「銀河英雄伝説 わが征くは星の大海」はアメリカでは、ビデオでリリースされた
日本での公開は1988年2月6日
累計発行部数1500万部を超える田中芳樹による傑作小説「銀河英雄伝説」
その1988年12月から発表されたOVAシリーズに先駆けて作られた劇場版
後に英雄として、並び称されることとなる2人、銀河帝国軍のラインハルト・フォン・ミューゼルと自由惑星同盟軍のヤン・ウェンリー
2人の初めての対決が描かれる
原作小説の刊行40周年を記念して、2022年12月に4Kリマスター版でリバイバル公開された
大長編アニメ「銀河英雄伝説」の最初の劇場版
果たして海外ではどういう評価をされているのか?
「銀河英雄伝説 わが征くは星の大海」
遥か未来、人類は銀河帝国と自由惑星同盟に分かれ、終わりのない戦いを続けていた
宇宙暦795年、19歳の若き帝国軍大将ラインハルト・フォン・ミューゼルは、遠征軍を率いてイゼルローン要塞に向かっていた
到着を目前とした時、ラインハルトに要塞に接近しつつある自由惑星同盟軍艦隊を迎撃せよ、との指令が届く
イゼルローン要塞司令官のミュッケンベルガー元帥は、皇帝の側室に迎えられた姉の威光によって出世を果たしている「生意気な金髪の孺子」と、ラインハルトを目の敵にしていた
ミュッケンベルガーはラインハルトを亡き者にするつもりだった
長旅で兵士たちは疲れているが、指令を無視するわけにはいかない
ラインハルト艦隊は同盟軍艦隊が潜んでいるという「惑星レグニツァ」へ向かった
レグニツァはガス状の惑星で、レーダーや計器類は役に立たなかった
ラインハルト艦隊は不意に至近距離で、同盟軍艦隊と遭遇した
その敵艦隊の旗艦には作戦参謀として乗り込んでいるヤン・ウェンリーの姿があり…………
原作は田中芳樹の小説「銀河英雄伝説」
ラインハルトを演じるのは堀川亮
ヤンは富山敬
キルヒアイスは広中雅志
アッテンボローは井上和彦
監督は石黒昇
海外の評価
アメリカでは「Legend of the Galactic Heroes: My Conquest is the Sea of Stars」のタイトルでリリースされた
現時点でのIMDbのスコアは7.7/10
メディアの評価
Nefarious Reviews
この映画ではヤンとラインハルトの最初の出会いが描かれます
銀英伝の世界に戻ってくると、休暇で家に帰り愛する人たちとリラックスしているような快適な気分になります
そして、シリーズをもう一度最初から見始めたいという誘惑に駆られます
この「わが征くは星の大海」では普通の帝国兵士の視点が挿入されます
「銀河英雄伝説」を通して私たちはヤンとラインハルトの偉大さを見てきましたが、普通の人々にとっては生きて家に帰れるかどうかだけが重要です
こういった描写は世界構築の上で、非常に興味深い
アニメーションはOVAシリーズよりクォリティが高く、サウンドは非常にいい
オーケストラが彩るクライマックスの戦いは、壮大で素晴らしかった
この映画は必見です
Star Crossed Anime
この映画は全ての始まりであり、OVAの第1話がリリースされる約半年前に公開されました
クリエイターは主人公だけでなく脇役、さらには一見重要ではない傍観者にも個性を与えています
会話は知的でよく書かれており、キャラクターとプロットの両方を肉付けする優れた仕事をしています
私がこの映画に対して抱いている批判の一つは、主人公2人を賢く見せるために、彼らの上官を頑固な愚か者として描いていることです
しかし、それさえもやりすぎというほどではありません
宇宙の戦いに関しては巨大な艦隊が奥行きをもって描かれていると同時に、ダイナミックなカメラワークと分かりやすい状況説明によって、見ごたえのあるものになっています
この映画はその後のOVAの前日譚にすぎませんが、特別なものです
82.5/100
Anime-Planet
この映画のアニメーションは、シリーズよりも鮮明で奇麗に見え、スムーズな動きを実現しています
また戦艦もアニメーションのおもちゃではなく、本物に見えます
サウンドは第4次ティアマト会戦で流れるモーリス・ラヴェルの「ボレロ」が、劇的な効果を生み出しています
キャラクターは主人公であるラインハルトとヤンでさえ、詳細は描かれません
無能な指揮官たちはさらに一面的に見えます
とはいえ、この短い映画ではそれで十分でしょう
この映画は銀英伝の熱烈なファンたちにアピールすると思います
シリーズをすでに視聴済みでも、再びあの世界に浸ることができます
まだキャリアの初期のラインハルトやキルヒアイスが見られることは、興味深いことでした
6.5/10
観客のレビュー
「私はかなりの数のアニメを見てきましたが、銀河英雄伝説に匹敵するものはありません。この映画も良いですが、OVAも本当に素晴らしい。見始めると止まらなくなります」
「最初はマンガから入りました。とても良かったので、この映画も見てみました。イントロムービーだったにもかかわらず、すごく良かったです」
「スケールは壮大で、劇中で流れるクラシックも効果的。SF好きなら、絶対にこの映画を気に入ると思います」
「前日譚とは知らずに、シリーズを全て見終えてから、この映画を見ました。シリーズを見ている間ずっと、ラインハルトとヤンがどうしてお互いのことを知っていたのか疑問に思っていましたが、謎が解けました」
「もう少し長ければ良かったとは思いますが、それでもとても良いです。シリーズの素晴らしい導入部として機能しています」
