【海外の反応】「君たちはどう生きるか」の評価は!?

「君たちはどう生きるか」は2023年9月7日に、トロント国際映画祭のオープニング作品として上映された
アニメーション作品が同映画祭のオープニングを飾ったのは、史上初である

日本での公開は2023年7月14日

 

宮崎駿監督としては2013年公開の「風立ちぬ」以来、10年ぶりの長編アニメーション
公開前に宣伝を一切しなかったことも話題となった
太平洋戦争で眞人は、母親を失った
母親の実家のある田舎に疎開した眞人は、そこで不思議なアオサギを目撃し…………

 

宮崎駿監督の自伝的要素も含んだファンタジー「君たちはどう生きるか」
果たして海外ではどういう評価をされているのか?

 

 

 

 

「君たちはどう生きるか」

1944年、太平洋戦争による戦火は激しくなっていた
牧眞人(まき・まひと)は病院の火災で母親が亡くなり、父親と共に母親の実家のある田舎に移り住む
そこには母親の妹のナツコという女性がいて、彼女は父親の再婚相手で、すでに子供を身ごもっていた

 

母親の実家である古い屋敷に案内された眞人
亡くなった母親のことが忘れられず、眞人は新しい母親に心を開けなかった
その屋敷の外れには古い建物があった
そこは眞人の大叔父にあたる人物が建てたようだが、その大叔父はある日忽然と姿を消してしまったという

 

屋敷にも学校にも馴染めず、孤立する眞人
ある日、ナツコが姿を消して屋敷は大騒ぎになる
眞人は不思議なアオサギにいざなわれるように、大叔父が建てたという建物に足を踏み入れるが…………

 

眞人を演じるのは山時聡真
青サギは菅田将暉
キリコは柴咲コウ
ヒミはあいみょん
夏子は木村佳乃
勝一は木村拓哉
音楽は久石譲
主題歌は米津玄師の「地球儀」
作画監督は本田雄
原作・脚本・監督は宮崎駿
アニメーション制作はスタジオジブリ

 

 

 

 

海外の評価

アメリカでは「THE BOY AND THE HERON」というタイトルで、2023年12月8日に公開予定


現時点でのIMDbのスコアは7.7/10
ロッテントマトの批評家支持率は100%

 

 

 

 

メディアの評価

Awards Watch

偉大なるストーリーテラーである宮崎駿による、悲しみと精神的成長の感動的な物語
彼はこれまででもっとも繊細な作品を作成し、最高の映画の1つにランクされる非の打ちどころのない力強い作品を生み出しました
これは監督のもっとも個人的な映画で、マヒトの旅を通して私たちに、どれほどの痛みを経験しても、どれほど喪失感を感じても、人生の状況がどれほど悲惨であっても、死は人生の一部であり、彼らの喪失は私たちを強くすることができると伝えます
評価:A-

 

 

The Playlist

「少年とサギ」は私たちに忍耐強く生きる強い意志を与えてくれます
アニメ界でもっとも偉大な錬金術師が、これまででもっとも個人的な呪文を私たちに贈ってくれたのは、なんと幸運なことでしょう
評価:A+

 

 

New York Post

「少年とサギ」は宮崎監督の過去の映画ほど完璧ではない
あまりにも多くの登場人物が遅れて登場し、急いで説明されるため、最後はめまいがするほどです
しかし、それにもかかわらず、この映画は力強い感情を残します
3.5/4

 

 

Ty Burr’s Watch List

宮崎駿の最高傑作の1つ
「少年とサギ」は美しくて奇妙で、めったに見られない貴重な映画です
これが師匠の最後の作品となるなら、輝かしい冠石です
もし最後じゃないのなら、それはそれでとても喜ばしい
4/4

 

 

Looper

「千と千尋の神隠し」や「魔女の宅急便」ほどすぐに愛されるものではないにしても、この作品が素晴らしいことは疑いようがない
序盤、マヒトが自然の中の魔法の要素を徐々に発見していくと同時に、新しい環境を探索し適応していく姿は、より悲しくより不安なバージョンの「となりのトトロ」のようなものです
この作品はスタジオジブリが築き上げてきた全ての集大成です
9/10

