Netflix「ロ・ギワン」ネタバレ感想 炎の中に飛び込むような純愛!!

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Netflixオリジナルの韓国映画
ベルギーで日々を生きるのに必死な脱北者のロ・ギワンは、生きる希望を失った1人の女性と出会い…………

過酷な現実の中でもがきながら生きるロ・ギワンの姿に胸を打たれる
恋愛映画とひと言でくくれない深みのある作品

凄い映画だった
映画としてはまさに「SSR」級
北朝鮮を脱出しベルギーへ渡ったギワンのあまりに過酷な日々に、完全に圧倒された
言葉も通じず、お金もなく、尊厳を踏みにじられる日々
ギワンの過去も壮絶
あれ? これって恋愛映画じゃなかったの!?
脱北者のリアルをオブラートに包むことなく、ありのまま描いている
それでも自分を捨てず、真っすぐ生きるギワンの姿に感動
そして出会う1人の女性
その出会いも凄かった
恋愛映画としても珠玉の出来栄え
ソン・ジュンギは魂のこもった演技
完全にロ・ギワンになりきっていた
早くも今年のベスト1候補
見るには覚悟が必要な必見作だ

予告編

『ロ・ギワン』予告編 – Netflix

作品情報
作品名「ロ・ギワン」(原題로기완)
監督:キム・ヒジン
キャスト:ソン・ジュンギ、チェ・ソンウン、チョ・ハンチョル、キム・ソンリョン、イ・イルファ
上映時間:133分
制作国:韓国(2024年)

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ざっくりあらすじ

北朝鮮を脱出しベルギーへ渡った青年ロ・ギワン。しかし、異国での生活は言葉も通じず厳しかった。そんな時、ギワンは生きる希望を失った1人の女性と出会い…………

感想(ここからネタバレ)

まさに魂のこもった作品…………

「ロ・ギワン」

北朝鮮を脱出した青年ロ・ギワンは、単身でベルギーへ渡った
知人もなく、言葉も通じない異国
ギワンの唯一の希望は、ベルギーで難民認定されることだった
しかし、審査は厳しくて、ギワンは2ヵ月待たされることになった
それまでこの国で生き延びなければならない

ベルギーでの日々は過酷だった
ギワンは住むところがなく、公衆トイレで夜を過ごした
職を得ることもできず、瓶を集めて小銭を稼いだ
母親から受け取った財布とお金だけは、使わずに大切に取っておいた

ある夜、ギワンは公園で若者たちに襲われた
ボロボロになったギワンは、コインランドリーに辿り着き気を失った
そんなギワンのそばに、1人の女性が近づいた
彼女はギワンの懐から財布を盗み、店を出て行った

全ては店の防犯カメラに映っていた
犯人は捕まり、ギワンは警察で事情を聴かれた
財布を盗んだのは、イ・マリという韓国系ベルギー人の女性だった
ギワンは財布を返すようにマリに詰め寄った
マリは自分の罪が軽くなるように嘘の証言をするなら、財布を返すと言い出し…………

作品解説

原作は2019年に出版されたチョ・ヘジンの小説「ロ・ギワンに会った」

監督は本作がデビュー作となるキム・ヒジン
Netflix映画では「毒戦 BELIEVER 2」の脚本を担当

あの「毒戦 BELIEVER」の続編がNetflixに登場 チョ・ウォノ刑事は失踪したソ・ヨンナクを追うが、彼らの前にさらなる抗争が幕を開...

ロ・ギワン

脱北者の青年
母親は自分を逃がすために、目の前で死んだ
警察に追われて、ベルギーへ逃亡
しかし、異国での日々は過酷だった
難民認定されることだけが、唯一の希望だったが…………

演じるのはドラマ「ヴィンチェンツォ」のソン・ジュンギ
別人すぎて驚いた
まさに渾身の演技で、彼の代表作になるだろう
Netflix映画では「スペース・スウィーパーズ」に主演している

Netflixオリジナルの韓国映画 2092年、宇宙のゴミを清掃する宇宙船「勝利号」の4人組は、大量破壊兵器である人型ロボットを偶然発見し...

イ・マリ

ギワンから財布を盗んだ韓国系ベルギー人
元射撃選手
生きる希望を失い、自暴自棄になっている
次第にギワンに惹かれていくが…………

演じるのは「ジェントルマン」などのチェ・ソンウン
Netflix作品では「アンナラスマナラ -魔法の旋律-」に出演

Netflixオリジナルの韓国ドラマ 全てに絶望した女子高生アイの前に、1人のミステリアスな魔術師が現れて………… 1人の魔術師が少...

亡命

目の前で母を失ったロ・ギワン

「生き延びて…………」

母の言葉に従って、ギワンは単身ベルギーへ逃亡した

異国での日々は過酷だった

言葉はまるで通じない
公衆トイレで夜を明かす日々
職に就けないので、瓶を集めて小銭を稼ぐ
ホームレスだと思われ若者たちから袋叩き

恋愛映画だと思って観たので、序盤の展開には驚いた
過酷な現実をオブラートに包むことなく、ありのままに描いている
財布は盗まれ、信じていた人には裏切られる
救いが一切見えない地獄のような日々で、見ていてひたすら気が滅入った
それでも自分を見失わず、真っすぐ生きるロ・ギワン
その姿には強く胸を打たれた

難民認定

ロ・ギワンにとって唯一の希望である「難民認定」
認定されれば、この国で生きていくことが出来る
強制送還されることは、ギワンにとって死を意味するのだ

だが、難民認定は厳しかった
ギワンが本当に北朝鮮からの亡命者か疑う係員
そう偽って支給金を受け取ろうとする詐欺が横行しているというのだ
自分が北朝鮮人だということは、ギワンにとっては自明のこと
それを証明するのが、こんなに難しいとは…………

これは世界で現実に起こっている問題である
特に日本での難民認定率は、世界でも圧倒的に低いという
これまで気にしたこともなかったが、本作を見て難民たちが抱えている過酷な現実を窺い知ることが出来た
もはや恋愛映画とひと言で済ませられない時代性を持った作品となっている

恋愛

とはいえ本作は恋愛映画としても素晴らしい
ロ・ギワンから財布を盗むイ・マリ
あまりに最悪の出会いすぎて、最初は本作のヒロインだとは思わなかった(笑)

母親を失ったことで自暴自棄になり、父親とも疎遠になったマリ
ドラッグにおぼれ、悪い連中と付き合った
そんな時に出会った真っすぐな眼差しの青年ロ・ギワン
マリは次第にギワンに惹かれていく

絶望し、死ぬことすら考えたマリ
そんなどん底のマリに、ギワンは救いの手を差し伸べる

「炎の中に飛び込んでも君を救う」

一歩間違うとチープだが、そこに至るリアルな描写の積み重ねがあるため、ストレートに胸に響いた
身を投げ出すような純愛
ここまで正統派の恋愛映画が、今の時代に見られるとは

そして、ようやく2人に訪れる幸せな日々
しかし、現実は甘くなくて…………
最後は2人の幸せを祈るような気持ちで見入ってしまった
まさに至高の恋愛映画となっている

まとめ

久々に凄い映画を見た気分
容赦ない過酷な現実
だが、ギワンは決して希望を失わない
そんなギワンに出会ったことで、マリも変っていく
誰もが見るべき骨太な傑作だ

My Name Is Loh Kiwan (2024) on IMDb

Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/my_name_is_loh_kiwan
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/393788

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