Netflix「ガン・シティ ~動乱のバルセロナ~」感想 これぞ男の映画!!

最近、Netflixオリジナル作品が良作続きで困る
この「ガン・シティ ~動乱のバルセロナ~」も日本の劇場で公開されていても、何ら不思議のないクォリティである
列車から奪われた武器はどこへ消えたのか
スリリングなストーリーとギャング映画のようなアクションが楽しめる
そして、何より主人公が格好いい!!
見ごたえのあるスペイン映画である


予告編

作品情報
作品名「ガン・シティ ~動乱のバルセロナ~」(原題La sombra de la ley)
監督:ダニ・デ・ラ・トレ
キャスト:ルイス・トサル、ミシェル・ジェネール、ビセンテ・ロメロ、マノロ・ソロ
上映時間:126分
製作国:スペイン、フランス(2018年)

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ざっくりあらすじ

1921年、列車が襲撃され、軍の武器が奪われた。武器の行方を追って、マドリードからバルセロナに一人の捜査官が派遣された………………

感想(ここからネタバレ)

トレンチコートでタバコをくゆらせる男たち
いぶし銀の世界である
かつてのハリウッドのフィルムノワールを彷彿とさせる
スペインでこういう作品が作られるとは驚きだ

奪われた武器

1921年、列車から軍の武器が強奪された
72時間以内に犯人を見つけられなければ、軍が介入する
そうすると街は内戦状態になりかねない

そんな緊迫したバルセロナに、一人の捜査官がマドリードから助っ人として派遣される
その男の名はアニバル・ウリアルテといった
バルセロナの警察は腐敗していた
捜査を担当するレディウ警部は、列車の運転手を事件の犯人の一味とみなして拷問していた
血まみれになりながら助けを求める運転手
そもそも本当に犯人の一味かどうかも分からない

その男を警部は外に連れ出した
人気のない場所で再度尋問するが、男は知らないと言うばかりだ
警部の部下T.B.が男に銃を突きつけた

「待て。新入りにやらせろ」

全員がアニバルを見る
アニバルは躊躇なく男の頭を銃で撃ち抜いた

衝撃的な展開である
反吐が出るような腐り切った警察
だが、この主人公は違うのだと思っていた
正義の男で不正をただしてくれるのだと
それが無抵抗の男を撃ち殺したのだ
やはりこのアニバルも腐ったただの警官なのか?

キャラクター

アニバル・ウリアルテ
マドリードから派遣されてきた男
かつては戦場にいて、腕っぷしは強い
何か思惑がありそうだが………………?
演じるのはルイス・トサル

レディウ警部
武器強奪の事件を担当している
容疑者を拷問したり殺すことも躊躇しない
ギャングまがいのことをして私腹を肥やしている腐りきった男

T.B.
警部の片腕
楽しんで殺人をする危険な男

男爵
クラブ・エデンのオーナー
汚い仕事を取り仕切っている裏社会のボス

サラ
労働者の権利を訴えてストライキを起こすが、鎮圧される
その時、友人を失い絶望して、テロで世の中を変えようとする
演じるのはミシェル・ジェネール

サルバドール
サラの父親
労働組合のリーダー
暴力という手段に反対している

レオン
労働組合の若者
サルバドールのやり方を生ぬるいと批判し、暴力に訴えようとする

スペイン映画

最近、Netflixオリジナルでスペイン映画がよく配信される


「エレメンタリ ~鍛冶屋と悪魔と少女~」
昔話を基にしたファンタジー
鍛冶屋がヒーローというのが面白い
ヴィジュアルも素晴らしい出来
悪魔サルタエルのキャラが最高

「エレメンタリ ~鍛冶屋と悪魔と少女~」の感想はこちら


「ザ・ボス」
ある会社を舞台にしたコメディ
ワンマン社長と女性清掃員の心の交流
それに会社乗っ取りなどが絡み、なかなか楽しめる

「ザ・ボス」の感想はこちら

今までスペイン映画とはあまり縁がなかったが、どれもクォリティが高くて驚いた
まだまだ素晴らしい作品が埋もれていそうだ

クラブ・エデン

物語で重要な舞台となるクラブ・エデン
上流階級が集う華やかで豪華なクラブだ
本作に華やかさと彩りを添えてくれる

店のオーナーの男爵
裏社会を牛耳っている男
盗まれた武器のことも何か知っているかも知れない
アニバルたちは話を聞きに行くが、情報は得られなかった

このクラブでは様々な思惑や陰謀が渦巻いている
物語のクライマックスの舞台となるのもクラブ・エデンである

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アナーキスト

犯人として警察がもっとも疑っているのはアナーキスト(無政府主義者)たちだった
武器を奪って、革命を起こそうとしているのではないか?
アニバルは労働組合のリーダー、サルバドールの命を救うことで信頼を得る