 

 

Guardian

「少年とサギ」には擬人化された動物、魔女のようにも見える小さなおばあちゃん、魅力的な食事シーンなど、宮崎監督の特徴が全て揃っている
宮崎作品には驚きはほとんど残っていないが、それでも心地よい抱擁のように感じられる
3/5

 

 

Next Best Picture

焦点がぼやけていることが多いため、「少年とサギ」の奥深さを完全に解き明かすには、1回の鑑賞では十分ではありません
これは悲しみの向こう側への冒険であり、人生の終わりについての考察に満ちています
これは悲劇的で美しい循環であり、人生を経験する価値のあるものにするのに役立ちます
これは心の痛みとどう向き合って生きていくかを語っています
「少年とサギ」は宮崎駿のもっとも個人的で芸術的な映画の1つであり、時間が経つにつれて豊かさが増していくでしょう
8/10

 

 

IGN Movies

オリジナルの邦題「君たちはどう生きるか」は、「少年とサギ」というタイトルよりずっといい
本質的に悲しみと喪失の物語と結びついており、「愛する人を失った後、君たちはどう生きるか?」という方がより正確だろう
これは若い世代に宛てた手紙で、空想は楽しいが、くよくよするべきではないと主張している
たとえ悪化し続けている世界に腹を立てているとしても、現実と向き合わなければならない
宮崎駿はスタジオジブリが映画を作っている時代に私たちが生きていることがどれほど幸運かを思い出させてくれる、驚くべきアドベンチャーでその輝かしいキャリアに、完璧なピリオドをもたらした
9/10

 

 

 

 

観客のレビュー

「宮崎駿監督の絶対的な魔法の映画。この作品には他の多くのジブリ映画の要素が含まれていますが、新しいものも追加されています。その全容を理解するには、もう一度見る必要があります」

 

「『君たちはどう生きるか』という質問の答えを期待している人は、ガッカリするかも知れない。答えを持っているのはあなた自身です。このような情報社会の中で、事前情報なしにこれを見ることができ、非常に満足しました」

 

「宮崎監督のおそらく最後の作品は、独特の新しいものとして際立っていると同時に、過去の作品に目を向ける夢のような精神的な旅です」

 

「死と生の神秘性と神聖さで想像力を養う芸術の傑作」

 

「明確な物語の意味や答えは提供されません。自分はどう生きるか、考えさせられる物語です。したがって万人向けではないかも知れません」

 

「この映画は宮崎駿自身の体験に基づいた自伝的要素が強い。それにもかかわらず、彼のメッセージは普遍的であり、時間と空間を超えて多くの人々に共感を与える。数多くのオマージュを自己言及することで、宮崎監督は過去との決別を暗示しているが、それは悔い改めるというよりも、より前向きで再創造的なものに見える」

 

「トロント国際映画祭で見ましたが、これ以上に素晴らしい映画はなかったと思います。この映画は本当に宮崎監督の集大成のように感じました」

 

「私はジブリの大ファンで、宮崎監督の全ての映画をそれぞれ何十回も見ています。しかし、悲しいことに、彼の最新作『君たちはどう生きるか』には失望したと言わざるを得ません。この映画にはあまりにも多くのものが急いで詰め込まれており、深く理解するのに十分な余地がありません。簡単に言えば、理解するのが難しいです」

 

「とても気に入ったので、劇場で2回見ました。この世界には悪意が溢れていることを知りながらも、マヒトが虚構ではなく現実の世界で生きることを選択する結末には、心を打たれました」

 

「残念ながら本作も熱狂的なファンの期待に、応えることができなかった。初期の作品が恋しいです」

 

「日本に行った時、東京のimaxで見ました。最高です。事前情報を公開せずに、誰もが純粋に映画を楽しめるようにしたのは天才的で、とても魔法のような体験をもたらしてくれました。本当に宮崎作品の集大成のような気がするし、(おそらく)彼の白鳥の歌になると分かっていて観るとさらに感動します」

