Netflix「マインドハンター」シーズン2感想と解説 アトランタ児童連続殺人事件を追え!!

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待ちに待った「マインドハンター」のシーズン2
デヴィッド・フィンチャーのファンなら見ねばなるまい!!
シーズン1ではFBI行動科学課の設立
様々なシリアルキラーとの対話で、犯罪心理学とプロファイリングを確立していくまでが描かれた
シーズン2ではいよいよ本格的な捜査に挑んでいく
今回は主人公のホールデン捜査官だけでなく、行動科学課の他のメンバーにもスポットが当たる
描かれるのは全米を震撼させたアトランタ黒人児童連続殺人事件
果たしてプロファイリングは本当に通用するのか?
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」でも扱われたカルト指導者のチャールズ・マンソンも登場
シーズン1が基礎編とするならシーズン2は応用編
見ごたえのあるドラマが展開される


予告編

作品情報
作品名「マインドハンター」(原題Mindhunter)
製作:デヴィッド・フィンチャー
キャスト:ジョナサン・グロフ、ホルト・マッキャラニー、アナ・トーヴ、ステイシー・ロカ、コッター・スミス
全9話
製作国:アメリカ(2019年)

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ざっくりあらすじ

FBI行動科学課のホールデン・フォードとビル・テンチはアトランタで起きた黒人児童連続殺人事件に挑む………………

感想(ここからネタバレ)

デヴィッド・フィンチャーとシリアルキラー
まさに鉄板の組み合わせ!!

シーズン1のあらすじ

1970年、通常の捜査では解決できない不可解な殺人事件が急増していた
FBI捜査官ホールデン・フォードはこれらの事件を研究すれば、法則性が見いだせるのではないかと考える
渋る上司をしり目に同じく捜査官であるビル・テンチを巻き込んで、連続殺人犯たちの深層心理に迫っていく

ホールデンとビルは刑務所を訪ねて、快楽のために殺人を犯した多くの連続殺人犯にインタビューした
その中にはエドモンド・ケンパーもいた
ケンパーは自分の母親を含む10人を殺した男だ
彼はおしゃべり好きだった

もっと本格的に取り組む必要がある
専門的な知識も必要だ
ホールデンとビルは行動科学課を設立し、ボストン大学の心理学の専門家ウェンディ・カー博士をコンサルタントとして招いた
そうして殺人犯のデータを集めることで、犯罪の性質から犯人の特徴を導き出す「プロファイリング」を体系化し、少しずつ成果も上がっていった
ホールデンは自信を深めていった
そのため多少強引な手段もとるようになった

都合の悪いデータをもみ消そうとしたことが、上層部にばれた
ホールデンとビルは取り調べを受けた
そんな時、病院にいるケンパーから会いたいという報せが届く
ホールデンは病院を訪れた
病室でホールデンとケンパーは二人きりになった
ケンパーがベッドから降り、何も言わずホールデンにハグした(彼は大男だ)
ホールデンは恥も外聞もなくその場を逃げ出した………………

みんな大好き、デビッド・フィンチャー!! この作品は彼の最新作である えっ? 最新作といってもTVドラマじゃないかって? ふふふっ、甘...

シーズン2

ケンパーと面会した後でホールデンはパニック発作を起こし、病院のベッドで目を覚ます
ビルカー博士はホールデンの精神状態を心配した
まともに捜査がおこなえるのか?
だが、ホールデンは「心配ない」と言うばかりだった

FBIアカデミーの所長のロバート・シェパードが退職した
表面上は円満退職だったが、実はホールデン達の失態の責任を取らされたのだ
後任のデッド・ガンは行動科学課に期待しており、全面的にサポートすることを約束した

ホールデンの精神状態は優れなかったが、様々な服役囚からのインタビューを重ねていった
アトランタに訪れた時、ホールデンは興味深い話を聞いた
黒人の子供が次々と消えているというのだ
何人かは死体で発見されている
ところが警察はそれぞれの事件につながりがあるとは考えていない
被害者の母親たちは犯人を捕まえるように訴えていた

アトランタの事件がついに表面化した
ホールデンやビルは正式に派遣された
ところが捜査は全く進展していなかった
人種差別が色濃く残る南部
誰もが犯人は白人だと考えていた
しかし、ホールデンだけは犯人は黒人だと推測していた
そのプロファイリングが大きな波紋を呼び………………

