映画「ダイ・ハード」(1988) あの名作の驚きの裏話まとめ!!

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もっとも面白いアクション映画は何だろうか?
色々な意見があるだろう
しかし、1988年に公開されたブルース・ウィリス主演の「ダイ・ハード」は、絶対に候補に挙げられるに違いない

クリスマス、ニューヨークの刑事ジョン・マクレーンは妻のホリーに会うため、ロサンゼルスにやってくる
ホリーは日系企業のナカトミ商事に勤め、夫と離れてロサンゼルスで働いていた
ナカトミビルで行われているクリスマス・パーティで再会するジョンとホリー
ところが些細なことで2人は口論になってしまう
ふてくされて1人で服を着替えているジョン
そんな時、パーティ会場にハンス・グルーバー率いるテロリストたちが、重武装で乱入してくる
ナカトミ商事の社員はホリーも含め、全て人質に取られてしまった
事態に気づき、ジョンは1人だけ難を逃れた
だが、このままではホリーが危ない
閉鎖された高層ビルの中で、ジョン・マクレーンの孤独な戦いが幕を開けた………………

「ランボー」や「コマンドー」など、当時は無敵のアクション・ヒーローが全盛だった
そんな時、突如現れた「ダイ・ハード」

主人公は普通の男
閉鎖された空間での1人対多数の戦い
戦闘力だけではなく、頭脳を駆使
伏線を張り巡らせた緻密なシナリオ
魅力的な悪役
ユーモア

全てが斬新だった
作品は大ヒットし、続篇も4本作られた
個人的には1こそ至高で、2以降はわりとどうでもいい(爆

「スピード」「ザ・ロック」「クリフハンガー」「ブロークン・アロー」「エアフォース・ワン」
後に影響を受けた作品が次々と作られた
「ダイ・ハード」はたった1作で新しいジャンルを築いてしまったのだ

ほとんど非の打ち所がないと思える名作
さぞ入念な準備と時間をかけ、万全な態勢で作られたのだろう

Netflixで「ボクらを作った映画たち」というドキュメンタリーが配信された
「ダーティ・ダンシング」「ホーム・アローン」「ゴーストバスターズ」など、過去の名作の裏話が語られたものだ
そのエピソードの内の1本が「ダイ・ハード」だった

正直、想像していた製作風景とのあまりの違いにビックリ
まさかこんな綱渡りで作っていたとは!!
「ダイ・ハード」がこれほどの名作になったのが、奇跡のように思える
ここからは「ボクらを作った映画たち」で語られた「ダイ・ハード」製作の裏話を紹介する
ただし「ダイ・ハード」本編のネタバレ満載なので、ご注意を!!

ブルース・ウィリス

「ダイ・ハード」は元々ロデリック・ソープの小説「Nothing Lasts Forever」(邦題は「ダイ・ハード」)を原作としている
これはフランク・シナトラ主演で映画化された「刑事」の続編である
そのため契約上は「ダイ・ハード」の主役はシナトラが演じる権利を持っていたが、彼は幸いにもオファーを断った

新たな主役探しは難航した
クリント・イーストウッド、アーノルド・シュワルツェネッガー、シルヴェスター・スタローン、バート・レイノルズ、リチャード・ギア、アル・パチーノ
人気アクションスターに片っ端から声をかけたが、全て断られた
その理由は隠れて助けを呼ぶ主人公が、あまりに情けなく見えたからだった
ガラスが足に刺さって泣く男なんて演じたくない

そうして浮上したのがブルース・ウィリスだった
ウィリスは当時「こちらブルームーン探偵社」でコメディ役者として人気だった
だが、あくまでTVスターだった
映画業界に乗り出し主演した「ブラインド・デート」「キャデラック・カウボーイ」はどちらも失敗した
そんなブルース・ウィリスに「ダイ・ハード」で提示された出演料は500万ドル
当時としては一部の大スターしか受け取れない破格のものだった
これはあまりにどのスターも引き受けてくれないので、苦肉の策だった

初めて「ダイ・ハード」の予告編が劇場で流れた時、ブルース・ウィリスのシーンで笑いが起こった
ウィリスはコメディ役者としてのイメージが強かったからである
また一部の観客はウィリスの起用にブーイングした
映画会社は慌てて「ダイ・ハード」のポスターからブルース・ウィリスを消し、高層ビルだけのものにした

「ダイ・ハード」といえばブルース・ウィリス
すっかりアクションスターとして定着している今では、考えられないことである

ジョン・マクティアナン

最初は「ロボコップ」のポール・ヴァーホーヴェンに監督をオファーしたが断られた
次に製作のジョエル・シルヴァーが目をつけたのが、「プレデター」でも組んだジョン・マクティアナンだった
だがマクティアナンは断った
テロリストの映画など作りたくなかったのだ
しかし、ジョエル・シルヴァーは諦めなかった
あまりのしつこさに、とうとうジョン・マクティアナンは根負けした
ただし自分の好きなように内容を変えさせてもらう

