Netflixオリジナルの韓国映画
2092年、宇宙のゴミを清掃する宇宙船「勝利号」の4人組は、大量破壊兵器である人型ロボットを偶然発見し…………
予想以上のクォリティに驚き
見せ場満載のエンターテイメントに仕上がっている
韓国初のSF大作映画といわれている本作
もっとチープなものを予想していたが、想像以上の出来栄えだった
ハリウッド以外で、これほどのSF大作が作られるとは思いもよらなかった
勝利号の荒くれ者4人組が魅力的
大量破壊兵器の少女ドロシーに振り回される姿が面白い
大作だからと気負わずに、エンターテイメントに徹しているのが素晴らしい
派手なアクション、宇宙船のドックファイト、巨大な陰謀
見ていてワクワクした
初めてのSF映画を、これほどのクォリティに仕上げたスタッフの熱量が凄い
SF好きなら、絶対に見ておくべきだろう
予告編
作品情報
作品名「スペース・スウィーパーズ」(原題Space Sweepers)
監督:チョ・ソンヒ
キャスト:ソン・ジュンギ、キム・テリ、チン・ソンギュ、リチャード・アーミティッジ、パク・イェリン
上映時間:137分
製作国:韓国(2021年)
ざっくりあらすじ
2092年、宇宙のゴミを清掃する宇宙船「勝利号」の4人組は、大量破壊兵器として手配されている人型のロボットを発見し…………
感想(ここからネタバレ)
まさかこれほどのクォリティとは…………
出会い
2092年、地球は荒廃していた
大企業のUTSは火星にコロニーを建設し、人類を移住させた
正常な空気と自然
「エデン」と呼ばれるそこに住めるのは、全人類のたった5%
選ばれなかった人々は、非市民として地球に取り残されていた
宇宙には無数のゴミが漂い、それが大きな問題となっていた
そのゴミを清掃する労働者”スペース・スウィーパーズ”
非市民の彼らは一攫千金を求めて、競ってガラクタを回収していた
その中に悪名高い「勝利号」の4人組がいた
金の亡者だが操縦の腕はピカイチのテホ
図太い神経の女船長チャン
強面で腕っぷしの強い機関士タイガー・パク
人口皮膚を手に入れるのを夢見るロボットのバブズ
彼らは他のスウィーパーズの獲物を、いつも横からかっさらってしまうのだ
そのため同業者から毛嫌いされていた
ある日、いつものように勝利号のメンバーがゴミを回収していると、中から宇宙服を着た少女が出てきた
途方に暮れる4人
厄介ごとには関わりたくないのだ
ところが少女の顔にどこか見覚えがある
その少女はUTSが全力で捜索している大量破壊兵器のロボット、ドロシーだった
体内に爆弾が埋め込まれ、爆発すると星が吹き飛ぶといわれている
勝利号のメンバーは震え上がった
すぐに警察に引き渡そう
しかし、テホがとんでもないことを思いついた
警察に引き渡しても、自分たちには一文の得にもならない
このドロシーはテロ組織の「ブラック・フォックス」も狙っている
彼らと交渉して、大金をせしめよう
大金という言葉に目がくらみ、チャン船長たちも同意した
そして、何とかブラック・フォックスのメンバーと連絡を取り、ドロシーと金を交換することになったのだが…………
作品解説
韓国映画史上初の宇宙を舞台にしたSF大作といわれている「スペース・スウィーパーズ」
製作費は240億ウォン (約24億円) といわれている
本作は2020年9月23日の劇場公開を予定されていたが、新型コロナウイルスの拡大で延期
ついには劇場での公開を諦め、Netflixでの配信となった
SF映画
「スター・ウォーズ」、「スター・トレック」、「ブレードランナー」、「アバター」
SF映画の名作はいくつもある
ところが近年ではSF映画があまり作られなくなっているといわれている
それは何故なのか?
