Netflix「パワー・オブ・ザ・ドッグ」ネタバレ感想 ベネディクト・カンバーバッチの演技が圧巻!!

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Netflixオリジナル映画
1920年代のモンタナ州で、カリスマ性があるが独善的な牧場主のフィルは、弟の新妻とその連れ子に冷たく接するが…………

ベネディクト・カンバーバッチが圧巻の演技を披露
息苦しくも濃密な人間ドラマ

監督は「ピアノ・レッスン」のジェーン・カンピオン
ベネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞している
美しく広大な風景
その中で嫉妬や不安、怒りなど人間の負の感情のドラマが繰り広げられる
粗暴で威圧的だが、聡明で知的でもある複雑な主人公を演じたベネディクト・カンバーバッチが素晴らしい
他のキャストも好演
見事なアンサンブルを生み出している
つねに漂う張り詰めた空気
物語がどこへ向かっているのか、全く予想がつかなかった
そして訪れる壮絶なクライマックス
見ごたえのあるドラマを求めている人は必見!!


予告編

『パワー・オブ・ザ・ドッグ』予告編 – Netflix

作品情報
作品名「パワー・オブ・ザ・ドッグ」(原題The Power of the Dog)
監督:ジェーン・カンピオン
キャスト:ベネディクト・カンバーバッチ、キルステン・ダンスト、ジェシー・プレモンス、コディ・スミット=マクフィー、フランセス・コンロイ、キース・キャラダイン
上映時間:127分
製作国:アメリカ、イギリス、ニュージーランド、カナダ、オーストラリア (2021年)

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ざっくりあらすじ

1920年代のアメリカのモンタナ州、カリスマ性があるが独善的な牧場主のフィルは、弟の新妻とその連れ子を毛嫌いし、冷たく接するが…………

感想(ここからネタバレ)

安定のベネディクト・カンバーバッチ!!

亀裂

1925年のモンタナ州で、フィル・バーバンクは弟のジョージと広大な牧場を経営していた
フィルは独善的だが有能なリーダーで、弟のジョージは内向的で穏やかな性格だった
ある日、兄弟は牛を市場に連れていく途中で、宿屋に立ち寄った
そこは未亡人のローズと息子のピーターが経営していた
フィルは女々しい態度のピーターを見て嘲笑った
一方、ジョージはローズに強く惹かれた

ジョージはフィルに内緒で、ローズとの結婚を決めた
怒り狂うフィル
牧場にローズがピーターと共に越してきた
フィルは2人に敵意を向けて、冷酷に接した
ローズはフィルを恐れて、避けて暮らすようになった

牧場を支配しているフィル
ローズはその抑圧された生活に耐えきれず、次第に酒びたりになって…………

作品解説

原作はトーマス・サヴェージの同名小説

夫婦役を演じるキルステン・ダンストとジェシー・プレモンスは、実生活でも夫婦

本作の舞台はモンタナだが、撮影はジェーン・カンピオン監督の故郷のニュージーランドで行われた

ジェーン・カンピオンは「ピアノ・レッスン」で、女性監督としては初めてカンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた

ベネディクト・カンバーバッチ

牧場主のフィル・バーバンクを演じる
粗暴で威圧的だが、知的で音楽もたしなむ
イエール大卒の秀才でもある
牧場では有能なリーダー
弟の新妻ローズをアバズレだと、敵意をむき出しにして…………

「SHERLOCK シャーロック」、「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」、「ドクター・ストレンジ」、「エジソンズ・ゲーム」

聡明だが独善的な男を演じたら、ベネディクト・カンバーバッチの右に出る者はいない!!

本作はまさにはまり役
マッチョだが繊細という複雑な役を、見事に演じている
こんなにカウボーイ役が似合うとは意外だった

ジェシー・プレモンス

フィルの弟ジョージを演じる
兄とは違い穏やかで優しい性格
牧場のことはフィルに頼りっぱなし
フィルに無断で結婚を決めたことで、家の中がギクシャクし…………

ジェシー・プレモンスは「アイリッシュマン」や「バイス」に出演
Netflix映画ではチャーリー・カウフマン監督の「もう終わりにしよう。」に出演している

Netflixオリジナル映画 アカデミー脚本賞のチャーリー・カウフマン脚本・監督作品 ルーシーは恋人のジェイクの実家を訪れるが、次々と奇...

キルステン・ダンスト

未亡人のローズを演じる
一人息子のピーターを溺愛している
ジョージと結婚するが、その兄のフィルに冷酷に扱われる
そのストレスで次第に酒に溺れるようになり…………

キルステン・ダンストはサム・ライミ監督の「スパイダーマン」3部作で、ヒロインのMJを演じた

西部劇

本作は1920年代のモンタナ州を舞台にした西部劇である
しかし、銃撃戦などはいっさい描かれない

男らしさの象徴であるカウボーイ
特に主人公のフィルは、まさにカウボーイを体現したような人物だ

溢れ出るカリスマ性
タフな精神
女々しいものへの嫌悪

威圧的で独善的な面はあるが、働き者で有能なリーダーである
牧場で働く者は、誰もがフィルに敬意を示す

まさに西部の男という印象のフィル
だが、次第にフィルの知られざる秘密が明らかになっていく
男らしさの正体とは何なのか?
この作品は西部劇という神話の真実を暴いて見せる

人間ドラマ

牧場に嫁いできたローズ
そのローズにぞっこんのジョージ
そして、そのローズを忌み嫌うフィル

雄大な自然の中で描かれる人間の負の感情
嫉妬、恐れ、怒り、嫌悪
ジェーン・カンピオンはキャラクターの内面を、容赦なく炙り出していく
つねに緊張感が漂い、見ていて息苦しくなった
これほど濃密な人間ドラマは久しぶりだ

男の強さ

フィル、ジョージ、ローズ
本作はこの3人のドラマだと思っていた
ところが後半になると、ジョージとローズは影が薄くなる
代わりに前に出てくるのが、ローズの息子ピーター

華奢で男らしさとは無縁
喧嘩など出来そうになく、カウボーイたちからはお嬢さんと馬鹿にされている
しかし、あることがきっかけで、フィルとピーターは親密になっていく
この展開には驚かされた

ピーターのことを弱いと見下していたフィル
だが、この作品でもっとも強い男とは、本当は誰だったのか?
衝撃のラストに、見ていてゾッとした

まとめ

濃密で濃厚な人間ドラマ
役者たちのアンサンブルが、見事な効果を生んでいる
暴かれる男らしさの正体
非常に見ごたえのある一作だ

The Power of the Dog (2021) on IMDb

Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/the_power_of_the_dog
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/379378

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