そうしてテロリストの設定が強盗になった
なぜなら強盗の方が格好いいから!!
そしてシリアスでハードだった内容に、笑いを取り入れた
テロリストがチョコを食べたり、主人公が泣き言を言ったりする
こうして「ダイ・ハード」はとても親しみやすい娯楽作品となった

アラン・リックマン

アラン・リックマン演じるハンス・グルーバー
強盗団のリーダー
一見紳士的だが、冷酷な悪役
ある意味「ダイ・ハード」のもう1人の主役といってもいいだろう

何とアラン・リックマンは「ダイ・ハード」が映画初出演
それまでは舞台を中心に活動していた
大抜擢したジョエル・シルヴァー凄い
アラン・リックマン自身は悪役のイメージが定着するのではと心配していたようだ

アラン・リックマンは普段は母国のイギリス英語だが、カリフォルニアなまりの英語も話せることが判明
そこで急遽、劇中でジョン・マクレーンとハンスが、対面するシーンが作られた
ジョンの前でアメリカ英語で話すハンス
観客はジョンが騙されるのではとハラハラ
屈指の名場面となった

クライマックスで高層ビルから墜落するハンス
演じるアラン・リックマンの恐怖の表情は本物である
落ちていくハンスの表情を撮りたい
その要求にアラン・リックマンは応じた
高さは13メートル
けっこうな高所だ
「3、2、1で落とすから」
アランはそう聞かされていた
しかし、スタッフはわざと3で落とした
おかげで最高にリアルな表情が撮れた
もちろんアラン・リックマンは撮影後に激怒した(笑)

ナカトミビル

物語の舞台となるナカトミビルをどうするか?
よし、目の前のビルを使おう
「ダイ・ハード」の配給は20世紀フォックス
ナカトミビルはフォックス所有のフォックス・プラザが使われた
映画と同じくフォックス・プラザもまだ工事中だった

ジョン・マクレーンがエレベーターのシャフトで、開口部を掴み損ねて滑り落ちるシーン
これはスタントマンのNGシーンである
失敗する予定ではなかったのだ
映画ではジョンは次の開口部を掴むが、スタントマンは一番下のマットまで墜落した
面白いので、NGシーンがそのまま使われた

撮影に使われたフォックス・プラザ
多くのオフィスが入っている
ところが銃撃戦の音がうるさくて仕事にならないと苦情が入った
仕方なく撮影は午後5時まで、大きな音は立てられなかった

ビルの上空を飛ぶヘリコプター
難しいシーンだ
監督は撮影に3日はかかるだろうと考えていた
ところが撮影の許可が下りたのは、たったの2時間
ミスなく一発で撮らなければならない
それが逆に功を奏したのが、実際の撮影はたった30分で終わった

シナリオ

この原作をシナリオにしてくれと頼まれた脚本家のジェブ・スチュアート
全くいいアイディアが出てこなかった
ある日、ジェブは妻と喧嘩
家を飛び出し、高速を車で走らせていた
運転しながらジェブは、今のは自分が悪かったと冷静になった
するといきなり目の前に冷蔵庫が転がっていた
ジェブの車は突っ込んだ
幸い怪我はなかった
その時、この物語は主人公が妻に謝る話だと、プロットが閃いた
ジェブは事務所に急行し、シナリオを書きあげた

アクションはいいが、もっと笑いが欲しい
監督の要望で、シナリオがジェブ・スチュアートから「48時間」や「プレデター」のスティーヴン・E・デ・スーザに引き継がれた
彼はユーモアのセンスがあった
撮影が始まった
完成しているシナリオは35ページ
残りはまだ99ページもあった

撮影は残り2週間を切った
ところがいまだにハンスたち強盗グループを、どうやってビルから逃がせばいいのか分からない
だが、スティーヴンはいいアイディアを思いついた
強盗グループは大きなトラックでやって来た
その中に救急車が隠されていたという設定はどうだろうか?
ビルの火災に乗じて、ハンスたちは逃げ出すのだ

こうして撮影は無事に終了
数日後、関係者だけの試写が行われた
ところが20分ほど経ったところで、皆が悲鳴を上げた
強盗グループがトラックから降り立つシーン
トラックの荷台の中が、バッチリ映っている
中には救急車どころか何もない
空っぽなのだ

これは批評家や観客から叩かれる
皆は恐る恐る監督の表情を伺った
ジョン・マクティアナン監督はきっぱりと言った

「よし!! 見なかったことにしよう!!」

こうしてそのまま映画は公開されてしまったのだった

まとめ

大爆笑のエピソードの連続
まさかこんないい加減に作られていたとは
それであの完成度なのだから、何が起こるか分からない
呆れるどころか、「ダイ・ハード」がもっと好きになってしまった
久しぶりに見返したい
とりあえず「ボクらを作った映画たち」はファンなら必見!!

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