Netflix「もう終わりにしよう。」ネタバレ解説 エンディングの説明

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Netflixオリジナル映画「もう終わりにしよう。」
アカデミー脚本賞のチャーリー・カウフマン脚本・監督作品
海外でも非常に高い評価を得ている作品だ

ぶっちゃけ最初に見た時は「結局、どういうことだったの!?」と叫びたくなった
全く意味が分からなかった
そういう人は多いのではないだろうか?

しかし、その後で見直したり、いくつかの海外サイトを参考にしたことで、ある程度は自分の考えがまとまってきた
もちろん監督自らが明言したわけではないので、的を射ているかは分からない
ただ映画「もう終わりにしよう。」の一つの解釈として、参考にして欲しい

なお映画のネタバレ全開なのでご注意を!!

Netflixオリジナル映画 アカデミー脚本賞のチャーリー・カウフマン脚本・監督作品 ルーシーは恋人のジェイクの実家を訪れるが、次々と奇...
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映画「もう終わりにしよう。」とは?

雪の日に恋人ジェイクと共に、彼の実家へ車で向かった女性
だが、彼女の心は浮かなかった
ジェイクとは先がない
内心ではそう思っていたからだ

長いドライブの末、田舎にあるジェイクの実家に辿り着いた
しかし、女性の周りで次々と奇妙なことが起こり…………

原作はカナダの作家イアン・リードの小説デビュー作
現在20カ国以上で出版されている


もう終わりにしよう。 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

監督はチャーリー・カウフマン
スパイク・ジョーンズ監督の「マルコヴィッチの穴」で脚本家デビュー
「エターナル・サンシャイン」でアカデミー脚本賞を受賞
監督作品に「脳内ニューヨーク」、「アノマリサ」がある

女性

本編の主人公
最初はルーシーと呼ばれていた
だが、いつの間にかルイーザという名に変わる

奇妙なことはまだある

物理学を専攻する生徒
画家
老年学を学ぶ生徒
ウエイトレス

ジェイクが紹介するたびに、女性の職業がコロコロ変わるのだ

結論から言うと、この女性は存在しない
それは序盤から示唆されている
雪の中のドライブ
女性が助手席のミラーを開けると、鏡は割れている
それは彼女が存在しないこと
アイデンティティの欠落を象徴している

では、この女性は一体誰なのか?
それは夕食の時、女性自らがジェイクとの出会いとして語っている
バーにいると、ジッと自分のことを見ている男がいた
それがジェイクだったと
じれったくて自分の方から声をかけた
そうしてジェイクと付き合うようになった

実際はジェイクは声をかけられなかった
そのため本当は彼女のことを何も知らない
それで名前や職業がコロコロ変わるのだ

そのことは終盤、高校で用務員に女性が明言している
ジェイクを探しているという女性に、用務員がどんな見た目の男か尋ねる

「分からない。会ったのはずっと昔だし。わたしのことをジッと見てたの。キモい男。話したこともない。人生でいくつも起きるすれ違いの一つよ」

ジェイク

ジェイクと用務員は同一人物である
これは間違いないだろう

ジェイクの実家には地下室がある
彼は決して女性をそこへ入れまいとする
地下室はジェイクの潜在意識の象徴
女性が地下室に降りると、洗濯機の中にいくつも用務員の作業着を発見する

高校で足が濡れていると用務員が女性に差し出すスリッパ
女性が実家へ訪れた時、ジェイクが差し出したのと同じスリッパである

用務員

実家へ向かうジェイクと女性の会話の最中、いきなり年老いた用務員のシーンへと変わる
一人暮らし
寂しい生活
孤独な人生が垣間見える

この物語は全て用務員の頭の中で起こっていることである
ジェイクはおそらく自分の若かりし頃の象徴
自らのアバターである
では何故、用務員は頭の中でこんな物語を展開しているのか

本当は才能があるのに、誰にも認められない自分
不本意な仕事
恋人もいない
孤独な毎日

もう終わりにしよう

この作品のタイトルは、用務員の心の声である

用務員は人生の幕を自ら降ろすことに決めた
真冬の吹雪の夜
用務員は車に乗り込み、エンジンをかけない
極寒の中、意識が薄らぎ、用務員は幻を見る
そして、そこにウジの湧いた豚がいた

ウジの湧いた豚
ジェイクと女性が実家を訪れた時、言及されていた豚である
用務員は豚を追って、全裸で高校の中に入る(ここは妄想で、実際には入っていない)

豚が用務員に話しかける
「豚でも卑下する必要はない」

ウジの湧いた豚とは用務員自身のことなのだ

最期に望んだもの

高校でジェイクと女性が再会した時、ジェイクの姿をした俳優と女性の姿をした俳優が現れ、突然踊りだす
いきなり始まったミュージカルに誰もが呆然とするだろう
そのジェイクと女性は愛し合い、遂に結婚まで至る

昔、バーで会った名前も知らない女性
本当はこんな生き方もあったはずなのだ
だが、現実は違う
用務員の心に暗い思考が混じる

すると用務員の格好をした俳優が現れ、2人の仲を引き裂く
そしてジェイク(俳優)を刺し殺してしまう
結局、自分は愛を得ることが出来なかった
用務員(本人)は黙って、床に舞った雪を掃除する

クライマックス、高校の講堂で行われるノーベル賞授賞式
年老いたジェイクが壇上でスピーチをする
そこには両親も女性もいる

「私は探求の旅をしました。肉体と精神と妄想…………。そして発見しました。神秘的な愛の方程式の中にのみ、論理的理由が見つかる」

そして、ジェイクは歌いだす

「1人の女性を手に入れて、僕のものと呼ぼう」

用務員(ジェイク)が死の間際に悟ったこと
自分が本当に求めていたのはだった

翌朝、雪にすっかり埋もれた車を背景に、映画は幕を閉じる

まとめ

「もう終わりにしよう。」とは、孤独な男の死の間際の心の探求を描いた作品
そう考えて、自分の中ではスッキリした
もちろん他にも様々な解釈があるだろう
こうやって色々と妄想を膨らませるのも、映画の楽しみの一つだ

Netflixオリジナル映画 アカデミー脚本賞のチャーリー・カウフマン脚本・監督作品 ルーシーは恋人のジェイクの実家を訪れるが、次々と奇...
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