Netflix「上海要塞」感想 中国で爆死したSFアクション大作!!

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中国のSFアクション大作
嫌いじゃない!!
アクションも頑張っているし、スケールも大きい
金もかかっている
たわいもないストーリーだが、微笑ましく見れた
問題はSFアクションだと思って見ていたら、アイドル映画だったこと!!
途中に入るラブロマンス要素、マジでどうでもいい
おかげで焦点がぼやけてしまった
ハリウッド以外でSFアクション大作が作られるのは、とても珍しい
個人的には応援したい
とはいえ色々と間違っているのも確か
かなり残念な作品になってしまった
頭空っぽにして深く考えずに見るのをお勧め


予告編

Shanghai Fortress Teaser Trailer

作品情報
作品名「上海要塞」(原題Shanghai Fortress)
監督:タン・ファータオ
キャスト:ルハン、スー・チー、シー・リアン、カオ・イーシャン
上映時間:107分
製作国:中国(2019年)

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ざっくりあらすじ

貴重なエネルギー源を狙って宇宙人が襲来。人類に残された唯一の希望は上海だった………………

感想(ここからネタバレ)

「流転の地球」に続く中国のSF大作
このまま流れを作ってほしかったのだが………………

襲来

中国の宇宙船が未知のエネルギー源「シエントン」を持ち帰った
シエントンは既存のエネルギーにとって代わり、世界は爆発的に発展した

2035年、地球に宇宙人が襲来
彼らの目的はシエントンだった
ニューヨーク、ニューデリー、東京
世界の大都市が次々と襲撃され、壊滅していった
残されたのは上海だけだった
人類はシエントンを上海に集め、都市の上空にシールドを張った
これで攻撃を防ぐことが出来る
上海は人類の最後の希望となった

チアン・ヤンパン、ツォン、ルーの3人と共に、若き隊員から選抜されたエリートだった
この”上海要塞”の次期司令官候補だ
エイリアンの攻撃は熾烈を極めた
人類は総力を結集して、辛くも都市を守っていた

チアンには秘めた想いがあった
上司のリン司令官に恋をしていたのだ
しかし、凛とした大人の女性のリンに告白する勇気はなかった

上海のシエントンのエネルギーが枯渇し、シールドを維持することが難しくなってきた
将軍は最後の手段として、秘密兵器「上海キャノン」を使って、宇宙人の母船を撃墜しようとするのだが………………

中国での反応

中国初のSFブロックバスター映画「流転の地球」は2019年2月5日に公開され、6億9,300万ドルという驚異的なヒットで中国歴代2位の興行収入となった

中国初のSFブロックバスター映画である 2019年2月5日(中国の元旦)に劇場公開され、6億9,300万ドルという驚異的なヒットを記録 ...

この大成功は業界にとって明るいニュースとなった
中国でもハリウッドに負けないSF大作を作ることが出来る
人々は「流転の地球」に続くSFとして、この「上海要塞」に大きな期待を寄せた

「上海要塞」は8月9日に中国で公開された
オープニング成績は1,540万ドルで初登場4位だった
この作品の製作費はおよそ5700万ドルといわれている
日本円に換算すると60億円以上だ
この結果は関係者を失望させた

映画の評価も惨憺たるものだった
中国の映画レビューサイトDoubanで3.3 / 10
「流転の地球」は中国SFの扉を開き、「上海要塞」は扉を閉じた、とまで言われた
監督のタン・ファータオが今作の失敗を認め、ファンに謝罪するという騒動まで起きている

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作品のクォリティ

中国で爆死し評価も散々な本作だが、個人的にはなかなか楽しめた
宇宙人との地球の命運をかけた戦い
壮大なスケールの内容である
だが、製作費が高額なこともあり、CGがハリウッド映画のそれに比べてちょっとチープな感じはあるが、迫力あるヴィジュアルが展開される
大画面で見ても遜色ない出来だ
アクションシーンもかなり健闘しており、中国映画の底力を見せつける
自己犠牲などヒロイズムがやたら強調されて鼻につくものの、それなりに盛り上がる
宇宙人との最終決戦などはなかなか見ごたえがあった
宇宙人侵略ものとしては、そこまで悪くない出来だっただろう
そこで終わっていれば………………

アイドル映画

主人公のチアン・ヤンを演じるルハンは、男性アイドルグループEXOの元メンバーで、日本でも名の知られた存在である
甘いマスクで熱狂的なファンを持つ
そのキャラクターが人類滅亡をかけた戦いと、雰囲気が合っていないのだ
内容は壮絶な戦争映画なのに、ルハンが登場するだけでアイドル映画を見ているような錯覚を覚えてしまう

これだけの製作費をかけたSF映画だ
絶対に失敗は許されない
保険をかける意味で人気絶大なルハンが起用されたのだろう
ところがそのせいで、ちぐはぐな印象の作品となってしまった

スー・チー演じるリン司令官へのルハンの恋
映画の隠し味程度なら良かったかも知れない

尺取りすぎ!!

こちらはSF戦争映画が見たいのだ
多くの観客がそう思っていただろう
人類滅亡の危機に、お前らの恋愛なんてどうでもいいわ!!
そう叫びそうになった
戦争に決着がついた後のエピローグも、女々しい内容をダラダラ流しすぎ
SF映画を見ていたのか、恋愛映画を見ていたのか、よく分からなくなってしまった

監督のタン・ファータオは元々恋愛映画を得意とする人らしい
そのせいで焦点の定まらないぼやけた映画になってしまった
今後の中国SF映画の芽を摘んでしまったのではないかと心配だ

まとめ

何だかんだいって中国がこれだけの規模のSF映画を作れるようになったというのは、評価に値する
SF映画に目がない人は、十分に見る価値はあるだろう
またルハンのファンならアイドル映画としても楽しめるかも知れない
でも基本的には失敗作なので、あまりハードルを上げない方がいいだろう
中国でSF大作が今後も続いて欲しいのだが
今作の失敗が影響しないか心配だ

年末に2018年のNetflixオリジナル映画のベスト10を選んだ 早いもので、あれからもう半年がたった その間、Netfl...


Shanghai Fortress (2019) on IMDb

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コメント

  1. 一応映像系受賞者 より:

    「流転の地球」はトンデモ映画でしたがめちゃくちゃ面白かったです。
    そして本作もエエエエエ!!!な映画でしたが言われているほど悪くはないです。
    むしろみんないなくなるイサギの良さ、マクロスと武士道のような部分は結構楽しめました。
    失敗作かも知れませんが楽しめました。
    色々間違っていますが伝えたいことはひしひしと伝わりあました。
    細かいことにうるさい人は何を見ても文句でしょうから。
    良いところを見るのも映画の楽しみ方だと思います。

    • しまと より:

      コメントありがとうございます
      上海要塞は僕も嫌いじゃないんですよね
      確かに色々間違ってますが、上海キャノンというパワーワードが忘れられない
      中国のSF映画は今後も続いてほしいです