Netflixとドリームワークスが制作したアニメ
怖がりの少年オリオンの前に姿を現した暗闇の化身は、彼を夜の世界へ連れ出すが…………
笑えてハラハラして最後は感動
素晴らしい完成度の良作アニメ映画
「脳内ニューヨーク」「もう終わりにしよう。」のチャーリー・カウフマンが脚本を担当
自由奔放なストーリー展開が素晴らしい
暗闇がどうして必要なのか?
オリオンと一緒にそれを学ぶことが出来る
暗闇の仲間たちも魅力的
エンタメとして一流で、芸術性も高い
オリオンと暗闇の友情は心暖まった
分かりやすくて奥深い物語が楽しめる
アニメーション技術も素晴らしい
夜の世界が本当に美しかった
アニメ映画が好きな人なら絶対に見るべき作品
きっと深い満足を得ることが出来るだろう
予告編
作品情報
作品名「オリオンと暗闇」(原題ORION AND THE DARK)
監督:ショーン・シャルマッツ
脚本:チャーリー・カウフマン
キャスト:ジェイコブ・トレンブレイ、ポール・ウォルター・ハウザー、アンジェラ・バセット、コリン・ハンクス、ミア・アケミ・ブラウン、アイク・バリンホルツ、ナット・ファクソン、ゴルダ・ロシューヴェル、ナターシャ・ディミトリウ、アパルナ・ナンチェーラ、カーラ・グギーノ
上映時間:92分
制作国:アメリカ(2024年)
ざっくりあらすじ
想像力豊かな少年オリオンは、あらゆるものが怖くてたまらない。特に恐ろしいのが暗闇だ。そんなオリオンの前にある夜、暗闇の化身が姿を現す。暗闇は自分が怖くないことを証明するために、オリオンを夜の世界へ連れ出すが…………
感想(ここからネタバレ)
完璧に限りなく近い作品
「オリオンと暗闇」
オリオンは11歳の男の子
犬、カミナリ、殺人ピエロ、携帯電話の電波、いじめっ子、女の子
想像力豊かなオリオンには怖いものがいっぱいだった
そんなオリオンはクラスメートのサリーに片思いをしていたが、とても話す勇気などなかった
クラスでプラネタリウムに行く日が近づいていた
オリオンは絶対に行きたくなかった
途中でバスが事故に遭ったらどうする?
もし席がサリーの隣でパニクったりしたら、クラスの笑いものだ
考えただけで恐ろしい
色々なものが恐ろしいオリオン
その中でも特に恐ろしいのが暗闇だった
オリオンは毎晩、夜が怖くてたまらなかった
そんなオリオンの前に”暗闇”が化身となって現れた
悲鳴を上げて、布団の中に隠れるオリオン
その姿に傷ついた暗闇は、自分が怖くないことを証明するために、オリオンを夜の世界へ連れ出すが…………
作品解説
原作はエマ・ヤレットによる絵本「オリオンとクラヤーミ」
監督は「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」や「レゴ(R)ムービー2」などに関わってきたショーン・シャルマッツ
本作が監督デビュー作となる
脚本は「脳内ニューヨーク」「もう終わりにしよう。」のチャーリー・カウフマン
オリオン
想像力豊かな11歳の少年
つねに不安にさいなまれ、泣き虫オリオンと馬鹿にされている
クラスメートのサリーに片思いをしているが、話しかける勇気はない
いきなり出現した”暗闇”に、夜の世界へ連れ出されるが…………
演じるのは「あの夏のルカ」でルカを演じたジェイコブ・トレンブレイ
暗闇
暗闇が具現化した姿
いつも笑顔で穏やかな性格
自分が皆に嫌われているのを気にしている
演じるのはクリント・イーストウッド監督の「リチャード・ジュエル」で主役を演じたポール・ウォルター・ハウザー
夜のものたち
人々を眠らせて回る”睡眠”
逆に寝ている人の耳元で不安な言葉をささやく”眠れず”
得体の知れない音を立てて驚かせる”不思議な雑音”
騒音を吸い取ってしまう”静寂”
人々に様々な夢を与える”夢”
暗闇の仲間である夜のものたち
誰もが個性的で魅力的
特に”静寂”が非常にキュートでお気に入り
夜の世界
暗くて恐ろしい夜が大嫌いなオリオン
”暗闇”はオリオンに素晴らしい夜の世界を案内する
夜は星を輝かせてくれる
蛍の光も美しい
夜は静寂を与えてくれる
花火も明るい昼間では台無しだ
”暗闇”が案内する夜の世界が、本当に美しい
アニメーションも素晴らしかった
自然と夜の町を歩き回りたい気分になった
恐怖
どうして暗闇が必要なのか?
本作はそのことを自然と考えさせられる
”暗闇”と友情で結ばれたオリオン
そうしてオリオンは恐怖心を克服するのかと思われた
しかし、恐怖は完全には消え去らなかった
やはり怖いものは怖い
闇がなければ光はない
同じように怖がることも、人にとっては大切なこと
非常に深いテーマ
何故「悲しみ」という感情が必要なのかを描いたピクサーの「インサイド・ヘッド」を彷彿とさせた
親子
物語の中盤で本作は大人になったオリオンが、娘のヒュパティアに話して聞かせている作り話ということが判明
この仕掛けには驚いた
話の続きをねだるヒュパティア
そうして一緒に物語を作っていく
最後にはヒュパティアが物語の世界に入り込み、幼い父親(オリオン)と一緒に”暗闇”を救う
まさに自由奔放な展開
そのイマジネーションの広がりは驚異的だった
さすがはチャーリー・カウフマン脚本
一筋縄ではいかない作品になっている
そして、これ以上は考えられない完璧なラストシーン
最後は深い感動を覚えた
まとめ
ユーモラスな語り口
美しいアニメーション
自由奔放なストーリー展開
芸術性すら感じさせる非常に完成度の高い一作だ
Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/orion_and_the_dark
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/393421
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