Netflix「スイマーズ:希望を託して」ネタバレ感想 絶対に夢をあきらめない!!

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Netflixオリジナル映画
水泳でオリンピックを目指す姉妹は、内戦中のシリアから逃れてヨーロッパを目指すが…………

シリアからドイツまでの過酷で厳しい逃避行
クライマックスのレースの盛り上がりが凄く、スポーツものとしても満足度高し

実話に基づいたストーリー
内戦中のシリアの惨状が凄まじい
室内プールが爆撃されるシーンは、心臓が止まるかと思った
シリアからドイツへの過酷でハードな旅路
映画の大半がそこに費やされている
気が滅入るシーンも多い
難民の現状がリアルに伝わってくる
とはいえクライマックスの大会シーンは大いに盛り上がり、スポーツもののカタルシスも存分に味わえる
自由奔放なサラと、真面目で努力家のユスラ
性格が正反対の姉妹の絆も魅力的だった
2時間15分と長いが、全く退屈しなかった
今年のNetflix映画では、かなり上位の作品
大いに満足を得られる一作だ

予告編

The Swimmers | Official Trailer | Netflix

作品情報
作品名「スイマーズ:希望を託して」(原題The Swimmers)
監督:サリー・エル・ホサイニ
キャスト:マナル・イッサ、ナタリー・イッサ、マティアス・シュヴァイクホファー、アフマド・マレク、アリ・スリマン
上映時間:135分
製作国:イギリス、アメリカ(2022年)

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ざっくりあらすじ

激しい内戦が起きているシリア。水泳でオリンピックを目指すサラとユスラの姉妹は、戦禍を逃れてドイツを目指すが…………

感想(ここからネタバレ)

想像を絶する実話…………

密入国

2015年のシリアは内戦の真っただ中だった
17歳のユスラ・マルディニは水泳のバタフライで、オリンピックを目指していた
一方、姉のサラも水泳選手だったが、自由奔放な性格で練習も怠けがちだった
コーチである父親は、ユスラばかりに目をかけていた

戦禍は激しくなる一方だった
もう3人も爆撃で友達が亡くなっている
室内プールで予選会が行われている時だった
ユスラが泳いでいる時に爆撃を受けて、建物の天井が崩れた
命からがらユスラは、プールから逃れた

もはや、まともに水泳が出来る状況ではなかった
サラは父親に、ユスラを連れてドイツへ行くと告げた
危険だと父親は反対したが、はとこのニザールも一緒だからと、強引に説得した

サラとユスラとニザールは、レバノンからトルコへ渡った
そこで密航業者のボートに乗せてもらい、ギリシャのレスボス島を目指すことになった
大勢の難民たちと知り合いになった
密航業者が用意したゴムボートは小さかった
とても全員が乗れそうにない

密航業者は無理やり難民たちを詰め込み、自分たちは帰ってしまった
ボートはレスボス島に出発したが、エーゲ海の真ん中でエンジンが止まってしまった
泳げない者や子供もいる
ボートは今にも沈んでしまいそうだった
サラとユスラは少しでも重量を軽くするため、意を決して海に飛び込んだが…………

作品解説

監督はエジプト出身のサリー・エル・ホサイニ

ゴムボートのシーンの役者たちの多くは実際の難民
船酔いシーンも本物

本作はトロント国際映画祭で世界初公開された

ユスラ・マルディニ

17歳のシリアの少女
水泳のバタフライでオリンピックを目指している
真面目で努力家
シリアではまともに練習が出来ないと、ドイツを目指すが…………

ユスラ・マルディニは実在の水泳選手
東京オリンピックにも出場している
あまりに過酷な人生に衝撃
なお本作でユスラが泳ぐシーンは本人が演じている
ユスラに扮するのはナタリー・イッサ

サラ・マルディニ

ユスラの姉
自由奔放で気が強い
水泳選手としても実績があるが、オリンピックに興味はない
父親がユスラばかり目をかけているのを気にしている
いい加減なところもあるが、家族思いの性格

演じるのは「わたしはパリジェンヌ」などのマナル・イッサ
ユスラを演じるナタリー・イッサは実の妹

スヴェン

ベルリンに住む水泳コーチ
かつてはオリンピックを目指したが、夢は叶わなかった
人のいい性格
姉妹の才能を見抜き、色々と面倒を見る

たちの悪い密航業者や大人が次々と出てくるので、善良なスヴェンのキャラクターには癒された
演じるのはマティアス・シュヴァイクホファー
Netflix映画「アーミー・オブ・ザ・デッド」「アーミー・オブ・シーブズ」に出演

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難民

内戦真っただ中のシリア
銃声や爆撃、停電などが日常
水泳の練習すらもままならない
平穏に生活を送れることのありがたみが、本作を見るとひしひしと感じられる

シリアからドイツまでの道のりは、困難の連続

大勢の難民が乗ったゴムボートが、エーゲ海の真ん中で立ち往生
ようやく陸地に辿り着いても、地元の人々から白い目で見られる
ぼったくりで悪質な密航業者たち
警察に捕まると母国へ強制送還

練習も出来ず、見知らぬ土地をさまよう日々
こんなんで本当にオリンピックなんて出られるの?
そんな不安に押しつぶされそうになるユスラ

シリアの難民は570万人にのぼるという
日本にいると遠く感じられる難民問題
それが非常に身近に生々しく伝わってきた

姉妹の絆

明るく自由奔放な姉のサラ
真面目で努力家の妹のユスラ
全く正反対の2人の姉妹
ユスラはサラに振り回されてばかりだった
何度も衝突もした

けれど遠い異国の地で、2人はお互いを支え合った
ユスラが悩み立ち止まった時に、背中を押してくれるのはいつもサラだった
サラもユスラに感化されて、自分の道を見出した
その姉妹の絆に感動

リオオリンピック

長く険しい旅路の末、姉妹はようやくベルリンに到着
そして水泳コーチのスヴェンに才能を見出される
ここから、ようやくスポーツ映画らしくなる
ユスラはリオデジャネイロオリンピックを目指して、本格的なトレーニングを始める
だが、ブランクは厳しかった
そして、さらに大きな問題
ユスラがシリア代表として、オリンピックに出るのは不可能だった

そんな時、朗報が訪れる
難民のアスリート救済のための難民選手団が結成されることになったのだ
この代表として、ユスラもオリンピックに出られる
シリア代表しか眼中になかったユスラは躊躇したが、サラの助言もあり承諾した

「シリア代表には次のオリンピックでなります。今年はスヴェンコーチの弟子代表として出ます」

そうして、いよいよリオオリンピックが開催
難民代表のユスラはマスコミの注目の的だった
しかし、選手たちの中には「自分たちは実力で出るのにずるい」と陰口を叩く者もいた
落ち込むユスラ
そんなユスラを会場に駆けつけたサラが励ました

「パパ、ママ、スヴェンコーチや難民の人たち。ユスラ、みんなのために泳いで」

そこからのレースシーンは最高の盛り上がり
水泳を題材にしたスポーツ映画をあまり知らないが、水中からのショットなど見せ方が素晴らしかった
最後は思わず喝采を上げそうになった

長い苦難の末に辿り着いた栄光の場所
他のスポーツ映画では味わえないカタルシスがあった

まとめ

長く悲壮な旅
しかし、最後には最高のカタルシス
難民問題についても深く考えさせられる
非常に見ごたえのある作品に仕上がっている

The Swimmers (2022) on IMDb

Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/the_swimmers_2022
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/385515

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