監督

デビッド・フィンチャー
「セブン」「ゴーン・ガール」など多くの代表作を誇る鬼才
女優のシャーリーズ・セロンから原作を勧められたのがきっかけで、「マインドハンター」のドラマ化を手掛けた
エピソード1~3を担当

アンドリュー・ドミニク
ブラッド・ピットとのコンビ作「ジェシー・ジェームズの暗殺」「ジャッキー・コーガン」で知られるオーストラリアの監督
エピソード4と5を担当

カール・フランクリン
代表作にデンゼル・ワシントンの「青いドレスの女」
アフリカ系の俳優兼監督である
エピソード5~9を担当

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捜査官たち

ホールデン・フォード
冷静で洞察力があり鋭いひらめきを見せる
しかし、人付き合いが下手で、精神的に不安定なところがある
殺人犯の心理は解明できると考え、プロファイリングを確立していった
モデルは原作「マインドハンター FBI連続殺人プロファイリング班」の著者ジョン・ダグラス捜査官

シーズン1で犯罪者と対話を重ね、プロファイリングへの自信を深めていったホールデン

殺人犯の心理は解明できる!!

ところが殺人犯ケンパーと二人きりになった時、その自信はもろくも崩れ去る
理解できた気になって、本当は理解できていなかったのだ
彼らの心の闇

シーズン2ではパニック発作に苦しみながら、ホールデンはアトランタ黒人児童連続殺人事件に挑んでいく

ビル・テンチ
ホールデンの相棒のベテラン捜査官
常識をわきまえ人付き合いも上手くこなし、ホールデンの暴走を止める
モデルは日本でも有名な「FBI心理分析官 異常殺人者たちの素顔に迫る衝撃の手記」の著者ロバート・K. レスラー

シーズン2ではビルの家庭生活にかなりのスポットが当てられている
子供のいないビルとナンシーの夫婦は、ブライアンという養子をもらい、我が子として可愛がっていた
まだ幼いその少年は不愛想で、なかなかビルに懐かなかった
ところが不動産業者としてナンシーが販売する家で、幼児の死体が発見される
その子は十字架に縛られていた
後日、近所の少年たちの仕業だと発覚し、その中にブライアンも含まれていた
しかも十字架に縛ったのはブライアンだというのだ

ホールデンと共に多くの異常な殺人犯と対話してきたビル
彼らの多くは子供の頃から兆候が見られるという
自分の息子もそうなのか?
苦悩するビルの姿が描かれる

ちなみにこのエピソードはフィクションであり、ロバート・K. レスラーの子供にそういう事件があったわけではないようだ

シリアルキラーたち

シーズン1に続き、今回も様々な殺人犯たちが新たに登場する

デビッド・バーコウィッツ
通称「サムの息子」
1976年から1977年にかけてニューヨークで若い女性やカップルなど6人を射殺し、7人に重軽傷を負わせた
「サムの息子」という名でマスコミや警察に支離滅裂な手紙を送り付け、街を恐怖のどん底に陥れた
ドラマでは実際のデビッド同様、無罪を主張していた

ウィリアム・ピアス
上院議員の娘を含む9人を殺した
ドラマでは7つの言語を話せると主張するが、一般的な英語にもつまづいていた

ウィリアム・ヘンリー・ハンス
黒人のシリアルキラー
元兵士だった彼は軍事基地周辺で4人の女性を殺害
1994年に42歳で処刑された

エルマー・ウェイン・ヘンリー
ディーン・コールと共に最低でも28人のティーンエイジャーや若い男性を殺したヒューストンの大量殺人事件で有名
ドラマではアトランタの事件で忙しいホールデンとビルの代わりに、カー博士とグレッグが対面
これまでは予定にないことを聞くホールデンを否定していたカー博士だったが、現場の判断の重要性を思い知る

チャールズ・マンソン
「マンソン・ファミリー」のカルト指導者
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」にも登場した
もっとも有名なのはシャロン・テート事件だが、彼自身が手を下したことは一度もない
演じるのは「ワンス・アポン……………」と同じくデイモン・ヘリマン
キャスティングはこちらが先だった

ポール・ベイトソン
1977年、ゲイの映画評論家アディソン・ヴェリルを惨殺した罪で逮捕された
それ以外にもハドソン川で男性のバラバラ死体が黒いポリ袋に詰められ漂流する事件が相次ぎ、その犯人としても疑われたが有罪判決は下せなかった
ポール・ベイトソンは放射線技師であり、あのウィリアム・フリードキンの名作「エクソシスト」に出演していることでも有名

