Netflix「泣きたい私は猫をかぶる」ネタバレ感想 世界が優しく見える傑作!!

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2020年6月5日に劇場公開を予定されていた本作
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、Netflixでの配信へと変更された
さて簡潔な感想としては、めちゃくちゃ良かった
見終わった時の多幸感
良い作品を見たという満足感に満たされた
とにかく主人公のムゲのキャラクターがいい
行動がハチャメチャで、それでいて心情が妙にリアル
その一挙手一投足に目が離せなかった
さすが岡田麿里の脚本だけある
そして猫の愛らしさが爆発
猫好きには必見だ
作画や音楽など、劇場作品として遜色のないクォリティ
思い通りにいかない世界だが、捨てたものじゃない
色々と気付かさせてくれる良作
さすが佐藤順一作品に外れなし
劇場で公開されなかったのは残念だが、こんな良作を見れた幸運に感謝
間違いなく2020年を代表する劇場アニメの1本である


予告編

作品情報
作品名「泣きたい私は猫をかぶる」
監督:佐藤順一、柴山智隆
脚本:岡田麿里
キャスト:志田未来、花江夏樹、寿美菜子、小野賢章、千葉進歩、川澄綾子、小木博明、山寺宏一
上映時間:104分
アニメーション制作:スタジオコロリド
製作国:日本(2020年)

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ざっくりあらすじ

「ムゲ(無限大謎人間)」というあだ名で呼ばれる中学2年生の笹木美代は、毎日愛しの日之出賢人に猛烈なアタックをしていた。そんなムゲにはある秘密があり…………

感想(ここからネタバレ)

劇場で公開されなかったことが、残念に思える良作
とはいえこのご時世で、ちゃんと日の目を見て良かった

秘密

笹木美代は中学2年生の明るい女の子
空気を読めない言動や、奇抜な行動が多く、皆から「ムゲ(無限大謎人間)」と呼ばれていた
そんなムゲは同級生の日之出賢人に首ったけ
親友のヨリちゃんに呆れられながらも、毎日のように日之出に熱烈なアタックをしていた

周囲からは全く悩みがないように見えるムゲ
しかし、それは空元気だった
ムゲの両親は10歳の時に離婚
家に帰ると父親とその婚約者のがいる
ムゲは家に居場所がなかった

そんなムゲにはある秘密があった
ある夏祭りの夜、ムゲは奇妙なお面屋に出会った
かぶると猫に姿を変えられるお面
そのお面をもらって、ムゲの世界は一変した

ムゲは毎日猫に姿を変えて、日之出の家を訪れた
日之出は猫のムゲのことを太郎と呼び、とても可愛がった
人間の姿の時には、そっけない態度の日之出
でも、猫の姿なら屈託なく可愛がってくれる
それに猫なら周りに気を遣わず、自由に気ままに生きられる
ムゲは窮屈な人間の時よりも、猫の時の方が幸せを感じるようになった

そんなムゲの前に、あのお面屋が現れた
お面屋はムゲに人間をやめて、猫として生きることを迫るのだが…………

笹木美代(ムゲ) CV.志田未来

中学2年生の女の子
言動が極端で、クラスで浮いている
いつもマイペース
愛しの日之出と結婚することが夢

周囲を気にせず、日之出に熱烈なアタックを繰り返すムゲ
あまりの奇行に、最初はちょっとウザいと感じた
しかし、その印象は徐々に変わってくる

風変わりなムゲはクラスに溶け込めない
家に帰ると、赤の他人である父の婚約者
ムゲは自分の感情を抑えて、明るく振る舞った
世界はムゲに優しくなかった

猫の姿の時は、自由で気ままにいられる
日之出との距離もぐっと縮まる
ムゲは猫でいることに、幸せを感じるようになるが…………

日之出賢人 CV.花江夏樹

ムゲの同級生
成績優秀
ムゲから繰り返される大胆なアタックに、迷惑している

祖父の影響で陶芸家を目指している日之出
だが、そのことを母親に言えないでいる
ちょっと「耳をすませば」の聖司を思い出した

猫の姿のムゲに「太郎」と名付け可愛がる
自由奔放なムゲに比べて、言いたいことも言えない自分
そのことに密かに引け目を感じている

岡田麿里

「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「花咲くいろは」「凪のあすから」「心が叫びたがってるんだ。」
多くの話題作の脚本を手がけてきた

