターの権利を格安で売り出すという最悪の状況
もはやどん底だった

そんな時、マーベル初の映画での成功作品が生まれた
それが「ブレイド」である
主演ウェズリー・スナイプス
人間とヴァンパイアの混血として生まれてきた黒人ブレイドが、スーパー・ヒーローとして活躍する
米国で7,000万ドル、世界で1億3,120万ドルを稼いだ

ぶっちゃけDCの「スーパーマン」や「バットマン」と比べると、大した売り上げではない
話題性もいまいちで、マニアックな人気を集めたというだけである
だが、この小さな成功が、後のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)へとつながっていく

「X-メン」(2000年)


チームとしてのスーパーヒーロー映画
マーベル初のメジャー作品だった
予算はわずか7,500万ドル
監督は「ユージュアル・サスペクツ」のブライアン・シンガー
ウルヴァリン役には当時は無名だったオーストラリアのヒュー・ジャックマンが起用された
全米で1億5700万ドル、全世界で2億6600万ドル
予算の3倍の収益という大ヒットだった
この成功でシリーズ化され、現在までに世界で60億ドル以上を稼いでいる
マーベル新時代の幕開けだった

「スパイダーマン」(2002年)


「X-メン」でマーベル作品は大ヒットを飛ばすことが可能だと証明された
しかし、「スパイダーマン」がここまでのヒットをするとは、誰も予想していなかった

この映画の企画は難航し、ジェームズ・キャメロンやトニー・スコット、ローランド・エメリッヒなど、様々な監督の名前が挙がった
最終的には「死霊のはらわた」のサム・ライミが監督に就任
サムはスタジオの反対を押し切って、トビー・マグワイアをスパイダーマン役に抜擢した

作品はアメリカで史上初の公開1週目で1億ドル越えを達成
最終的にはアメリカで4億300万ドル、全世界で8億1100万ドルの売り上げだった
どん底だったマーベルがついにDCを追い抜いた瞬間だった
この成功によってスーパーヒーローのジャンルや夏の大ヒット映画が再定義されたといわれている

「バットマン ビギンズ」(2005年)


DCの人気キャラクター”バットマン”
ワーナー・ブラザーズは再びこのキャラクターを復活させたいと思案していたが、企画は難航していた
救いの主は思いもかけない人物だった
クリストファー・ノーラン
「メメント」「インソムニア」など、どちらかというとインディーズ系の監督だった
メジャー大作など手がけたことはない

クリストファー・ノーランはティム・バートンやジョエル・シュマッカーと同じことをするつもりはなかった
彼はバットマンの起源の物語を、現実に即したリアルな映画で再起動したかった

こうして完成した作品は「バットマンの本質を描いている」と批評家から絶賛された
アメリカのオープニング成績は4800万ドルと「スパイダーマン」の半分だったが、作品の高評価からじわじわと成績を伸ばし、最終的には2億600万ドル
全世界で3億7300万ドルだった
本作の成功によりハリウッドでは、人気作のリブートに火がつくことになる

「アイアンマン」(2008年)


「アイアンマン」が登場した時はまだ、この作品が映画史においていかに重要な作品であるか、気づく者はいなかった
MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の始まりの作品である

最初はトム・クルーズがアイアンマンことトニー・スターク役で考えられていた
しかし、監督のジョン・ファヴローはロバート・ダウニー・Jrを推薦
マーベルはダウニーの過去の薬物問題から「絶対に彼を雇うことはない」と大反対した
だが、コミックのファンであると公言していたロバート・ダウニー・Jrは、オーディションで他を圧倒
皆が認めざるを得なかった

そして公開された「アイアンマン」は全ての期待を上回った
最終的にアメリカで3億1800万ドル、世界で5億5800万ドル
MCUとしては最高のスタートとなった

「ダークナイト」(2008年)


「バットマン ビギンズ」の続編
史上最高のスーパーヒーロー映画といわれている

前作「バットマン ビギンズ」は1億5000万ドルの予算で3億7,300万ドルの利益を上げた
これはヒットではあるが、メガヒットといえるほどのものではなかった
誰もが「バットマン」はまだポテンシャルを秘めていると感じていた

監督のクリストファー・ノーランにとっては、初の続編
ジョーカー役に選ばれたヒース・レジャーの演技に、ノーランや他のキャストは魅了されたという

「ダークナイト」はスーパーヒーロー映画の歴史を塗り替えた
全米の収益は5億3490万ドル
「タイタニック」に次ぐ全米興行収入歴代2位だった
全世界では最終的に10億192万ドルとなり、歴代4位
ダークでシリアスな本作が記録的なヒットを飛ばしたことは、大きな衝撃となった

「その深遠な内容はヒーロー映画の枠を超えている」と批評家も絶賛
公開前にヒース・レジャーが亡くなったことも、話題を呼んだ
そのヒース・レジャーはアカデミー賞で助演男優賞を受賞
スーパーヒーロー映画の歴史において、大きな快挙となった
また評価の高い本作がアカデミー賞の作品賞にノミネートされなかったことが、大きな批判を集め、翌年から作品部門の候補枠が5作品から最大10作品まで拡大された

「アベンジャーズ」(2012年)


スーパーヒーロー映画はDCから始まった
しかし、何年もDCの影にいた後、マーベルは画期的な何かを計画した
スーパーヒーローのクロスオーバー映画
それは荒唐無稽なアイデアに思えた
上手くいくはずがない

「アベンジャーズ」はアメリカの最初の週末で、2億700万ドルの収益を叩き出した
これはオープニング成績で2億ドルを突破した最初の映画である
最終的にはアメリカで6億2300万ドル、全世界で15億ドルに達した
「アバター」「タイタニック」に続く歴代3位の成績である

