「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」あらすじとネタバレ感想 極上の本格ミステリー!!

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この作品は何を書いてもネタバレになりそう
一つ確かなのは、とにかく面白いということ
大富豪の謎の死
曲者ぞろいの親族たち
そして、名探偵登場
現代に本格ミステリーが蘇った
これがオリジナル脚本だというのだから凄い
ダニエル・クレイグやクリス・エヴァンスを始め、豪華なキャストが勢ぞろい
極上の演技が楽しめる
一筋縄ではいかないストーリーも見事
全く先が読めなくて、固唾を飲んで見守ってしまった
ライアン・ジョンソン監督の株が急上昇
ただ登場人物が多く、ストーリーも複雑に入り組んでいる
脳をフル回転できるように、万全な体調で見るといいだろう
ミステリー好きには文句なしにお勧め


予告編

映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』予告編(60秒)

作品情報
作品名「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」(原題Knives Out)
監督:ライアン・ジョンソン
キャスト:ダニエル・クレイグ、クリス・エヴァンス、アナ・デ・アルマス、ジェイミー・リー・カーティス、マイケル・シャノン、ドン・ジョンソン、トニ・コレット、クリストファー・プラマー
上映時間:131分
制作国:アメリカ(2019年)

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ざっくりあらすじ

世界的ミステリー作家ハーラン・スロンビーが遺体で発見される。警察は自殺として処理したが、名探偵のブノワ・ブランが現れて………………

感想(ここからネタバレ)

オリジナルの探偵ものなんて、久々に見た気がする

自殺か他殺か

世界的なミステリー作家ハーラン・スロンビーの遺体が、彼の豪邸で発見された
ハーランの85歳の誕生日パーティーが盛大に開かれた翌朝だった
彼は喉をナイフで切り裂かれており、警察は自殺として処理した

名探偵として知られるブノワ・ブランは、匿名の人物から事件の捜査の依頼を受けた
警察に協力してもらい、ブノワはハーランの親族からの聞き取り捜査を開始した
もしかしたら自殺に見せかけた殺人かも知れない

ハーランの長女で不動産を営むリンダ
その夫リチャード
ハーランの次男で彼の出版社を任されているウォルター
ハーランの孫で一族の問題児ランサム

彼らは皆が後ろ暗い何かを隠しているようだった
この一族には秘密がある
ブノワはハーランの友人の献身的な看護師マルタを助手にして、本格的な捜査を始めるのだが………………

ライアン・ジョンソン

「LOOPER ルーパー」「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」を手がけたライアン・ジョンソン監督
てっきりSF畑の人だと思っていたので、探偵ものを監督すると知って驚いた
デビュー作の「BRICK ブリック」も未見だがミステリーのようだ

正直「最後のジェダイ」のせいで、ライアン・ジョンソンにはいいイメージを持っていなかった
そのため、この「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」の評判の良さを疑問に思っていたのだが、見て納得
確かに面白い
ライアン・ジョンソン監督の才能を見くびっていたようだ

何より素晴らしいのはオリジナル脚本であること
公開される作品のほとんどがベストセラーの映画化や続編やリブート作という現状
そんな中でオリジナル作品、しかも推理もので勝負するが凄い
「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」でファンから叩かれたライアン監督だが、見事に作品で見返してみせた
ぜひシリーズ化して欲しい出来栄えである

正直言って惰性で付き合っている新3部作 ついにルークが表に出てくるエピソード8 果たしてスター・ウォーズ本編にふさわしい出来になったのか...

