Netflix「JUNG_E/ジョンイ」ネタバレ感想 SFとドラマのハイレベルな融合!!

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Netflixオリジナルの韓国映画
内戦が続く未来の地球では、伝説の傭兵の脳データを複製し、最高の戦闘AIを開発しようとしていたが…………

SFとドラマの見事な融合
ハリウッドにも負けていないSF大作となっている

「新感染 ファイナル・エクスプレス」、ドラマ「地獄が呼んでいる」などのヨン・サンホ監督最新作
本格SFで驚いた
設定の作り込みが凄い
CGのクォリティもレベルが高かった
これだけのSF大作をアジアで生み出したことは、称賛に値する
また親子のドラマも感動的
前半は情報量が多すぎて、少しとっつきにくい部分はあった
しかし、中盤からはしっかり盛り上がる
クライマックスのアクションも凄まじい迫力
主演は10年ぶりの復帰となるカン・スヨン
彼女は2022年5月7日に亡くなり、これが遺作となった
韓国のSF大作はかなりのクォリティ
SF好きならチェックする価値があるだろう

予告編

『JUNG_E/ジョンイ』ティーザー予告編 – Netflix

作品情報
作品名「JUNG_E/ジョンイ」(原題정이)
監督:ヨン・サンホ
キャスト:カン・スヨン、キム・ヒョンジュ、リュ・ギョンス
上映時間:98分
製作国:韓国(2023年)

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ざっくりあらすじ

未来は内戦が続き、世界は荒廃していた。クロノイド社は戦争を終わらせるために、伝説の傭兵ユン・ジョンイの脳データを複製し、最高の戦闘AIを開発しようとしていたが…………

感想(ここからネタバレ)

韓国映画の勢いが凄い…………

未来の内戦

22世紀、急激な気候変動により、多くの人類が地球から脱出し、月のシェルターでの生活を余儀なくされた
一部のシェルターが自らをアドリアン自治国と宣言し、地球と他のシェルターに戦争を仕掛けてきた
連合国とアドリアンの内戦は40年続いた

そのアドリアン内戦で、ユン・ジョンイという英雄が生まれた
彼女は華々しい戦果をいくつもあげ、伝説の傭兵と呼ばれた
しかし35年前、ジョンイは最後の任務に失敗し、負傷して植物状態となった

クロノイド社はユン・ジョンイの脳データを複製し、最高の戦闘AIの開発を目指した
そのプログラムは”ジョンイ”と名付けられた
開発の指揮を執るのはユン・ソヒョン
ジョンイの娘だった

ユン・ジョンイが挑んだ最後の作戦
その時の脳のデータを基にした人工知能の開発
彼女の脳データを移植したアンドロイドによって、何度もシミュレーションを繰り返した
だが、何度試しても、その作戦でジョンイは生き残れなかった
これでは最高級の戦闘AIにならない
クロノイド研究所所長のキム・サンフンは成果が出ないことに焦っていた
このAIが完成すれば、内戦終結の決め手となるのだ

自分の母親の脳データを移植されたアンドロイド
それを見つめるユン・ソヒョンは複雑な心境だった
幼いソヒョンは病弱で手術が必要だった
母親はソヒョンのために戦場に出たのだ

お母さんは自分のことを恨んでいたのではないか?

ソヒョンはそう思い悩んでいたが…………

作品解説

撮影は2021年11月に開始され、2022年1月に終了した

製作費は約200億ウォン

脚本・監督は「新感染 ファイナル・エクスプレス」、ドラマ「地獄が呼んでいる」などのヨン・サンホ
この人の引き出しの多さには驚き

これぞエンターテイメント!! 最初から最後まで見せ場の連続 そして、ドラマ部分にも手を抜いていない ゾンビ映画が好きな人もそうでない人...
Netflixオリジナルの韓国ドラマ 地獄行きを宣告された人間が、謎の巨人に焼き殺される事件が相次ぐ これは”神の裁き”なのか? ...