「アベンジャーズ」は様々な記録を塗り替え、大ヒット映画の新時代を切り開いた
そしてマーベルはクロスオーバーを成功させた唯一のスタジオとなった

「デッドプール」(2016年)


映画「X-メン」が登場してから16年
シリーズの人気は衰えていた

デッドプールが初登場したのは「ウルヴァリン: X-MEN ZERO」
デッドプール役を演じたライアン・レイノルズは、単独主演作品の実現に情熱を注いだ
20世紀フォックスは「デッドプール」の映画化を発表した
しかし、ライアン・レイノルズ主演の「グリーン・ランタン」の爆死
あまりに超暴力的なキャラ
「X-メン」シリーズ初のR指定
スタジオは「デッドプール」に多大な期待はせず、製作費はスーパーヒーロー映画としては格安の5800万ドルだった
そのためシナリオからいくつかのアクション・シーンを、削らなければならなかった

その「デッドプール」がまさかの大ヒット
アメリカで3億6310万ドル、全世界で7億8,500万ドル
「X-メン」シリーズで歴代1位の成績だった(ちなみに現在は「デッドプール2」が1位)
多くのファンがスーパーヒーロー映画のお約束をあざ笑うデッドプールを楽しんだ
「デッドプール」はスーパーヒーロー映画の新しい可能性を切り開いた

「ワンダーウーマン」(2017年)


「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」で初登場したワンダーウーマンの単独主演作品
ワンダーウーマン役は引き続きガル・ギャドットが演じた
監督には「モンスター」のパディ・ジェンキンス
アメリカン・コミック原作の映画としては、初の女性監督となった

「ワンダーウーマン」の興収はアメリカで4億1200万ドル、世界で8億1100万ドルとなった
これは女性監督作品、および女性が主演のアクション映画において歴代1位である
批評家も作品の出来を称賛
「ワンダーウーマン」は女性スーパーヒーロー映画の新たな歴史を築いた

「ブラックパンサー」(2018年)


スーパーマン、バットマン、スパイダーマン
歴史に名を残す偉大なヒーローたち
では「アベンジャーズ」などのクロスオーバー作品を除いて、ソロでもっともヒットしたのはどのヒーローの作品か?
それは思いもよらぬ無名のヒーローだった

ブラックパンサー

「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」で初登場したヒーローの単独主演作
黒人監督で黒人が主役でスタッフ、キャストもほとんど黒人が占めた
その売り上げは凄まじく全米で7億ドル
「アベンジャーズ」の1作目を上回ってしまった
全世界では13億4700万ドル
10億ドルを超えた5番目のMCU作品となった
そして、アカデミー賞の作品賞にノミネートされた初のアメコミ映画であり、スーパーヒーロー映画である

「アベンジャーズ エンドゲーム」(2019年)


2008年の「アイアンマン」から始まったMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)シリーズのフィナーレ
前作「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」で宇宙最強の敵サノスに、全人類の半分を消滅させられた
残ったヒーロー達は集結して、最後の戦いに挑む
まさにマーベルの集大成といった作品である

全米の最初の週末で、史上初の3億ドル超えである3億5700万ドルを記録
Box Office Mojoはこんな数字は想像すらしていなかったと報じた
そして全世界で27億9780万ドルを稼ぎ、「アバター」を抜いて歴代1位となった
ついにマーベルが映画の歴史の頂点に輝いたのだ
こうしてMCUは一つの区切りをつけ、新たな段階へ進むこととなった

「ジョーカー」(2019年)


DCの「スーパーマン」から始まって、様々な種類のスーパーヒーロー映画が作られてきた
だが、この「ジョーカー」は初めてのスーパーヒーロー映画ではないスーパーヒーロー映画だった
ジョーカーはバットマンでもっとも有名な悪役である
その誕生秘話を描いた本作は、マーティン・スコセッシ監督の「タクシードライバー」や「キング・オブ・コメディ」からインスパイアを得ている
いわば精神疾患や暴力、社会格差をテーマにした社会派作品となった

監督を務めたトッド・フィリップスはスタジオからジョーカー役にレオナルド・ディカプリオを強く勧められたが、最初からホアキン・フェニックス以外は念頭になかった
フェニックスは80kgあった体重を、本作のために60kg以下まで減量した
あまりにも暗い内容のため、スタジオは製作費を5500万ドルしか出さなかった
公開前は専門家もヒットするかどうか意見が分かれた

その「ジョーカー」は全米で3億3500万ドル、全世界で10億7400万ドルを稼いだ
これはR指定作品としては、「デッドプール2」を抜いて歴代1位
初めて10億ドルを超えたR指定作品となった
また低予算だったため、もっとも収益性の高いスーパーヒーロー映画となった
さらには第79回ベネチア国際映画祭でDCコミックスとしては初となる金獅子賞を受賞
アカデミー賞でもホアキン・フェニックスが主演男優賞を受賞した
「ジョーカー」はスーパーヒーロー映画の新たな可能性を生み出した

まとめ

こうしてみると、マーベルとDCの歴史は凄まじい
お互いに刺激し合って画期的な作品を生み出してきた
スーパーヒーロー映画というジャンルがここまでの地位を築くとは、かつては誰も想像していなかっただろう
今後、マーベルとDCによって、どんな作品が生み出されるのか
とても楽しみだ

現在、世界歴代映画興行収入のランキング1位は「アベンジャーズ エンドゲーム」である それ以外にもTOP10には「アベンジャーズ インフ...
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