「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」はアメリカでは、2002年9月24日にDVDとして発売された
日本での公開は1997年7月19日
1995~96年に放送され社会現象を巻き起こしたTVアニメーション「新世紀エヴァンゲリオン」
その最終2話をリメイクした第25話「Air」と第26話「まごころを、君に」で構成される
ファンからは旧劇場版とも呼ばれている
「シン・仮面ライダー」も公開された庵野秀明監督の代表作である「新世紀エヴァンゲリオン」の完結編
果たして海外ではどういう評価をされているのか?
「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」
最後の使徒だった渚カヲルを自らの手で殺したことで、碇シンジは心を閉ざしてしまう
一方、ゼーレは「人類補完計画」を発動しようとするが、NERVの碇ゲンドウはこれを拒否
両者は決別してしまう
ゼーレはNERV本部を押さえるために戦略自衛隊を投入
NERV職員は次々と銃弾に倒れ、施設は破壊されていく
一方、復活した惣流・アスカ・ラングレーは、EVA弐号機で戦自を撃退
そんなアスカをEVA量産機が襲い掛かり…………
碇シンジを演じるのは緒方恵美
綾波レイは林原めぐみ
惣流・アスカ・ラングレーは宮村優子
葛城ミサトは三石琴乃
総監督は庵野秀明
アニメーション制作はProduction I.GとGAINAX
海外の評価
アメリカでは「The End of Evangelion: Episode 25′: Love is Destructive/One More Final: I Need You」のタイトルで発売された
現時点でのIMDbのスコアは8.1/10
ロッテントマトの批評家支持率は90%、観客支持率は85%となっている
メディアの評価
Common Sense Media
深遠で不穏で美しい
これはアニメの傑作ですが、大きな注意点が1つあります
「The End of Evangelion」は元のテレビシリーズを見ていることが、前提となっています
日本の声優の演技は信じられないほどで、悲痛で絶望的にキャラクターを完全に押しつぶします
原作兼総監督の庵野秀明は、人間の破壊的な性質を明らかにするビジョンに、執拗に取り組んでいます
NERV本部襲撃シーンはまるで地獄のようでした
本来ならスリル満点のはずのメカファイトでさえ、陰鬱で絶望的です
また、この作品でキャラクターの内面は、外面と同じぐらい重要です
後半のシンジが内面と向き合うシーンは、スタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」のスペクタクルに匹敵しました
5/5
Sci-Fi Movie Page
「The End of Evangelion」はより冒険的なものを見たいと思っている人にお勧めです
ただし、これを見る前にテレビシリーズをチェックしてください
Hyperallergic
「新世紀エヴァンゲリオン」はこれまでで最も人気のある日本のアニメシリーズでしたが、10年以上に渡って絶版となっていました
Netflixに登場したことで、初めて米国で合法的にストリーミングできるようになった
1997年夏に日本で公開された「The End of Evangelion」は、シリーズの悪名高い最後の2話をリメイクしたものです
しかし、庵野はプレッシャーに屈して、ファンが望むものを単純に与えたりはしませんでした
むしろシリーズでもっとも暗く、凄惨なものとなっています
映画の最終幕はテレビシリーズのフィナーレで行われた全てのことを倍増させ、実験的な手法を通じて哲学的な域にまで達します
それでも、この映画はつまらない作品ではなく、むしろシリーズのテーマを深めています
その目的は単に観客に衝撃を与えることではなく、彼らを目覚めさせることにありました
観客が娯楽に求めている暴力は空虚なスリルであり、現実逃避の中に充実感を見出すことはできないというものです
シンジの唯一の希望は「悪者」を打ち負かすことではなく、人々に心を開くことでした
PopMatters
このシリーズは極端ではありますが、大部分が思春期そのもののメタファーです
シンジは彼のモンスターの無制限の暴力を恐れているだけでなく、それと簡単につながることも恐れています
「The End of Evangelion」は最高ではないにしても、これまでに作られた最も痛烈なアニメ体験の1つです
io9.com
私はテレビシリーズの最終回は、エヴァンゲリオンの最高の結末だと思っています
だから、この「The End of Evangelion」を楽しみはしましたが、テレビシリーズ最終2話の文学的及び主題的な深みに到達してさえいないと思います
