9月17日に配信されたNetflixオリジナルの韓国ドラマ「イカゲーム」が、世界中で大ヒットしている
韓国ドラマとしては初めて米国ネットフリックスで、1位を獲得
これは「Sweet Home －俺と世界の絶望－」が昨年記録した米国最高順位の3位を上回った
「イカゲーム」は米国以外でも韓国、香港、マレーシア、クウェート、モロッコ、オマーン、フィリピン、カタール、サウジアラビアなど、14の国で1位になった
現在、日本でも1位を記録している
また「イカゲーム」は作品の評価も高い
米国の映画サイトIMDbで8.3/10
ロッテントマトの批評家支持率は100％、観客支持率は89％
文句なしの高評価だ
壮絶なデスゲームを描いた本作
クライマックスも凄まじかった
あのラストシーンは何を意味しているのか？
海外サイトなどを参考にして、自分なりの答えを出してみた
もちろん正しいかどうかは分からない
あくまで一つの解釈だと考えて欲しい
なおドラマのネタバレ全開なのでご注意を！！
「イカゲーム」
年老いた母親と同居しているギフン
離婚した妻は娘のガヨンを連れて出ていった
ギフンはろくに仕事もせず、母親の金でギャンブルに明け暮れていた
ある日、競馬に勝ったギフンは浮かれていると、借金の取り立て屋に遭遇した
逃げる途中でぶつかった女に、ギフンは財布をすられた
ギフンは取り立て屋に、来月中に借金を返せなければ腎臓と目を渡すという書類を書かされた
まさに崖っぷちだった
意気消沈したギフンは、地下鉄の駅でスーツを着た男に話しかけられた
10万ウォンを賭けて、メンコで勝負しないかと男は言ってきた
困惑しながらもギフンはその勝負に乗った
何度か負けて、その度にギフンは頬をビンタされた
しかし、ようやく勝利すると、男は本当に金を渡してきた
あるゲームに参加すると、もっと大金が稼げると、男はギフンにカードを渡した
家に帰るとギフンは母親から、娘のガヨンがアメリカへ行ってしまうと知らされた
そうすれば父親のことなど忘れてしまう
ガヨンを引き取るには、経済的に問題がないと証明することが必要だ
ギフンはそのゲームに参加することを決めた
夜中、約束した時間にギフンが待っていると、バンがやってきた
運転しているのはマスクをした男だった
車に乗り込むと車内にガスが充満し、急速にギフンは意識を失った
目を覚ますと広い部屋だった
456と番号が書かれた服を、いつの間にか着せられている
周りには同じような人が大勢いた
扉が開き、マスクをした男たちが入ってきた
これから6日間で6つのゲームを行い、最後まで勝ち残った者には、巨額の賞金が与えられると言うのだが…………
主人公のギフンを演じるのは「新しき世界」「サバハ」などで有名なイ・ジョンジェ
脱北者で家族のために大金が必要なセビョクを演じるのは、ファッションモデルとして人気のチョン・ホヨン
ソウル大卒のエリート証券マンでギフンの弟分であるサンウを演じるのは、「不夜城の男」「狩りの時間」のパク・ヘス
「天命の城」「トガニ 幼き瞳の告発」のファン・ドンヒョクが脚本と監督を担当した
シーズン1は全9話である
対立
6つのゲームの内、5番目のゲーム「飛び石渡り」が終わった
456人いたプレイヤーは、残りはたったの3人になっていた
ギフン、サンウ、セビョクだ
3人に豪華なディナーが振る舞われた
ギフンはセビョクの様子がおかしいことに気付いた
セビョクは前のゲームで、お腹にガラスが刺さり大怪我をしているのを隠していたのだ
とてもゲームを続行できる状態ではない
ギフンは運営側に医師を呼ぶように助けを求めた
だが、目を離した隙に、サンウがナイフでセビョクを殺害していた
怒り狂うギフン
何故、サンウはセビョクを殺したのか？
もう彼女にゲームの続行は不可能だったのに
それはゲームのルールに原因があった
プレイヤーの過半数が同意すれば、ゲームを中断することが可能なのだ
残っているのは3人
ギフンとセビョクが同意すれば、ゲームは中止になり456億ウォンはパーになってしまう
そして、セビョクを助けるためにギフンはそれをやりかねないと、サンウは分かっていた
勝者
最後のゲームは「イカゲーム」だった
韓国に昔からある子供たちの遊びだ
幼馴染のサンウとギフン
2人は子供の頃に、しょっちゅうイカゲームを一緒に遊んでいた
同じ町で育った2人
しかし、その後の人生は明暗が分かれた
社会的な成功者とみなされているサンウと、脱落者とみなされているギフン
2人が最後に対決するのは、必然だったのかも知れない
地面に線が引かれているだけのシンプルなゲーム
己の肉体とナイフだけが武器の原始的な戦い
2人は雨の中、泥だらけになりながら醜く争う
そして、ついにギフンはサンウを叩きのめし、地面に書かれた円へ向かう
そこに入れば、勝者は決定する
ところが最後になって、ギフンはゴールするのを拒否する
自分の勝利はサンウの死を意味する
イカゲームの前にウトウトしているサンウをナイフで襲おうとしたギフンに、セビョクは言った
「あなたはそんなことする人じゃない」
ギフンはその言葉を思い出したのだ
プレイヤーの過半数が同意すれば、ゲームは中断される