まずは予算がかかりすぎるのが原因だ
一般的な映画と比べると、SF映画は製作に金がかかる
そしてSF映画はマニア向けになりやすい
たとえば「ブレードランナー 2049」は作品の評価は高かったが、興行成績は残念ながら芳しくなかった
「スター・ウォーズ」のような例外もあるが、SF映画は支持を得られにくいのだ
2019年、中国初のSFブロックバスター映画「流転の地球」が、中国歴代2位の驚異的なヒットを記録した
そして、韓国初のSF大作「スペース・スウィーパーズ」
ハリウッドですら尻込みする昨今、アジアでSF大作が誕生していることは、非常に喜ばしいことだ
テホ
勝利号のパイロット
宇宙船の操縦の技術は天才的
金に目がない
いつもどこか冷めているが…………
演じるのは「私のオオカミ少年」のソン・ジュンギ
金に汚いテホ
何故そこまで金に執着するのか?
そして明かされる哀しい過去
テホの印象がガラリと変わった
勝利号
男勝りの船長、チャン
いかつい大男、パク
口の悪いロボット、バブズ
一癖も二癖もある勝利号のメンバー
過去に傷のある荒くれ者たち
あくまで寄せ集め集団で、絆と呼べるものはなかった
しかし、ドロシーとの出会いによって、彼らの中で何かが変わり始める
ドロシー
勝利号のメンバーが偶然回収した少女
だが、大量破壊兵器として指名手配されているロボットだった
最初は怯えて警戒していた勝利号のメンバー
ところが彼女の愛くるしさに、次々と陥落(笑)
荒んだ無法者たちが、ドロシーの前ではだらしなく相好を崩す
見ていて微笑ましかった
唯一、テホだけはドロシーと距離を置いていた
彼女はブラック・フォックスとの交渉材料
金づるなのだ
絶対に情を移してはいけない
テホはどうしても金が必要だった
テホとドロシー
2人の絆が深まっていく過程が、本作の魅力の一つ
ビジュアル
とにかくCGの出来栄えが見事
ハイスピードの宇宙船のドックファイトなど、ハリウッド映画にも見劣りしないと感じた
大作といっても、ハリウッドの超大作と比べると製作費は半分以下
それでここまでのものを作ってしまうとは
また宇宙船などの古びた感じのセットも、隅々まで作り込まれていた
スペースガードの兵士たちのビジュアルも、かなりの迫力だった
いたるところにセンスの良さが感じられた
娯楽活劇
荒くれ者たちが世界を救う
本作は例えるならマーベルの「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」に近い
韓国初のSF大作というと、気負ってしまって崇高なテーマなどを掲げてしまいそうなもの
それを娯楽に徹した姿勢は、非常に好感が持てる
作り手たちの面白いものを作ろうという熱意が伝わってきた
確かにSF映画として革新的な作品ではないかも知れない
だが、初めてでこれほどのものを作れれば大したもの
日本でこれだけのSF映画が作られていれば、飛び上がって喜んだだろう
正直、羨ましい
まとめ
韓国初のSF大作
これだけのものを作り上げたことに感服した
その志が凄い
冒険心を刺激される非常に楽しい作品に仕上がっている
今後もアジアのSF映画の火を絶やさないで欲しいものだ
Rotten tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/space_sweepers
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/375601
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コメント
くやしいくらい面白い!
最後までハラハラドキドキ
そしてラストは、AI的な雰囲気で号泣😭
真似じゃない、似てるのは雰囲気だけ。
鬼滅だシンエヴァだも悪くはないけど
韓国映画は確実に世界のマーケットを
考えてると思う。スタンディングオベーションです。
コメント、ありがとうございます
自国でスペースオペラを作ってやろうというその心意気だけで惚れました
しかも、きっちり面白いのが凄い
スター・ウォーズでハン・ソロやファルコン号が好きな人間には、たまらない作品です
撮影現場は楽しかっただろうなー
僕も勝利号を操縦してみたい
確かに!
自分はSW大好きでシリーズ全作(ハンソロ以外)
スクリーンで観てました。
評論家を気取るつもりはありませんが、自国人以外と自国人/主人公たちの配役(いわゆるキャスティング?)がまずにくいです。日本映画でコレができるだろうか?
ストーリーも設定も最後のどんでん返しも
上手に過去の佳作を踏襲して最後まで一気に
魅せてくれます。コレに対抗できるのは今のところアニメしか日本にはない。っていうか
世界マーケットを意識した映画づくりを
してるのか?する気がないのか?
そもそも予算がないのか?