Netflix「ペイン・ハスラーズ」ネタバレ感想 製薬業界版「ウルフ・オブ・ウォールストリート」!?

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Netflixオリジナル映画
実話を基にしたストーリー
生活苦のシングルマザーのライザは、製薬会社の営業職に就き、死に物狂いで働くが…………

製薬会社の裏側を描いた社会派サスペンス
エミリー・ブラントやクリス・エヴァンスなど、豪華な役者陣の熱演が見どころ

「ハリー・ポッター」「ファンタスティック・ビースト」シリーズのデビッド・イェーツ監督作品
あまりに逆方向の作品で驚いた
役者陣の演技は見ごたえあり
クリス・エヴァンスのクズ男っぷりも面白かった
製薬会社の驚きの裏側も興味深い
新薬を売り込むために、そこまでするかという感じ
ただし、作品の出来はちょっと微妙
「ウルフ・オブ・ウォールストリート」の二番煎じという印象
前半のハチャメチャさと後半のシリアスさも、ちぐはぐだった
テーマが深刻すぎて、はじけきれなかったのかも知れない
豪華なキャストに興味をひかれたなら、見る価値あり

予告編

Pain Hustlers | Emily Blunt + Chris Evans | Official Teaser | Netflix

作品情報
作品名「ペイン・ハスラーズ」(原題Pain Hustlers)
監督:デヴィッド・イェーツ
キャスト:エミリー・ブラント、クリス・エヴァンス、キャサリン・オハラ、アンディ・ガルシア、クロエ・コールマン、ジェイ・デュプラス、ブライアン・ダーシー・ジェームズ
上映時間:122分
制作国:日本(イギリス、アメリカ)

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ざっくりあらすじ

生活苦のシングルマザーのライザは、製薬会社の営業職に就職。そこで彼女は大きな成果を上げ、会社の業績は上向きになるが…………

感想(ここからネタバレ)

どこまで事実か知らないが、とんでもない話…………

「ペイン・ハスラーズ」

シングルマザーのライザは、職を転々としていた
今はストリップ小屋でストリッパーをやっている
ある日、出会った客の1人がピートだった
ピートは製薬会社の社員で、酔っぱらった彼は「うちで雇ってあげる」とライザに名刺を置いていった

ライザの娘フィービーが学校を停学処分になった
その上、姉の家からライザたちは追い出された
切羽詰まったライザは、名刺を頼りにピートが勤めるザナ製薬に押し掛けた
ピートは驚いたが、約束通り彼女を雇ってくれた

ザナ製薬の経営は危機的状況だった
ガンの鎮痛剤である新薬ロナフェンを売り込んでいたが、どの医師にも相手にされなかった
大手の製薬会社にどこの病院も牛耳られているのだ

どんなに頑張っても結果が出ない
ライザは途方に暮れた
このままではすぐにクビになってしまう
だが、娘のフィービーが病気で倒れ、お金が必要なライザは、必死に医師たちに売り込んだ
その甲斐あって、医師の1人であるライデルが、ロナフェンを患者に処方してくれた
ライザはピートに認められ、会社の業績もぐいぐいと伸びていったが…………

作品解説

監督は「ハリー・ポッター」「ファンタスティック・ビースト」シリーズのデビッド・イェーツ
こんな社会派ドラマを描くとは意外
かなりダークな作品となっている

原作はエヴァン・ヒューズの同名小説

ライザ

シングルマザーの女性
職を転々としていて、今はストリッパーをやっている
フィービーという病気の娘がいる
どん底から抜け出すために、製薬会社の営業に就き、がむしゃらに取り組むが…………

演じるのはエミリー・ブラント
「クワイエット・プレイス」「ボーダーライン」「メリー・ポピンズ リターンズ」など、多くの話題作に出演している
本作では必死にチャンスを掴んで、成り上がっていく女性を熱演

あの「メリー・ポピンズ」の55年ぶりの続編 さらにスケールの大きくなった歌や踊りを披露してくれる 前作を見た人なら懐かしさで頬が緩むこと...

ピート

ザナ製薬の営業職
ライザに目をつけて採用した
新薬を売り込むためなら、どんな手段でも使う

演じるのはキャプテン・アメリカでお馴染みクリス・エヴァンス
「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」「グレイマン」と最近の彼は、クズ男を演じたら天下一品
本作でも見事なクズっぷりを見せてくれる

Netflix史上最も高額なオリジナル映画 CIAの凄腕の暗殺者グレイマンは、ある重要機密を知ってしまったことにより、組織から命を狙われて...

ジャック

ザナ製薬のボスで博士
会社は成功するが、次第に奇行に走るようになり…………

演じるのはアンディ・ガルシア
「アンタッチャブル」や「ブラック・レイン」など、様々な話題作に出演
最近は貫禄ある脇役として活躍

オピオイド危機

本作で描かれているのはオピオイド危機
1990年代後半から現在に至るまで、依存性や中毒性のある麻薬物質「オピオイド」を含む鎮痛剤が、全米で社会問題になっている
そういった鎮痛剤による死者は、すでに50万人以上とのこと

オピオイドは鎮痛剤として、がん治療などに必要不可欠な薬剤として使用されている
しかし、合成オピオイドであるフェンタニル、メサドン、ペチジンなどは、本来的な意味では麻薬である
そのため過剰摂取による中毒性や死亡の危険性がある
詳しくはNetflixドラマ「ペイン・キラー/死に至る薬」でも描かれている

製薬会社の裏側

新薬を医師たちに採用してもらうために、手段を選ばない製薬会社
ストリップ小屋で接待したり、賄賂も当たり前
まさに目を疑うような光景
製薬業界版「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のような作品になっている

しかし、監督が生真面目なのか、テーマが深刻すぎるのか、いまいち弾けきれていない印象
正直、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」の劣化版のように感じられた

良心

次々に成果を出し、どん底から成り上がったライザ
地位も富も得て、ライザは夢にまで見た成功を手にする
どんな手を使ってでも、ロナフェンを必要とする患者たちに届ける
そうして患者も自分も幸せ
ライザはそのことに何の疑問も持たなかった

しかし、次第にほころびが生じ始める
ロナフェンの過剰摂取による死亡者の増加
それでも俺たちの責任じゃないと、さらに薬を売りつけようとするピートたち
ライザは自分のやっていることに、迷いを抱くようになる

この辺りはちょっとストーリーがありきたりな感じ
「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のディカプリオと違い、ライザが妙に真面目すぎるのだ
前半のハチャメチャさと後半のシリアスさも、ちぐはぐな印象がぬぐえなかった

医師への賄賂の罪で、有罪となるザナ製薬の幹部たち
この辺りもしっくりこなかった
依存性のある危険な薬剤をばらまいたのが問題だったのか、医師との癒着が問題だったのか
映画の焦点がどっちつかずになってしまった印象だ
もっとオピオイド危機の本質に踏み込んで欲しかった

まとめ

デビッド・イェーツ監督の新作
役者たちは皆が好演
製薬会社の驚きの裏側も興味深かった
しかし、終わってみると色々ととっちらかっている印象
ちょっと惜しい作品になってしまった

Pain Hustlers (2023) on IMDb

Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/pain_hustlers
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/391644

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