Netflix「サムバディ」ネタバレ感想 愛した人は連続殺人鬼だった……

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Netflixオリジナルの韓国ドラマ
出会い系アプリ「サムバディ」を開発したキム・ソムは、アプリを通じてソン・ユノという魅力的な男性と知り合うが…………

過激でスリリングなラブストーリー
暴力や不快な場面も多く、人を選ぶだろう

女性を次々と殺していくソン・ユノを演じるキム・ヨングァンの演技が凄まじい
その邪悪さには戦慄した
主人公で天才プログラマーのキム・ソムも、何を考えているのか分からない不思議なキャラクター
主演2人に全く感情移入できず序盤は辛かったが、ソムの友達が物語に絡みだす3話から面白くなった
とにかくユノが恐ろしくて、まるでホラー
出会い系アプリで殺人鬼と遭遇するというストーリーも現代的
誰かとつながりたい
本当の自分を理解して欲しい
現代人の孤独や空虚さが鋭く描かれている
ユノを愛するようになるソム
2人の関係の行方も見どころ
正直、途中までは自分には合わない作品だと思ったが、最終回が凄かった
まさに壮絶なラスト
サスペンス好きなら見る価値があるだろう

予告編

『サムバディ』予告編 – Netflix

作品情報
作品名「サムバディ」(原題썸바디)
監督:チョン・ジウ
キャスト:キム・ヨングァン、カン・ヘリム、キム・ユンジ、キム・スヨン
全8話
製作国:韓国(2022年)

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ざっくりあらすじ

出会い系アプリ「サムバディ」は絶大な人気を誇ったが、犯罪に使われるケースが多発し問題視されていた。開発者のキム・ソムは殺人犯の疑いがあるソン・ユノという男性と接触するが…………

感想(ここからネタバレ)

出会い系アプリ、恐ろしい…………

出会い

キム・ソムはアスペルガー症候群を患い、他人とのコミュニケーションは苦手だが、天才的なプログラマーだった
ソムは学生時代、驚異的なAIチャットプログラム「サムワン」を開発した
その才能をサマンサ・チョンは見逃さなかった

数年後、ソムはサマンサのスペクトラム社で、サムワンを進化させたマッチング・アプリ「サムバディ」を開発した
サムバディは爆発的な人気を得た
だがその一方で、サムバディが犯罪に使われるケースが多発し、批判を受けていた
殺された女性の多くが、サムバディ・アプリを利用していたというのだ
しかし、プライバシーの侵害だと言って、スペクトラム社は決してユーザーの個人情報を警察に渡そうとしなかった

ソムのチームが調べた結果、あるユーザーが同じ携帯電話で異なるSIMカードを使用し、別のアカウントで被害者の女性たちと接触していたことが分かった
この人物が殺人犯かも知れない
好奇心を抱いたソムは接触を試みることにした

チャットがつながったが相手の言葉は人為的で、当たり障りのない回答ばかりだった
その時、前の路地で猫が車に轢かれた
見に行くと、猫は瀕死の状態だ
そのことを伝えると、「僕もあなたが考えていることと同じことをします」と答えが返ってきた
今までのような無味乾燥な言葉ではなかった
ソムはカッターで猫を楽にしてやった

「あなたに会いたい」

その言葉にソムは躊躇したが、現在地を教えた
バンで駆けつけたのは、ソン・ユノという男性だった
言われるがままに、ソムはバンに乗り込んだが…………

作品解説

監督は「ウンギョ 青い蜜」「沈黙、愛」のチョン・ジウ

脚本は「私だけに見える探偵」のハン・ジワン

キム・ソム

天才プログラマーで「サムバディ」を開発した
現在はスペクトラム社のCTO
アスペルガー症候群を患っており、他人とのコミュニケーションは苦手
学生時代に開発したAIチャットプログラム「サムワン」を友達と思い大切にしている
ソン・ユノを殺人犯かも知れないと疑いながらも接触するが…………

本当の自分を理解してくれる人
ソムはソン・ユノに強く惹かれていく
自閉症といってもウ・ヨンウとは違ったタイプのキャラクターだった

今、もっとも話題となっている韓国ドラマ 自閉スペクトラム症を抱えた新人弁護士のウ・ヨンウは、その天才的頭脳を駆使して裁判に挑んでいく………...