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BTKキラー

デニス・レイダー「BTKキラー」として知られ、世間を震撼させた
BTKとはBind(緊縛)、Torture(拷問)、Kill(殺す)の頭文字である

ドラマではシーズン1の最後に意味深に登場
シーズン2では所々でデニス・レイダーのエピソードが、本筋と関係なく挿入される

このドラマがBTKキラーにスポットを当てている意味は、非常に興味深い
何故なら「マインドハンター」シーズン2は1980年から1981年が舞台
デニス・レイダーは2005年まで捕まらないのだ
ドラマが相当長く続かないと、ホールデンとビルがBTKキラーに辿り着くことはないだろう

ホールデンはプロファイリングに絶対の自信を持っている
この手段を頼りに殺人犯を捕まえられると
そんなホールデンにシリアルキラー、ケンプは忠告する

「君が話を聞いたのは捕まった殺人犯だけだ」

プロファイリングは完全ではない
そんなデータや知識の外にいて、巧妙に殺人を犯し平穏に暮らしているシリアルキラーもいるのだ
このドラマで「BTKキラー」はそんな象徴かも知れない

アトランタ児童連続殺人事件

シーズン2は前半は殺人犯から話を聞く場面がメインで、正直ちょっと展開が遅く感じられた
だが、中盤からアトランタの事件の捜査がメインになり、いっきに面白くなる

1979年から1981年、少なくとも29人の子供や青年がアトランタ付近で殺された
しかし、警察はすぐには捜査に乗り出さなかった
一つには被害者が全員黒人であること
アトランタはまだ人種差別が根強い地域だった
もう一つは街の評判を落としたくなかったからだ

だが被害者たちの母親が立ち上がった
市は非難されることを恐れて、捜査体制を増やした
こうしてFBIのホールデンとビルも正式に派遣された

捜査は全く進んでいなかった
手がかりもほとんどない
地元警察はKKKなど白人の犯行だと睨んでいた
被害者の家族もそう考えていた
けれどホールデンだけは違った
プロファイリングした結果、犯人は黒人に間違いない

誰もがホールデンを馬鹿にした
視聴者すら本当なのか疑ってしまう場面だ

この事件の捜査の場面は本当に息苦しかった
ひどい暑さのアトランタ
進まない捜査
ホールデンとビルも孤立無援
全く浮かばない容疑者
それでも事件は次々と起こる
暗闇の中にいるような気分だった

犯人は死体を川に投棄している
ホールデンは全ての橋を真夜中に監視することを進言した
そのため数十人の警官が動員された
ホールデン達も毎晩徹夜で見張った
1ヵ月たっても結果が出ない

そして最後の夜、警官が水しぶきの音を聞いた
白いワゴンに乗り込もうとした男の身柄を拘束
その男の名はウェイン・ウィリアムズ
23歳の黒人の青年だった

これだけ焦らされたのだ
最後は痛快な結末が待っているだろう
そんな期待はこのドラマには通用しなかった

ウィリアムズの家のカーペットと二人の犠牲者の繊維が一致した
ウェイン・ウィリアムズは二人の殺人の罪で逮捕された
捜査はそれで打ち切り
残り27人の事件は2019年においても未解決のままなのだ

本当にこれら全ての事件がウェイン・ウィリアムズ1人の犯行なのか?
ホールデンとビルはその功績を高く評価された
しかし、もやもやした気分のまま、シーズン2は幕を閉じる

痛快な刑事ドラマを期待する人は面食らうだろう
このドラマはそういった類のものではない
やはりデビッド・フィンチャー!!
この嫌な味わいこそ彼の持ち味
ファンにはたまらない

まとめ

シーズン2も相変わらずのクォリティ
デビッド・フィンチャー節が堪能できる
後半のアトランタ児童連続殺人事件は素晴らしい出来
捜査官の焦燥、見えてこない容疑者、けだるい雰囲気
当時にタイムスリップしたような気分を味わえた
地味だが他のドラマにない渋さが魅力
シーズン3はどんな事件が描かれるのか楽しみだ

年末に2018年のNetflixオリジナル映画のベスト10を選んだ 早いもので、あれからもう半年がたった その間、Netfl...


Mindhunter (2017– ) on IMDb


Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/tv/mindhunter/s02
allcinema
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=369405

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