「ヘレディタリー/継承」感想と解説(ネタバレあり) ガチでヤバいホラー!!

これはヤバい
気軽に他人に薦められる作品ではない
かなり精神的にくる
相応の覚悟が必要だ
それにトラウマ必至のシーンがあるので注意
いまだに頭にこびりついて離れない
だが、本気でホラー映画を愛していると思うのなら、絶対に見ておくべき作品だろう


予告編

作品情報
作品名「ヘレディタリー/継承」(原題Hereditary)
監督:アリ・アスター
キャスト:トニ・コレット、アレックス・ウルフ、ミリー・シャピロ、アン・ダウド、ガブリエル・バーン
上映時間:127分
製作費:$10,000,000(IMDb推定)
製作国:アメリカ(2018年)



ざっくりあらすじ

祖母エレンが他界した。娘のアニーと夫と2人の子供。喪失感を覚えながらもグラハム一家は今まで通りの日常に戻ろうとするが、次々と奇妙な出来事が起こり………………

感想(ここからネタバレ)

どうでもいいけど「ヘレディタリー/継承」ってタイトル、覚えにくい

映画館のチケット売り場にて

「どの作品をご覧になられますか?」
「ヘ、ヘレ………………あ、あのあれ継承とかいうホラーのやつ」

その後、ロビーにて入場を待つ

「お待たせしました。18時上映の『ヘレデ………ヘレディタリー/継承』の入場を開始します」

映画館のお姉さんもちゃんと言えてない

ホラー映画のタイプ

ホラー映画には2種類ある
アトラクション感覚で恐怖シーンを楽しむホラー
観客はスッキリして映画館を出る

もう1つはガチの恐怖を描くホラー
観客は映画館を出ても気分がすぐれない

この「ヘレディタリー/継承」は明らかに後者である
ポップコーン片手に気軽にホラーを楽しもうとしている人は、言葉を失うこと請け合いだ

祖母の死

グラハム家の祖母エレンが亡くなった
娘のアニーと夫のスティーブ、息子のピーターと娘のチャーリー
喪失感を覚えながらもグラハム家の面々は、また元通りの生活に戻ろうとしていた

アニーの家系はエレンをはじめ代々精神疾患があり、自身も夢遊病に悩まされていた
子供たちにも受け継がれているのではないかと心配だ
エレンの遺品を整理していると「私を憎まないで」という自分へのメッセージが入っていた
アニーは怪訝に思いながらも、いつしか忘れてしまった

娘のチャーリーの言動がおかしい
見えないものを見たり、ふらふらと外を出歩いたりする
チャーリーはおばあちゃん子だった
祖母の死が影響しているのだろうか

ある日、高校生のピーターが友達のパーティーに行きたいと言い出した
アニーは妹を連れていくことを条件に許可を出す
友達の家に着くと、ピーターはチャーリーに適当に遊ぶように言って、自分は女の子と部屋でマリファナを吸っていた
チャーリーが具合が悪いと言って部屋に入ってきた
食べたケーキの中にナッツが入っていて、アレルギーが出たのだ
ピーターは病院へ車を走らせた
だが、途中で事故に遭い、チャーリーは死んだ
アニーは身を引きちぎらんばかりに嘆いた

その悲劇から家族の絆は崩壊していった………………

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キャラクター

アニー・グラハム
アーチストでミニチュアの製作に取り組んでいる
かつては夢遊病に苦しんでいた
母の死から立ち直るために、グループ・カウンセリングに参加している
演じるのはトニ・コレット

代表作

「シックス・センス」
一世を風靡したM・ナイト・シャマラン監督作品
ラストのどんでん返しが話題を呼んだ
トニ・コレットはハーレイ・ジョエル・オスメントの母親を演じ、アカデミー助演女優賞にノミネートされた

スティーブ・グラハム
アニーの夫
精神科医で穏やかな性格
演じるのはガブリエル・バーン

代表作

「ミラーズ・クロッシング」
コーエン兄弟の傑作
ガブリエル・バーンはボスの参謀で頭の切れるギャングを演じた

ピーター・グラハム
アニーの息子
高校生
やる気がなく、陰でマリファナを吸っている
演じるのはアレックス・ウルフ

チャーリー・グラハム
アニーの娘
生き物の首を切断したり、奇妙な言動が多い
祖母に懐いていた
演じるのはミリー・シャピロ

監督

アリ・アスター
本作が長編初監督
脚本に5年かかったとのこと
それぞれのキャラクターの詳細やバックボーンまで事前に用意した
トニ・コレットはアリ監督のことを「これまで出会った中で、もっとも用意周到な監督だ」と語っている