演じるのはカン・ヘリム
本作がドラマ初主演ながらも、堂々とした演技でヌードまで披露している

ソン・ユノ

成功した建築家
優しく思いやりがあり、女性にもてる
だが、実際は恐ろしい連続殺人鬼
美しい建築物と比べて、人間に価値などないと考えている

殺人にエクスタシーを感じる男
まさに邪悪な怪物
同情の余地、一切なし
見ていて本当にムカついた

演じるのは「君の結婚式」「初対面だけど愛してます」のキム・ヨングァン
優しく思いやりのある男性と、狂喜に満ちた殺人鬼としての姿を見事に演じ分けている

ヨン・ギウン

キム・ソムの10年来の親友
サイバー捜査班の刑事
かつて事故に遭い、下半身不随で車椅子に乗っている
事故の後、ソムとは疎遠だった
サムバディを通じて、ソン・ユノと知り合うが…………

人間味があって、とても魅力的なキャラ
ソムと親しくなるきっかけが描かれなかったのが不満
演じるのはキム・スヨン

イム・モグォン

祈祷師
不思議な力を持つ
ギウンとは友人で、その縁でキム・ソムとも知り合う
友達想いの性格で同性愛者

とても格好いい女性で、ソムたちの頼もしい味方
殺人鬼を探すのに協力する
演じるのはキム・ユンジ

サムバディ

キム・ソムが開発したマッチング・アプリ「サムバディ」
誰でも気軽に他人とつながれるサムバディは、爆発的な人気を得る

寂しさを紛らわしたい
自分を理解してくれる人に出会いたい

ネットの中につながりを求める人々
その欲求や渇望は凄まじかった
誰もが抱えている孤独
そこをソン・ユノに付け込まれる
ユノはサムバディで自由にターゲットを選び、獲物を狩っていく

サムバディで出会う「誰か」
その相手は殺人鬼かも知れないのだ
非常に現代的なスリラーとなっている

殺人鬼

ソン・ユノは快楽殺人鬼である
エクスタシーを感じるために人を殺す
普段は穏やかで魅力的な人物を装っているが、世界と人間を深く嫌悪し、心の中は暗く歪んだ欲望で満ちている
人の命を虫けらのようにしか思っていない
何一つ共感することが出来ない怪物だ

その時の気分で殺したり殺さなかったりする
見ていて非常に不気味でスリリングだった
「ノーカントリー」の殺し屋アントン・シガーを思い出した

とはいえアントンに比べて、ソン・ユノは殺人鬼として詰めの甘いところもある
ギウンを2度も殺し損ねたのは、さすがにどうかと思った(死ななくて安心したけど)
どうやら自分が興味のない相手には、殺し方も雑になるようだ
レクター博士のような美学も感じられない
小者っぽい言動も多く、意外とキレやすい
殺人鬼としては二流と言わざるを得ない
その代わり、どこにでもいそうなリアルさを持ったキャラクターだった

ドラマ

普通のスリラーなら主人公を感情移入しやすいキャラクターにするだろう
だが、本作のキム・ソムは違う
アスペルガー症候群を患う天才プログラマー
表情からはほとんど感情を読み取れない
そのため序盤は非常に物語に入り込みづらかった

ギウンやモグォンというソムの友人たちが登場してから、ドラマは面白くなる
基本的に陰鬱で凄惨なストーリーなので、女3人組が集まってふざけ合ったりするシーンは、いい息抜きになった
3人で殺人鬼を追う展開も面白い
とはいえ全体的に見ると、人を選ぶとっつきにくいドラマという印象だった

ラブストーリー

「本当の私を理解してくれる人。もう二度とあんな人とは出会えない」

ソン・ユノを愛するようになるキム・ソム
一方、ユノも他人とはまるで違う自分の世界を持ったソムに惹かれていく

「もっと君に早く会いたかった」

ユノには全く同情できないが、そのセリフは胸に響いた

正直、連続殺人鬼で親友すら殺そうとしたユノをかばうソムの心理が理解できなかった
しかし、最後にソムが取った壮絶な行動で少し納得がいった
それはある意味、最高の愛情表現
やはり、この作品はキム・ソムとソン・ユノのラブストーリーだったのだろう
いびつで純粋な愛の物語
ソムは愛する男の全てを手に入れたのだ

まとめ

かなりとっつきにくい作品
だが、ラストは衝撃的
他のサイコ・スリラーとの差別化に成功している
この手のサスペンスが好きなら、見る価値があるだろう

Netflixオリジナルの韓国ドラマ「サムバディ」が配信された 出会い系アプリ「サムバディ」は絶大な人気を誇ったが、犯罪に使われるケー...

Somebody (2022) on IMDb

Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/tv/somebody/s01

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