映画「バンブルビー」感想と解説(ネタバレあり) 史上初のハートウォーミングなトランスフォーマー!!

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「トランスフォーマー」シリーズ初のスピンオフである
バンブルビーと少女との友情
これまでと違いハートウォーミングな物語となっている
とはいえ、アクションにも手は抜いていない
派手な見せ場が用意されている
舞台は1987年のカリフォルニア
バンブルビーはなぜ地球に来たのか?
どうして喋れないのか?
そういった理由も明らかになる
本作はとてもとっつきやすい作品となっている
「トランスフォーマー」シリーズは肌に合わないという人も、気軽に見てみるといいだろう


予告編

映画『バンブルビー』日本版予告

作品情報
作品名「バンブルビー」(原題Bumblebee)
監督:トラビス・ナイト
キャスト:ヘイリー・スタインフェルド、ジョン・シナ、ジョージ・レンデボルグ・Jr.、ジェイソン・ドラッカー
上映時間:114分
製作費$135,000,000(IMDb推定)
製作国:アメリカ(2018年)

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ざっくりあらすじ

孤独な少女チャーリーは廃品置き場で廃車寸前の黄色い車を見つける。それを気に入ったチャーリーは、家に持って帰り修理する。すると突然、その車がロボットに変形し始めた………………

感想(ここからネタバレ)

1億3500万ドルとこれまででもっとも安価な「トランスフォーマー」作品らしい
それでも十分高いんだけど!?

出逢い

父親を亡くしたショックから立ち直れずに、チャーリー・ワトソンは孤独な日々を送っていた
18歳の誕生日、チャーリーは廃品置き場で廃車寸前の黄色い車を発見する
その車をなぜか気に入ったチャーリーは、店主と交渉し譲り受ける
家に乗って帰り、修理しようとしたところ、急にその車が変形しロボットになった
驚愕し逃げ出すチャーリー
しかし、そのロボットは怯えているようだった
害意がないと判断したチャーリーは、ロボットにコミュニケーションを試みる
そうして少女とロボットの間に、信頼関係が芽生えていった
チャーリーはそのロボットを”バンブルビー”と名付けた

だが、バンブルビーを追って2体の凶悪なトランスフォーマーが地球に接近していた………………

登場人物

チャーリー・ワトソン
18歳の少女
元飛込競技の選手だったが、父の死がきっかけで引退
周囲と馴染めない孤独な日々を送っている
演じるのはヘイリー・スタインフェルド

代表作

「トゥルー・グリット」
コーエン兄弟監督の西部劇
ヘイリー・スタインフェルドはオーディションで1万5000人の中から選ばれた
父の敵討ちを誓う健気な少女を熱演
14歳にしてアカデミー助演女優賞にノミネートされた

ジャック・バーンズ
セクター7に配属されている少佐
演習中にバンブルビーに遭遇
それ以来、目の敵にしている
演じるのはジョン・シナ

ギレルモ・“メモ”・グティエレス
チャーリーの近所に住んでいる黒人の青年
彼女に気があるが奥手で、なかなかアプローチできない
演じるのはジョージ・レンデボルグ・Jr

監督

トラビス・ナイト
これまで「コララインとボタンの魔女」などアニメーターとして活躍
実写を手掛けるのは「バンブルビー」が初めて
父親はナイキの創業者フィル・ナイト

代表作

「KUBO クボ 二本の弦の秘密」
中世の日本を舞台とした少年の冒険
トラビス・ナイトの初監督作品である

「トランスフォーマー」シリーズ

1980年代に人気を博した日米合作のアニメを実写化
大人気シリーズとなった
マイケル・ベイ監督のド派手な演出とギャグが炸裂
ロボットへの滑らかな変形シーンは衝撃的だった

個人的には2作目ぐらいまでは楽しく見れたのだが、だんだんと食傷気味になり、興味が失せていった
そんなシリーズに新たな風を吹き込んだのが「バンブルビー」だった

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新たな要素

マイケル・ベイの「トランスフォーマー」はとにかくド派手だった
何体ものトランスフォーマーが入り乱れ、市街地で大暴れする
大掛かりな見せ場の連続
それはそれで楽しかったのだが、5作も続けられるとさすがに飽きた

この「バンブルビー」では登場するトランスフォーマーは少ない
クライマックスも敵は2体しか出てこない
しかし、そのことで余計な情報が削がれて見やすくなった
そして、今までのシリーズともっとも違うのは、チャーリーとバンブルビーのエモーショナルな部分が最重要視されていることである
ハートウォーミングな「トランスフォーマー」など考えもしなかった
この辺りは監督の個性の差がはっきりと出ている