熱演

この「ヘレディタリー/継承」で目を見張るのは、主演のアニー役のトニ・コレットの演技
とにかくすさまじい
特にチャーリーが死んだ後の慟哭は鬼気迫るものがあった
というか幽霊より怖い
本作でトニ・コレットはアカデミー賞にノミネートされるだろうと言われている

「ローズマリーの赤ちゃん」

「ヘレディタリー/継承」を見て、もっとも近いと思ったのが「ローズマリーの赤ちゃん」である


ロマン・ポランスキー監督のホラー映画の名作
現代のニューヨークに悪魔信者が紛れ込んでいる恐怖
「ヘレディタリー/継承」に通じるものがある
そして、ローズマリーの産んだ赤ちゃんは………………
心底、ゾッとする物語である

ローズマリーの赤ちゃん (字幕版)

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チャーリーの死

アニーの娘、チャーリーの死
この場面は衝撃的だった
はっきり言って、トラウマ級である
今、思い出してもゾッとする
車から身を乗り出すのは絶対にしないと心に誓った!!
この悲劇がアニーたち家族をどん底に突き落とす

気になるのは、チャーリーの死は偶然だったのかということ
もちろん仕組まれたものである
ピーターとチャーリーがパーティーに向かう時、電柱にカルト集団の文字が刻まれているのが映される
その電柱でチャーリーの首が飛んだのだ

家族の崩壊

チャーリーを失ったグラハム家
アニーはピーターを許せなかった
チャーリーが死んだのは、ピーターの責任だ

重苦しく恐ろしい展開である
幽霊などで怖がらされる方がまだマシだったろう
家族の一員を失ったことで、残った家族の絆が深まる
そういう物語もある
だが、この作品は違う
物語は取り返しのつかない破滅へと転がっていく

アリ監督はインタビューで「ホラーの枠を借りて、家族の物語を描きたかった」と語っている
特に意識したのがこの作品だそうだ


「普通の人々」
ロバート・レッドフォード監督の名作
現代家族が崩壊していく様を描いている
レッドフォードは初監督でアカデミー作品賞と監督賞など4部門を受賞した

普通の人々 (字幕版)

この「ヘレディタリー/継承」でも家族の崩壊が、心霊現象などよりよっぽど恐ろしい

継承

祖母のエレンは悪魔崇拝のカルト集団のリーダーだった
アニーたち一家は悪魔パイモンを復活させるための依り代だったのだ

クライマックス、物語はいっきに非日常となる
異常な出来事の連続である

スティーブは全身火だるまになって焼死
アニーはワイヤーで自分の首を切り落とした
残されたピーターは2階の窓から飛び降りた
そうしてピーターは悪魔パイモンとして復活した
悪魔復活を祝う信者たち

とことん救いようのない結末である
何も悪いことしていないのに、なぜこんな酷いことに
だが、その不条理さこそがホラーである

映画が終わっても場内は静まり返っていた
自分たちが見せられたものは何だったのだろう?
他の観客も顔を見合わせている
フィクションの中だけでは終わらない不気味な何かがあった
とてつもなく嫌なものをこの作品から継承したような気分である

グラハム家に起こったことは何だったのか?
詳しい解説はこちら

先日、「ヘレディタリー/継承」の感想を書いた 本来ならそれで終わりのはずだった だが、数日たってもモヤモヤしている 結局、...

まとめ

ホラー映画の形を借りて家族の崩壊を描いた作品である
気軽にホラーを楽しみたいという人には不向きな映画だろう
しかし、そのドラマは見ごたえ十分
トラウマを植え付けられるぐらいだ
その場限りの恐怖ではない
心底、恐ろしいものを見てみたければ、この作品はお勧めである
ホラー映画の新たなスタンダードとして、今後も君臨し続けるだろう

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Hereditary (2018) on IMDb


rotten tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/hereditary
allcinema
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=365276



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