ブノワ・ブラン

名探偵
その言葉には無条件でワクワクする

シャーロック・ホームズ
エルキュール・ポアロ
金田一耕助
明智小五郎
御手洗潔

様々な難事件を解決するヒーローたち
その常人離れした頭脳に憧れた
だが、リアル志向が高まったのか、最近は映画ではほとんどその存在は見られなくなった

この「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」に登場する名探偵はブノワ・ブラン
演じるのはダニエル・クレイグ
ご存じジェームズ・ボンドである
だから、てっきりハードボイルドな探偵を予想していた
その予想はいい意味で裏切られた

ブノワはとても人間味がある男だった
どこかとぼけていて、意外と人情家
悪を憎む心を持ち、謎めいた部分も持っている
非情に魅力的な探偵だった

ダニエル・クレイグはジェームズ・ボンドを卒業したら、どうするのか?
そんな心配もしていたが、全く問題はなさそうだ

一族

クリス・エヴァンス、ジェイミー・リー・カーティス、マイケル・シャノン、ドン・ジョンソン、トニ・コレット
個性的な面々が大富豪一族を演じている
そのアクの強さには圧倒された

注目すべきはやはりクリス・エヴァンス
一族の問題児で放蕩息子のランサムを演じる
正義の男「キャプテン・アメリカ」にそんな役、ミスキャストでは?
そう思っていたが、意外とハマっていた
よく考えたらクリス・エヴァンスは「ファンタスティック・フォー」でも「セルラー」でもチャラい男を演じていた

殺されたハーラン・スロンビーの親族
この一族が本当に醜悪
つねに上から目線
誰もがハーランの財産目当て
自分の権利を主張するばかりで、相手と分かり合おうともしない

「この家族は現在の分断されたアメリカを象徴しているの」

そうジェイミー・リー・カーティスはインタビューで答えた

「この家族が心配」

最後のマルタの言葉は、ライアン・ジョンソン監督の本音だろう

マルタ

アナ・デ・アルマス演じる移民の看護師
ハーランに献身的に世話をしてきた
嘘をつくと吐いてしまうという体質を持つ
この作品で数少ないまともな人物

ハーランはマルタと囲碁に興じるのを楽しみにしていた
なぜ勝てないのかとぼやくハーランに、マルタが言う言葉が印象的

「あなたは勝つためにプレイしている。わたしはただ美しい模様を作ろうとしているだけ」

このセリフがマルタというキャラクターを象徴している

ハーランの遺言で莫大な財産を全て相続することになったマルタ
怒り狂う親族たち

「私の家、私のルール、私のコーヒー」

ハーランが愛用していたマグカップに書かれていた言葉である
ラスト、大邸宅のバルコニーから一族を見下ろすマルタ
手にしているのは、そのマグカップである
今までずっと見下ろされてきたマルタ
立場は逆転したのだ

ハーラン・スロンビー

殺された世界的なミステリー作家
演じるのは名優クリストファー・プラマー

一代で莫大な富を築き上げた叩き上げ
息子だろうが容赦なく首にする
その権力で親族を牛耳る冷徹な老人
ハーランは最初、そんな印象だった

ところが徐々にハーランの真意が明らかになる
自分に依存している子供たち
彼らは大切なものを見失ってしまった
このままでは駄目になる
自立させなければ

心優しく献身的なマルタに、ハーランは心を許した
全財産をマルタに譲る
それは子供たちを自立させるための荒療治でもあった
しかし、そのことがハーランに悲劇を招く

周到なミステリー

大富豪ハーランを自殺に見せかけて殺した犯人
一族は誰もが怪しい
犯人は誰なのか?

ところが事件の犯人と真相は、前半であっさり明かされる
不意打ちだったので、誰もが驚いただろう
あまりに意外過ぎる真実と犯人

全く身構えていないところに、突きつけられる真相
物語はいっきに様相を変える
先の展開が全く読めなくなる

「この謎はドーナツだ」

ブロアが言う

「真ん中がぽっかり空いている」

その穴には何があるのか
クライマックスの二転三転する展開は見事
ライアン・ジョンソン監督の手管に、まんまとやられてしまった

まとめ

極上のミステリー
脳をフル回転させて見たが、まんまと騙された
オリジナルでこれだけのものを作ったライアン・ジョンソン監督の才能は本物
ミステリー好きなら、至福の時間を味わえるだろう

1. 「アナと雪の女王2」 2. 「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」 3. 「フォードvsフェラーリ」 4. 「A Beaut...


Knives Out (2019) on IMDb


Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/knives_out
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/369949#weblinks

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