類似作品

この「バンブルビー」を見ていると、いくつもの名作が脳裏をよぎる


「キング・コング」
ヒロインとモンスターの心の触れ合いをエモーショナルに描いた
強大な力を持ったものと少女の交流
チャーリーとバンブルビーにも通じる


「E.T.」
こちらは少年と異星人の交流
それだけではなく「バンブルビー」には、80年代のスピルバーグ作品を彷彿とさせる部分が随所に見られる

また作品の中で何度も言及される作品がこれ

「ブレックファスト・クラブ」
ジョン・ヒューズ監督の青春映画の傑作
これも80年代作品である
この映画のラストシーンをバンブルビーが真似するところは、ニヤリとさせられた

また本作は宮崎駿作品からの影響も見られる
「ルパン三世 カリオストロの城」のオープニングのカーチェイスとそっくりなショットがあった
そもそもルパンの乗っていた黄色いフィアットはバンブルビーの車によく似ている

またクライマックスで怒りで瞳が真っ赤になるバンブルビーの姿は、「風の谷のナウシカ」王蟲のようだった

「バンブルビー」は様々な映画的記憶を呼び起こされる作品となっている

冒頭のアクション

今回のトランスフォーマーはアクションが控えめらしい
そう油断していたら、いきなりド派手なシーンから始まって驚き
オートボットディセプティコンの戦い
オプティマスプライムも姿を現す
そして若いバンブルビー

なんと普通に喋ってる!!

このオープニングシーンはトランスフォーマーのファンは狂喜する場面だろう

地球へ脱出したB-127(バンブルビー)
カリフォルニアに降りたバンブルビーは、追ってきたディセプティコンにボイスボックスを破壊されてしまう
何とか敵を撃退したが、バンブルビーは深いダメージで記憶も失ってしまった

なぜバンブルビーだけが喋れないのか?

1作目からの謎がこうして明らかになった

ヘイリー・スタインフェルド

チャーリー・ワトソンを演じたヘイリー・スタインフェルド
特筆すべきはやはり彼女の演技の素晴らしさだろう
大好きな父親が死んだショックからいまだに立ち直れないチャーリー
ところが母親は新しい恋人を作り、弟も一緒になって楽しくやっている
そのことがチャーリーには信じられない
父が死んでから自分は笑顔を忘れてしまった
そんな時にバンブルビーと出会った

バンブルビーと信頼関係を築いていくうちに、次第に明るさを取り戻していくチャーリーが魅力的
そして、様々な騒動で家族も心から自分を心配してくれているのだと気づく
チャーリーはようやく世界を受け入れられるようになった
「バンブルビー」はチャーリーの映画でもあるのだ
ここまで人間のキャラクターが中心となった「トランスフォーマー」は、シリーズでも初めてだろう
ヘイリー・スタインフェルドはそんなチャーリーを見事に演じている

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バンブルビー

もともとバンブルビーは1作目でも最初に主人公のサムが出会ったトランスフォーマーだった
ちょっと血の気の多いキャラばかりのトランスフォーマーたち
その中でバンブルビーはピュアでちょっとお茶目な印象が強かった
そういった魅力は本作で十分に発揮している

バンブルビーはボイスボックスを破壊され、喋ることが出来ない
だからジェスチャーラジオで一生懸命意志を伝える
そのことが愛らしさの一因になっているのだ
誰もがバンブルビーを一家に一台欲しいと思うことだろうええーっ

また変形シーンもさらに滑らかでスムーズに洗練されていた
それを見ているだけでも楽しい
いつものように大量のトランスフォーマーを出さなくても、バンブルビーだけでも十分に魅力を引き出せていた
一台に焦点を当てたのは正解だったのかも知れない

シリーズの今後

少々マンネリ化の傾向があった「トランスフォーマー」シリーズ
興行成績も下がり気味だった
批評家にも絶賛された「バンブルビー」
果たしてシリーズを復活させることが出来たのか?

正直、それについては懐疑的である
この手の物語は一作こっきりしか作れないだろう
次からはまたいつも通りの「トランスフォーマー」が始まる
そうなると意味がない

とはいえ次回作はリブート版になると言われている
果たしてシリーズが生き残れるか
次こそが正念場になりそうだ

まとめ

「トランスフォーマー」シリーズ初のスピンオフは上々の出来だった
キャラクターの心情を中心に描いたからだろう
とはいえ一作こっきりの打ち上げ花火になりそうな気もする
これからシリーズがいい方向に向かうのか
答えが出るのは次回作だ


Bumblebee (2018) on IMDb


Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/bumblebee
allcinema
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=365009

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