「犯人はアナーキストではない」

サルバドールはそう言うのだった

労働組合も平和的なストライキで労働条件を改善しようとするサルバドールと、過激な行為で変えようとする若いレオンとで対立していた
サルバドールの娘サラはストライキで友人を殺されたことで、レオンと協力してテロで世の中を変えようとする
アニバルはサラと深く関わることとなる

脅威の長回し

この作品には3つの長回しシーンがある

①アニバルが初めてクラブ・エデンを訪れるシーン
建物の外から始まり、車で到着したアニバルたちをカメラが追い、そのまま建物の中を通り、踊り子たちの楽屋へ
花形であるローラを捉え、そのまま彼女についてステージへ
観客たちの前で歌と踊りを披露するローラ
そこまで4分以上をカットを割らずに描いている

②鎮圧部隊とアナーキストの乱闘
車から降りたアニバルが、襲ってくる鎮圧部隊やアナーキストたちを撃退して進んでいく
同時にサルバドールやサラやレオンが奮闘する姿を描いている
群衆の中に殺し屋が紛れていて、サルバドールを殺そうとする
間一髪のところで、アニバルがサルバドールの窮地を救う
3分もの長回し

③車の中で殺し屋に襲われるアニバル
後部座席に隠れていた殺し屋に襲われるアニバル
格闘する二人の姿を、カメラは車の周りをぐるぐると回りながら延々と描く
アニバルの銃が火を噴く
腹部を抑え車からよろけ出る殺し屋
座り込んだ殺し屋の隣にアニバルが座る
タバコに火をつけ、殺し屋に渡してやるアニバル
殺し屋は事件の真相を打ち明ける
そこまでを1カット
3分に及ぶ長回し

撮影の技術力もだが、それをやり遂げようという志の高さが凄い
どれだけの労力がこれらのカットにつぎ込まれたのだろう
スタッフも役者も一流である
しかも、これ見よがしではなく、ちゃんと効果的なシーンとなっている

アニバルという男

本作の最大の魅力はアニバルという主人公である
武器の行方を突き止めるためにマドリードから来た男
警部に命じられた通り無抵抗の男を躊躇なく射殺したり、逆に労働組合のサルバドールを救ったりする
この男の目的は何なのか?
善なのか悪なのか?
ミステリアスな男である

レオンたちと銀行を襲撃したサラ
だが、レオンは逃亡し、サラは捕まってしまう
警部たちに尋問されるサラ
暴力を振るわれ、T.B.に襲われそうになる
思わず反撃するサラ
銃を向ける警部たち

「その娘を放せ」

アニバルは警部に銃口を向けた

か、格好よすぎる!!
こんな渋い主人公、久々に見た気がする
これぞ男の中の男
強くて優しくて、まさに理想の男である

武器の行方

アニバルはサラと逃亡
そして、驚きの事実が判明する
アニバル・ウリアルテという人物は、スペイン警察のどこにも存在しなかった
あの男はいったい何者なのか?

アニバルは独自に動き、ついに事件の真相に辿り着く
軍の銃を強奪した犯人はアナーキストでもマフィアでもなかった
犯人はだったのだ
その武器をマフィアを通してアナーキストに渡し、犯人に仕立て上げる
これで軍がアナーキストを一掃する口実になる

アニバルはこの真相を大臣に伝えた
このアニバルという男は政府のエージェントだったのだ
いまならまだ軍の思惑を未然に防ぐことが出来る
だが、大臣は放っておけと言う

「君の仕事は終わりだ。マドリードへ帰れ」

アニバルはその大臣の命令を、聞き入れることが出来なかった

クライマックス

クライマックスはクラブ・エデンで激しい銃撃戦が行われる

父であるサルバドールを殺され、復讐を誓うサラ
労働組合は銃を持って立ち上がろうとする
盗まれた武器はクラブ・エデンにあった
サラやレオンは男爵と取引して、銃を受け取ろうとする
そこへ踏み込むアニバルたち

クラブの中で繰り広げられる激しい銃撃戦
マフィア、アナーキスト、警察が入り乱れて、凄まじい盛り上がりを見せる

サラの父親サルバドールを殺したのは仲間のレオンだった
そうすることで民衆を復讐に駆り立てようとしたのだ
雨の中、レオンを撃ち殺すサラ
そして、サラとアニバルに別れの時が来た
とても切ないクライマックスだった

まとめ

とても見ごたえのある作品である
スリリングなストーリー、魅力的な役者、アクション
スペイン映画の実力を見せつけられた
そして、何より主人公が格好いい!!
それだけで見る価値がある


La sombra de la ley (2018) on IMDb


rotten tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/gun_city

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