「銀河英雄伝説は政治的陰謀、複雑なキャラクター、そして緻密なチェスゲームのような艦隊の戦いで満たされたスペースオペラです。この映画はその序章でわずか1時間ですが、全体が非常によく構成され、アクションとキャラクター描写のバランスが絶妙です」
「この映画から銀英伝の世界にどっぷりハマりました」
「私は戦争ものがあまり好きではないので、この60分の映画がこんなに楽しめるとは思いませんでした。キャラクターもアニメーションも良くて、何より戦略が優れています」
「映画の大部分に動きはなく、ほとんど男たちが会話しているだけ。何だか映画というより、ラジオドラマのように感じました。それでもストーリーは面白く、脚本は良かったし、クラシック音楽が流れるクライマックスの戦闘シーンは大興奮でした」
「2人の天才の戦いの始まり。交響楽団は銀河戦争に非常によく合います」
「確かにこちらが先なのですが、この映画の最大の魅力は、OVAのファンにとってのノスタルジー要素だと思います。最初に見た時と、シリーズを全て見た後では、映画の見方がまるで変わります。ラインハルトもヤンも、この頃はまだ無名でした。後継作に比べると地味な物語ですが、それでも何か壮大な物語の始まりのように感じます」
「ラインハルトを画面上で見るたびに、長い間眠っていた私の腐女子としての本能がうずくのを感じます」
「その後のシリーズへの素晴らしい導入です。おそらく宣伝的な意味合いの強い作品ですが、素晴らしいアニメ映画になっています」
「ボレロが流れるクライマックスの戦闘は最高でした」
「知的な宇宙での戦闘と興味深いキャラクターとクラシック音楽は、畏敬の念を抱かせます」
「銀河英雄伝説は私のもっとも好きなアニメです。そしてこの映画は、シリーズを開始するのに最適です」
「最初に見るのはこれがいいと言われて、この映画を見ました。おそらくキャラクター紹介や世界観の説明で、終わってしまうだろうと予想していました。代わりに私が見たのは、興味深い艦隊による大規模な戦闘と、非常にタイトな60分でした。続きを見るのが、とても楽しみです」
「この映画はOVAシリーズの優れた前編です。しかし、60分と短く、シリーズにあった政治的な陰謀や独裁主義対民主主義のような深いテーマは、わずかに示唆されるだけです。あくまでシリーズのサンプルにすぎないと考えた方がいいと思います」
「小説もOVAシリーズも見ていません。これは何か壮大な物語の始まりのように感じます。そして間違いなくスペースオペラです」
「ヤンがアッテンボローを壁に押し付けるシーンはドキドキした」
「このシリーズを一度も見たことがなかったのですが、映画は素晴らしく、登場人物も気に入ったので、すぐにもっと見たくなりました」
「映画が良かったので続きが見たいですが、エピソードが110もあると聞くと躊躇しますね…………」
「蘇る銀英伝の思い出。完璧ではありませんが、この1時間の映画は視聴者に世界観とキャラクターを上手く紹介しています」
「シリーズを全て見てから、映画を見るという間違いを犯してしまいました。とはいえ、これはこれで楽しい。アニメーションのクォリティも、5段階ぐらい上でした」
「ヤンは怠け者で、恋愛に無知で、大きな野心もなく、ただ1日中ベッドで寝て、紅茶を飲みたいだけです。本当に最高のキャラクターです」
「伝説的なOVAへの素晴らしい入門書。この映画を見終えたら、あとはOVAに45時間費やすだけで終わります」
「目にも耳にも魅力的な、優雅なスペースオペラ。スケールの大きさが気に入っています。2人の主人公が今後、どんな活躍をするのか、とても楽しみです」
「誰かに銀河英雄伝説を紹介するのに最適な映画。この映画を見終えると、すぐにOVAをインターネットで探してしまいました」
「素晴らしいシリーズの見事なオープニング。OVAから何年も経って、この映画を見ましたが、スタッフがどれほど巧みに小説を映像化しているかには驚かされます。本当に素晴らしい」
「伝説はここから始まった!!」
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コメント
OVA全話を含めても、シリーズ中で最高に偉大でカッコイイ
トリューニヒト閣下を拝めるのはこの映画だけ
たしかに1時間作品なので物足りなく思うのはやむを得ない。
元はあくまでもビデオシリーズの為のプロモーションでした。それ故設定など一部が本編と矛盾してしまうし、映像美にこだわってイゼルローン要塞をデス・スターから流体金属の外壁にした為に本編でやや苦労する事になりますが、劇場版として作られたのでかなり高いクオリティで、艦隊戦がフルCGの新作と比べても遜色ないセルアニメになっている。
シリーズが始まるまで数年かかり、本編では作画崩壊の批判もあろうが、これが一本二千円で隔週に2話ずつ配送されるアニメ、しかし数百名に及ぶ声優と、ほぼ一社のスポンサーで賄われていたのを考えたら致し方ない。
クライマックスはやはりボレロが流れる「第四次ティアマト会戦」首藤剛志氏はクラシック音楽にこだわる方でしたが、作品の格を上げています。
ヤンがアッテンボローを「壁ドンしている」という発想は無かったなあ(笑)
ちょっと重箱の隅をつつくと、宇宙暦567年は誤植か、知らない人のコピーだったんだな。
この年は785年、帝国と同盟が初めて戦ったダゴン会戦が640年、同盟建国が527年だからね。
このミスは初めて知った。
蛇足。
帝国歴と間違えたんだろうか