あの「メリー・ポピンズ」の55年ぶりの続編
さらにスケールの大きくなった歌や踊りを披露してくれる
前作を見た人なら懐かしさで頬が緩むこと間違いなし
ジュリー・アンドリュースに代わってメリー・ポピンズを演じるエミリー・ブラントは魅力的
続編としては及第点
逆に1作目を見ていない人は、満足には楽しめないかも知れない
予告編
作品情報
作品名「メリー・ポピンズ リターンズ」(原題Mary Poppins Returns)
監督:ロブ・マーシャル
キャスト:エミリー・ブラント、リン=マニュエル・ミランダ、ベン・ウィショー、エミリー・モーティマー、コリン・ファース、メリル・ストリープ
上映時間:131分
製作費:$130,000,000(IMDb推定)
製作国:アメリカ(2018年)
ざっくりあらすじ
大恐慌時代のロンドン。大人になったマイケルの前に、再びあのメリー・ポピンズが姿を現す………………
感想(ここからネタバレ)
「メリー・ポピンズ」は大好きで、思い入れのある作品である
僕が初めて「メリー・ポピンズ」を見たのは、思い返すと去年の9月(ごく最近じゃねーか!!
とにかく劇中で流れる曲が素晴らしい!!
娯楽作品としても満足のいく出来
というわけで、55年ぶりの続編に期待していたのだが………………
メリー・ポピンズ、再び
時は大恐慌時代のロンドン
バンクス家の長男マイケルは大人になっていた
妻を失い、3人の子供を育てるマイケル
姉のジェーンも手伝ってくれるが、家の中は荒れ放題
お金もなく、生活は火の車
しかも悪いことに、銀行の融資の返済期限が間近に迫り、家まで失う大ピンチに陥っていた
途方に暮れるマイケル
そんな時、空から風に乗って、メリー・ポピンズが舞い降りてきた
20年前と変わらぬ姿に驚きを隠せないマイケルとジェーン
メリー・ポピンズは当然のように、子供たちの世話をしに来たと言うのだが………………
マイケルがいかに困窮に陥っているかを描く序盤
そこに空から満を持してメリー・ポピンズが降りてくる
とにかくメリー・ポピンズの登場シーンが素晴らしい
いよっ、待ってました!!
そう思わず声をかけそうになった
映像も前作と比べリアルになったので、非現実的な場面なのだが全くチープじゃない
技術の進歩を思い知らされる
登場人物
メリー・ポピンズ
優雅でしつけに厳しい魔法使い
20年ぶりにバンクス家の子供たちの教育係として、空からやって来た
演じるのはエミリー・ブラント
代表作
「ボーダーライン」
麻薬戦争の過酷な実態を描いた衝撃のクライムアクション
エミリー・ブラントは現実に翻弄されるFBI捜査官を演じた
ドゥニ・ビルヌーブ監督の傑作である
ジャック
メリー・ポピンズの友人
陽気な街灯点灯夫
演じるのはリン=マニュエル・ミランダ
マイケル・バンクス
かつてわんぱくだったマイケルも大人に成長した
父や祖父が働いていたフィデリティ銀行で臨時の仕事に就いている
妻を亡くした悲しみを引きずっている
演じるのはベン・ウィショー
007のQ役でも有名
ウィリアム・ウェザーオール・ウィルキンズ
マイケルの勤める銀行の頭取
窮地に陥ったマイケルに親身になってくれるが………………
前作に登場したドース・ジュニアの甥
演じるのは名優コリン・ファース
監督
ロブ・マーシャル
「パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉」といった大ヒット映画のほか、舞台演出家・振付師としても活躍
監督は「メリー・ポピンズ」の大ファンとのこと
本作でも前作同様、実写とアニメーションを組み合わせたシーンがあるが、監督はスタジオの反対を押し切って手描きアニメにこだわった
代表作
「シカゴ」
アカデミー作品賞に輝いたロブ・マーシャルのデビュー作
最高に面白いミュージカルの傑作
前作「メリー・ポピンズ」
融通の利かない頑固な父親
やんちゃでワガママな子供たち
そんなバンクス家に空からメリー・ポピンズが教育係としてやって来た
まごうことなき名作
確かに50年以上前の作品で古めかしい部分はある
だが、「チム・チム・チェリー」「お砂糖ひとさじで」「2ペンスを鳩に」「凧をあげよう」など名曲のオンパレード
そう、時を経ても名曲は色あせないのだ
また絶体絶命の窮地から全てが上手くいく大団円のカタルシスも凄い
家族の絆を取り戻し、皆で笑顔で凧を上げるバンクス家
誰にも気づかれることなく寂しく去っていくメリー・ポピンズ
ハッピーエンドなのにどこか切ないラストシーンも印象的
「メリー・ポピンズ リターンズ」を見る前に見直しておくと、より楽しめるだろう
「ウォルト・ディズニーの約束」
そして「メリー・ポピンズ」を見たなら、絶対に見ておくべきなのがこの作品
トム・ハンクスとエマ・トンプソン主演で「メリー・ポピンズ」制作秘話を映画化したものである
気難しい原作者P・L・トラバースと何とか「メリー・ポピンズ」を映画化したいウォルト・ディズニー
名作の裏でこんな壮絶な物語があったとは驚きだ
メリー・ポピンズが本当に救いに来たのは誰なのか?