確かにアニメーションは美しくて、ファンも納得のクォリティです
けれど、オリジナルのエヴァンゲリオンほどの深みはありません
「The End of Evangelion」の問題は、それが怒りから来ているように感じられることです
テレビシリーズの資金不足やファンの抗議などを、庵野秀明はどうやら苦々しく思っていたようです
誰もが死に、世界は終わります
虚無主義的で人類への絶望に満ちていて、正直言って、ちょっとうんざりします
テレビシリーズの結末は、シンジは自分の問題を受け入れ、もっと希望に満ちたものでした
初めて見た時、私自身が精神的にかなり参っていたので、自分の欠点や問題を受け入れて乗り越えることができると、必死に信じたかったのかも知れません
そんな個人的理由があったにせよ、私はオリジナルの結末の方が好きです
Cultured Vultures
うつ病を正確に描いた映画はわずかしかありません
公開から20年経った今でも、「The End of Evangelion」はその数少ない映画の1つであり、おそらく映画の中でもっとも強力な例です
映画はシンジが自分の人生には価値があり、現実は完璧ではないが、生きていないよりはましであることを受け入れて終わります
「The End of Evangelion」は素晴らしい映画ですが、私たちの社会の多くに影響を与える問題を、強く正確に表現した数少ない堅実な映画の1つでもあります
Little White Lies
たくさんのアクションに満ちた映画であり、庵野がこれまでに監督した最高の映画の1つです
アスカの最後の戦いは、特に素晴らしい
しかし、映画の中で最も驚くべき瞬間のいくつかは、後半にあります
シンジへの様々な心理的攻撃が、映画のそれぞれの壁を徐々に崩壊させ、ついには現実世界とアニメの境界線まで壊します
これは庵野の以前のアニメーション作品と、彼の様々なジャンルからの影響との融合の産物であり、実写作品でさらに発展させる実験的な感性です
4/5
観客のレビュー
「シリーズの初心者がこれを見ようとすると、ショッピングモールで迷子になった子供のようになります。これは厳密にシリーズのファン向けであり、期待を裏切りません。現状では、これは非常に満足のいく結論であり、ファンの切実な疑問に答え、新しい疑問を提示します」
「EVA量産機とアスカの戦いは、私が今まで見た中でもっとも視覚的に素晴らしい戦闘シークエンスです。戦いのエネルギーと凄まじさは、言葉だけでは伝えきれません」
「エヴァンゲリオンの物語の完璧な結末」
「おそらく私が今まで見た中でもっとも心をかき乱された映画です。ストーリーは素晴らしいですが、まるで悪夢のようです。映画全体が全てが間違っているような、不安な気持ちにさせられます」
「新世紀エヴァンゲリオンの元の結末は十分に良かったのですが、この映画は完全にその上を行っています。これは私が経験した中で、最高のフィクションの1つです」
「私のお気に入りの映画。素晴らしい映像に、よく描かれたキャラクター、見事な音楽、美しい結末」
「何が起こっているのか、全く理解できませんでした。これは最悪のアニメ映画かも知れません」
「新世紀エヴァンゲリオンのような作品は、他にありません。言葉では言い表せない映像体験です。この映画を見てください。後悔しない。10/10」
「アニメーションの傑作の1つであり、24年経った今でも卓越したアニメーション、編集、ストーリーを誇っています。シリーズでもっとも記憶に残る作品」
「今日までの私のお気に入りの映画。庵野秀明の作品は、うつ病、個性、自己アイデンティティの危機などのテーマを示しています。この映画のビジュアルとサウンドトラックは間違いなく素晴らしく、必見です!」
「The End of Evangelionはシリーズのファンが期待するものを提供します。この映画は最後まで答えより多くの疑問を生み出しますが、見るのは魅力的です。全体として、それは不可解ですが、多くの印象的な視覚的瞬間を伴う、示唆に富むフィナーレでもあります」
「楽しい経験ではありませんでした。キャラクターに愛着を持ち、ハッピーエンドを望むのなら、テレビシリーズのエピソード26でやめておいた方がいいと思います。この映画は悲劇的です。しかし、それを受け入れる準備が出来ているなら、ぜひこれをシリーズの決定的な結末にしてください」
「The End of Evangelionは他に類を見ないアニメーション映画としての地位を確立しています。それは悲痛でありながら、満足のいくものです」
「これは私が今までで最も不快に感じた映画であり、娯楽的価値はゼロです。絶対に避けてください!」
「頭からつま先まで芸術作品であり、偉大なカルトシリーズの信じられないほどの結末」
「この映画のように感じさせてくれるものは他にない」