 

「宮崎駿自身の物語としては理解できるが、ジブリアニメとしては期待を超えるものではなかった」

 

「『少年とサギ』は現代の偉大なストーリーテラーの1人による魅惑的な冒険物語です。多くの奇妙な要素が層を重ね、深みと創造性を加えた、時空を超えた幻想的で感情的な旅。宮崎監督の最高傑作ではないかも知れないが、他のほとんどの映画よりも優れています。久石譲による美しい音楽と共に、非常に想像力豊かで面白くてゴージャスな体験を味わえます」

 

「宮崎監督が描きたいことを詰め込みすぎていると感じました。もっと整理されてまとまった物語が見たかったです。最高の映画ではないし、ベスト5にも入らない。しかし、全体的には美しい映画で、私は楽しみました」

 

「これは最高の作品ではないかも知れないが、『少年とサギ』には宮崎自身がとても赤裸々に描かれている。私たちはこの夢と狂気の王国に別れを告げなければならないが、それはどういうわけか、神聖な畏怖と胸が詰まるような切なさを感じずにはいられない」

 

「宮崎駿の映画を見たことがないなら、『少年とサギ』から始めることはお勧めしません。『千と千尋の神隠し』や『もののけ姫』がいいでしょう。それらの映画を気に入ったなら、『少年とサギ』も楽しめると思います、これは宮崎駿の最高傑作ではありませんが、彼の作品リストに非常に良い追加作品となりました」

 

「私はこれを字幕なしで見たので、正しく評価することは出来ませんが、凄いです。たくさんの映像や情景が、脳裏に焼き付けられました。冒頭のシーンで涙を流し、残りの部分では常に感動していました。巨匠の最後の作品を初日に大きなスクリーンで見ることができて、本当に幸運だと思います」

 

「宮崎作品はどれも懐かしさとともに、まるで夢の中で同じ風景を歩いたかのような既視感を感じさせます。この映画は生と死、世界の陰惨な残酷さ、それでも希望を持ち、残されたわずかな美しさにしがみつきたいという願望のように感じました」

 

「これが本当に宮崎駿の最後の作品だとしたら、傑作を次々と生み出した偉大な監督のキャリアは、おそらく可能な限り最高の作品のひとつで終わることになると思う」

 

「『少年とサギ』は今年最も美しい映画の一つであり、喪失と家族についての信じられないほどの叙事詩です。宮崎監督の作品を今も目の当たりにできることは、私たちにとって何と幸運で光栄なことでしょう」

 

「私とガールフレンド(宮崎駿の熱狂的なファン)は、トロント国際映画祭の入場チケットの懸賞で当選し、『少年とサギ』の初日上映を見られるという通知を受け取りました。私たちは喜びのあまり、倒れそうになりました。彼女は泣いていました。しかし、最高の服を着て劇場に着くと、一緒には座れないことが分かりました。この特別な時を一緒に過ごせないのは、とても残念に感じました。するとガールフレンドの隣に座っていた人が、席を交換してくれました。この映画と同じように、人生は予測不可能で恐ろしいですが、美しくもありますね」

 

 

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コメント

  1. 匿名 より:

    まあ庵野秀明の師匠だし、こういう作品を作る下地はあった
    評価も予想出来たものではあるが

  2. 匿名 より:

    おじいちゃんがおっさんに向けた物語

    主人公は若いが、時代設定が古いため、今の若者に共感できるように作られていない

    宮崎による、爺さんには至っていないけど、もう生き方を模索するのは辞めてしまったような中高年の、特に男性にピンポイントで焦点を当てたメッセージ性の強い作品

    いうなら、今の日本を今まさに牽引している大人たちに向けた手紙というかポエム

    刺さる人間はとことん刺さり、逆に刺さらない人間にはかすりもしない

    主観的評価は 99/100 客観的評価は 80/100

    客観的評価が低い理由は、明らかに子供や若い女性なんかには主人公の価値観がわからないから

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