ユン・ソヒョン

伝説の傭兵ユン・ジョンイの娘
現在は脳複製とAI技術を開発する研究所のチーム長
ガンに侵され、余命3ヵ月と診断されている
母親が死んだのは自分のせいだと、罪悪感を抱いているが…………

演じるのはカン・スヨン
86年の映画「シバジ」で、べネチア国際映画祭主演女優賞を受賞
韓国を代表する女優の1人で、本作が10年ぶりの復帰作だった
しかし、完成を見ることなく、2022年5月7日に脳出血で亡くなった
本作はカン・スヨンに捧げられている

ユン・ジョンイ

ソヒョンの母親
伝説的傭兵で、大衆の人気も高い
ずば抜けた戦闘能力を持っている
最後の作戦で失敗し、植物状態となるが…………

演じるのは「視線の向こうに」などのキム・ヒョンジュ
ヨン・サンホ監督とは「地獄が呼んでいる」でも組んでいる

キム・サンフン

クロノイド研究所所長
自己顕示欲の強い性格
会長を崇拝している
戦闘AIが完成しないことに焦りを感じているが…………

その正体はクロノイド社の会長の脳データを移植されたアンドロイド
だが、本人にはその自覚がない
演じるのは「梨泰院クラス」のリュ・ギョンス
他にも「地獄が呼んでいる」や「グリッチ-青い閃光の記憶-」などに出演

Netflixオリジナルの韓国ドラマ 恋人のシグクが失踪し、ホン・ジヒョは疎遠だった友人ボラの力を借りて、彼の行方を探すが………… ...

アジアのSF映画

SF映画は金がかかる
またマニアックで、観客に受け入れられないことが多い
そのためハリウッドでも最近では、スーパーヒーローもの以外のSF映画はあまり作られなくなってしまった

そんな中で韓国がやってくれた
本作はストーリーだけでなく、ビジュアル面でもかなりのクォリティ
CGも素晴らしかった
ハリウッドでも作られなくなったSF大作を、アジアで生み出す
その心意気が凄い
十分、称賛に値するだろう

また韓国のSF映画には「スペース・スウィーパーズ」があり、こちらも傑作

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AI

人工知能をテーマにした映画で代表的なのは「エクス・マキナ」
美しい人工知能とプログラマーの心理戦を描いたSFスリラーの傑作だった

「JUNG_E/ジョンイ」もAIをテーマとしている
人々は脳のデータをコピーし、アンドロイドに移植した
人類は永遠の寿命を手に入れた
肉体が滅んでも、脳データをコピーすればいい

ところが、ことはそんなに単純ではなかった
クロノイド社の会長は、脳データをアンドロイドに移植する
そのアンドロイドは自分の分身だ

しかし、たとえ同じ記憶を持ち同じ性格だとしても、会長には他人だとしか思えなかった
死にたくないという想いだけが強くなる
この辺りはかなり生々しかった

また本作で興味深いのはAIの人権問題が描かれていること
未来では脳データの売買が行われている
ユン・ジョンイの脳データの所有権はクロノイド社が持ち、いくらでも複製を生み出すことが出来る

人間に道具のように扱われるAI
彼らに人権は必要ないのか?
クローン問題にも通じるテーマで考えさせられた

親子

終戦が近づき、戦闘AIのプロジェクトが中止に決まった
クロノイド社はユン・ジョンイの脳データを、商品として売り出すことを決定した
AIをどう扱おうが自由
中にはいかがわしいことへの使用も検討されていた

母親のデータが好き放題に使われる
ユン・ソヒョンはそのことに耐えられなくなった
ソヒョンは母親の元のデータを消去し、アンドロイドを研究所から逃がそうとするが…………

親子の愛が感動的
SFとドラマ性が高いレベルで融合している
非常に見ごたえのある一作となっている

まとめ

韓国のSF大作
ヨン・サンホ監督の才能には脱帽
エンターテイメント性も高い
続々と誕生しているアジアのSF映画
ぜひとも日本も続いて欲しい

Jung_E (2023) on IMDb

Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/jung_e
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/386180

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