「うーん、ちょっと処理する時間が必要です。いくつかの素晴らしいアニメーションとアクションがあり、そのアイデアは魅力的です。しかし、かなり厄介で荒涼とした映画で、オタクコミュニティに対する復讐が込められていることを否定するのは難しい」
「本当にすごい! オリジナルシリーズのファンなら誰にでもお勧めします」
「信じられないほど視覚的に印象的で、感情的な体験です。この映画で提示された哲学のいくつかには圧倒されました。本当に美しく、衝撃的で、恐ろしく、そして驚くべきものです。こんな映画は他にありません」
「全盛期のガイナックスと憂鬱な庵野秀明が、日本でしか成し得なかった映画の傑作」
「深くて、美しく、混乱させますが、シリーズの満足のいく結末です」
「アニメーションは素晴らしいが、まだ18歳の私が見るには早かった」
「私はアスカのファンで、この映画に不満です。スタッフが彼女にしたことは本当に酷い。それはあまりにも拷問で、最後にはシンジによって窒息させようとまでした(死ななくて本当に良かった)」
「テレビシリーズのエピソード25と26は完全に無視してください。それらは真の結末ではなく、満足のいく結末でもありません。The End of Evangelionはクリエイターが意図した真の結末です。テレビシリーズを24話まで見て、最後にこの映画を見てください」
「最初から最後まで傑作。映画にここまで心を揺さぶられたことは、かつてありませんでした」
「この映画は傑作以上のものであり、芸術作品です。人間の存在という主題に深く入り込むだけでなく、最高のアニメシリーズにより説得力のある結末を提供します」
「私のこの映画への唯一の不満は、英語の吹き替え声優です。彼らの多くはテレビシリーズと変更されており、非常に混乱しました」
「素晴らしい。庵野は確かに記憶に残るエンディングを提供しました」
「私はエヴァンゲリオンが大好きですが、望んでいた結末ではなかった。シリーズの多
くのことが未解決のままでした。それでも2号機と量産機の戦いは忘れられない」
「常に新しいものを発見できる幻想的な哲学映画」
「シリーズの適切な結末。それは確かに万人向けではありません。しかし、優れた演出、素晴らしいストーリー、そして驚くほど人間味のあるキャラクターが、そこにはあります。幅広い人気にもかかわらず、信じられないほど芸術的な映画です」
「真のマスターピース」
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コメント
当時観に行った。
映画が終わった後もみんなポカーンとカーテンの閉まったスクリーン眺めてた。
若い頃観て数日気が滅入ったけどなぜかDVDを発売即買った
自分でもこのラストはキツイわって思ってたけど人にこの映画の悪口言われると頭にきた
今観かえしてみた結果…やっぱこれ凄いわ
あの時代にこれ作る庵野は頭がおかしいとしか思えない
いい意味でも悪い意味でもこれもう本当すごい作品だわ
『魂のルフラン』という収穫を無視できないから、旧劇が忘れられることはないだろう。
呆然のエンディング。最初は意味が分からず当時7回観に行ったな。
つい最近、中3の娘が興味をもって観たいというので「絵が古いしキツいんじゃないかな」と言うと、それでも観たいと。一通り一緒に観たけど、やっぱり劇場版は刺激的だね。息つく暇も無い。
特にTVシリーズは自分も今観るのはキツいと最初は思ったけど、久々に観ても面白かった。
シンがあまりにも酷かったんで、こちらが見直されてますね。 2001年宇宙の旅と同様に映画史上で語り継がれる難解な問題作で傑作と言っても良いかな。
当時、“例のシーン”で(これ大丈夫なの?)と思いながら観ていたら、隣で固まってる小学生高学年とおぼしき少女2人に気づいて、自分で作った訳じゃないのに冷や汗かいたわ。
旧劇を見て心を抉られた同じ年齢でシンを見ていたらどうだったのかなと思う。
映画は個人的な体験だ。受け取る人間の事情も感性も同じ組み合わせは一つもないのだから。
僕という歪なパーツにエヴァは良く効いた。
悲鳴と感謝しかない。
「気持ち悪い」に関するディスカッションがまったくない点、
流石に時代を経て映画自体が飲み込みやすくなってる観がある。
また見てみようか
>私はテレビシリーズの最終回は、エヴァンゲリオンの最高の結末だと思っています
>テレビシリーズの結末は、シンジは自分の問題を受け入れ、もっと希望に満ちたものでした
自分もつい最近ネトフリで見返して同じ感想持ったわ
テレビ版ラストが一番現実に打ちのめされた人への応援メッセージになっててびっくりした
むしろ旧劇も新劇も蛇足な感じがする
これが今でも手抜きだ鬱だ言われてるのは本当に不幸だと思う
人生で最も何度も劇場に足を運んだ映画
特に難解に感じた訳でも特典があった訳でも無くだ。
感想者の一人が救いのない全滅ENDなどと言ってるのが非常に残念だ。望めばシンジのようにいづれ皆帰ってきて今までと同じになるとちゃんと言ってるし皆降りてきてるのに。