岡田麿里が描く女性キャラはどこか生々しい
アニメのキャラクターにそんな印象を抱くことは少ない
どこか生の感情というか情念のようなものを感じさせる
そして孤独や切実さを胸に秘めている

本作の主人公は「ムゲ(無限大謎人間)」と呼ばれるほど、風変わりな女の子
大好きな日之出に毎日、お尻でタックルするという奇抜な少女だ
そんな突拍子もないキャラクターなのに、内面描写はすごくリアル
家を出ていった母親や父の婚約者への心情など、見ていて痛々しいほどだ
キャラクターの存在感がずば抜けている
さすが岡田麿里といったところだろう

佐藤順一

「美少女戦士セーラームーン」、『おジャ魔女どれみ」、「ゲートキーパーズ」、「カレイドスター」、「ARIA」、「たまゆら」
とにかく傑作ぞろい
安心安定の佐藤順一作品

まずキャラクターの魅力を引き出すのが抜群に上手い
どのキャラも身近に感じさせる
人間味を描くのが達者なのだ
人情ものなどでは右に出る者はいない

さらに日常描写が上手い
特に何も起きないような話を、面白おかしく魅力的に描く
凡百な監督には無理だろう

また作品の雰囲気がいい
監督の優しい視線を感じる
空気を描くのが本当に上手いのだ

そういった特色は、この「泣きたい私は猫をかぶる」にも存分に表れている
キャラクターたちに監督から愛情が注がれているのが分かる
ムゲの母親や猫のきなこなど、もっと悪役っぽく描くことも出来たはずだ
しかし、最終的には悪役といえるのはお面屋だけで、それ以外は誰もが良いところ悪いところ併せ持ったキャラクターとして描かれている
それは主人公のムゲも同様だ

岡田麿里の脚本は鋭角的に感じることが多いが、それを佐藤順一の演出がマイルドにとっつきやすくしている印象
絶妙な組み合わせだったと思う

逃避

不思議なお面で、猫に姿を変えられるようになったムゲ
自由気ままな猫の生活
周りに気を遣って、感情を抑える必要もない
大好きな日之出も、猫の姿なら優しく接してくれる

もう猫のままでもいいんじゃないか?
本当の自分は誰も愛してくれないのだから

最近はアニメでもライトノベルでも「異世界転生」ものが大流行である
嫌な現実から逃げて、別な世界へ行きたい

物語後半で出てくる猫の世界
そこには元は人間だった猫たちがいた
嫌な現実から逃げた
そう言いつつ、その姿はどこか虚しそうだった

本当にここまま猫になってもいいのか?
ムゲは葛藤することになる

気付き

猫から人間に戻れなくなったムゲ
そうして初めて色々なことに気付くようになる

小学校からの親友のヨリちゃん
行方不明になった自分を心配して探してくれた

父親の婚約者の薫さん
しょせんは赤の他人だと思っていた
だけど自分のことを心から気にかけてくれていた

世界が自分を拒絶していると思っていた
だけど世界と向き合ってこなかったのは自分の方だ
色々な人が自分を支えてくれていた
この世界もまんざらでもないのかも知れない
今まで気づいていなかっただけで

見終わって、世界が少しだけ優しく見えた
色々なことに気付かされる作品である
後日談的なエンディングも微笑ましい
圧倒的な多幸感に満たされた

まとめ

間違いなく2020年を代表する1本
劇場公開はかなわなかったが、正当に評価されるべきだろう
ジュブナイルとしてもファンタジーとしても、完成度高し
これだけの作品が追加料金なしで見れるのだから、素直にNetflix凄い
月額料金分ぐらいの価値はある
絶対に見逃せない1本だ


Nakitai watashi wa neko wo kaburu (2020) on IMDb

allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/371448

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