その答えを知った時、大きな感動が押し寄せる
名曲誕生までのエピソードも楽しい
「メリー・ポピンズ」好きなら絶対に外せない1本である
メリー・ポピンズの魅力
子供たちを救うために空から傘をさして降りてくる
映画を見る前のメリー・ポピンズはそんなイメージだった
毒にも薬にもならない面白みのないキャラクターに違いない
だから、実際に映画を見た時、メリー・ポピンズが考えていたのと全く違っていて驚いた
プライドが高く、つねに上から目線
しつけに厳しく、子供たちへの態度も素っ気ない
でも要所要所ではきっちり子供たちを喜ばせる
そして懐かれても、決して馴れ合いはしない
何とも格好いいハードボイルドなヒロインだったのだ
メリー・ポピンズの大きな魅力は何を考えているのか分からないところ
そのミステリアさが素晴らしい
あくまで子供たちと一定の距離を保とうとするメリー・ポピンズ
彼女の真意は何なのか?
実は子供たちとの別れが辛くなるのを恐れてのことだった
結局、自分は家族にはなれないのだから
そんな人間らしい感情も併せ持ったメリー・ポピンズ
前作のジュリー・アンドリュースも素敵だったが、クールさはエミリー・ブラントの方が際立ち、こちらも良かった
本作を彩るナンバー
前作「メリー・ポピンズ」は名曲ぞろいだった
1本の映画にここまで名曲が揃うとは奇跡とすら思えた
そして本作「メリー・ポピンズ リターンズ」
こちらもなかなかの曲が揃っていた
個人的に気に入ったのは冒頭に登場の「愛しのロンドンの空」やしんみりした名曲の「幸せのありか」
そして場面的にももっとも盛り上がったのは「本は表紙じゃわからない」
実写とアニメの融合
派手な演出もあり、とても楽しいシーンとなっている
曲もとても良かった
しかし、個人的にもっともテンションが上がったのが、前作の名曲「お砂糖ひとさじで」や「2ペンスを鳩に」や「凧をあげよう」などのメロディがかかる場面
やはり思い入れがあるので仕方ないのかも知れない
残念な部分
前作「メリー・ポピンズ」と今回の「メリー・ポピンズ リターンズ」
比べたらどちらが面白かったか?
正直に答えたら前作の方である
もちろん技術が向上し、前作で見られたようなチープな場面は、「リターンズ」ではほとんど見られなくなった
だが、ストーリーは前作の方が面白かった
やはり大きかったのは父親の存在だろう
前作の父親は石頭で融通が利かない嫌な奴だった
だからこそ心を入れ替え家族と絆を取り戻していく姿が感動的だった
それに比べて「リターンズ」のマイケルは基本いい奴である
メリー・ポピンズとも旧知の仲なので衝突はほとんどない
どちらかというと「リターンズ」では、現実に疲弊しきったマイケルが子供の心を取り戻していくまでが主眼となっている
ん? 同じような展開、どこかで………………
「プーと大人になった僕」と同じじゃん!!
ディズニーはそのパターン、多用しすぎ!!
嫌いではないんだけど、連発されるのはちょっと………………
「メリー・ポピンズ リターンズ」のトリビア
〇ドース・ジュニアを演じるのは前作でその父親とメリー・ポピンズの友人バリーを演じたディック・バン・ダイク
ディック・バン・ダイクは93歳だが年齢より若く見えるので、老けて見えるようにメーキャップした
〇ラストシーンで風船を渡す老婦人を演じるのは「ガス燈」などで有名なアンジェラ・ランズベリー
実は彼女は前作でメリー・ポピンズ役の有力候補だった
この風船の婦人役を最初に打診されたのはジュリー・アンドリュースだったが、「エミリーの邪魔をしたくない」と断った
〇1作目とその続編の間が55年というのは最長記録である
まとめ
「メリー・ポピンズ」の55年ぶりの続編
多少の不満はあったものの良作だった
何よりあの”ほぼ完璧な魔法使い”メリー・ポピンズにもう一度会えたのが嬉しい
「メリー・ポピンズ」ファンはぜひ大画面でご覧になっていただきたい
メリー・ポピンズ リターンズ(オリジナル・サウンドトラック)(デラックス盤)
rotten tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/mary_poppins_returns
allcinema
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=365402
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