ギフンとサンウが同意すれば、2人とも助かるのだ
ところがサンウはギフンが差し伸べた手を拒否する
母親のことを頼むと言い残し、サンウはナイフで自分の喉を突き刺した
どうしてサンウは自らの死を選んだのか？
いくつかの理由が考えられる
プライドの高いサンウにとって、情けをかけられるのは屈辱だった
生き残るために自分を慕っていたアリまで裏切ったサンウ
温情をかけられるには、サンウは自分の手を汚しすぎていた
勝利が絶望的になった今、母親にお金を届ける方法は、ギフンが勝ち残るしかない
ギフンは約束を守ってくれると、サンウは信頼したのだ
おそらく、これら全ての理由だろう
フロントマンの謎
失踪した兄を探して、ゲームが行われる島に潜入した刑事のファン・ジュノ
そして、ゲームの進行役であるフロントマンの部屋に入ったジュノは、そこにあった資料から様々なことを知る
ゲームは数十年前から行われている
韓国だけではなく、様々な国で開催されている
今から5年前、2015年の優勝者は兄のファン・イノである
証拠を持って島から脱出したジュノは、フロントマンたちに追跡される
高い崖に追い詰められたジュノ
ところがフロントマンは、何故かジュノを殺そうとしない
自らマスクを外したフロントマン
その正体は兄であるファン・イノだった
何故かつての優勝者のファン・イノが、フロントマンとしてゲームに関わっているのか？
優勝したギフンのその後を見ても分かる通り、ゲームの参加者は勝ち残っても大きなトラウマが残る
その心の傷を乗り越えるのは簡単ではない
ファン・イノにとっては自分がゲームの進行役に回ることが、唯一の方法だったのかも知れない
兄であるフロントマンに撃たれて、崖から落ちたファン・ジュノ
彼は死んでしまったのか？
その後、最後まで出番はなく、島から持ち出した証拠も世間に伝わった様子は見られなかった
現時点ではファン・ジュノの死は、濃厚と言わざるを得ないだろう
黒幕
ゲームで優勝して、456億ウォン（約42億8000万円）という大金を手に入れたギフン
しかし、ゲームから帰ってみると、病気の母親は床に倒れて死んでいた
ゲームの中で大勢のプレイヤーの死を見てきたギフン
それでも母親の入院費を手に入れたことが、唯一の慰めだった
だが、全てが無意味になった
1年後、ギフンはいまだに立ち直れずにいた
気力を失い髪は伸び放題で、ゲームの賞金には全く手をつけていない
だがある夜、老婆から買った花にゲームの招待状が入っていた
カードに書かれていた高層ビルの一室に行くと、そこにいたのは死んだはずのプレイヤー、番号1番の老人オ・イルナムだった
イルナムは死の病でベッドに横たわっていた
戸惑うギフンにイルナムはゲームを持ち掛けた
雪の中、窓の下に見えるオフィス街に横たわっているホームレス
あのままでは死んでしまうだろう
0時までに誰かが助けたらギフンの勝ち
誰も助けなかったらイルナムの勝ち
あの島でのゲームの全ては、イルナムが仕組んだことだった
フロントマンを動かしていたのも彼だった
「金のない奴と、金を腐るほど持っている奴の共通点が分かるか？ 人生がつまらないことだ」
有り余るほど金を持っていて、楽しいことがもうないという顧客たち
彼らとイルナムは、娯楽を求めてゲームを始めた
今までは観客席からそれを眺めるだけだった
しかし、死ぬ前に子供の頃のように、もう一度自分も遊びたくなった
イルナムは第4ラウンドのビー玉遊びで、わざと負けてギフンの命を救っている
「どうして俺を生かした？」
「楽しかったからさ、君と遊ぶのが」
戦力にならないと、誰もイルナムのことを相手にしなかった
だが、ギフンだけは違った
仲間に入れてくれて、共にゲームをクリアした
もう0時になろうとしている
「あんなゲームの後でも、人を信じるのか？」
その時、さっき通り過ぎた通行人が、警官を連れてきてホームレスを助けた
それを告げようと振り返ると、イルナムはこと切れていた
イルナムやVIPたちにとって、この世のルールは金
それが全てだった
金のない者の命は虫けらのようなもの
彼らは冗談を言いながら、酒を片手に死のゲームを観戦した
だが、ギフンは彼らのルールから逸脱していた
最後のゲームで、相手を救うために目の前の勝利を放棄しようとした
受け取った莫大な賞金を、1年が経っても手をつけていない
イルナムは最後にギフンの甘い考えを、否定したかったのかも知れない
けれどホームレスの老人は助けられた
ゲームはギフンが勝ったのだ
変化
その夜を境に、ギフンは変わった
ギフンはK-POPアイドルのように髪を赤く染めた
そして養護施設にいたセビョクの弟を引き取り、サンウの母親にその子を預け、賞金の半分を置いていった
ギフンはセビョクやサンウとの約束を守ったのだ
すっかり前向きになったギフン
彼は娘に会うために空港へ向かっていた
だが、地下鉄の駅である光景を目撃する
それはかつての自分に、メンコ勝負を持ち掛けてきたスーツ姿の男だった
今は見知らぬ男と勝負をしている
黒幕であるイルナムは死んだ
しかし、ゲームは引き継がれていた
ギフンは空港で、カードに書かれていた番号に電話した
「知りたいんだ。なぜ、そんな残虐な行為が出来るのかを」
「飛行機に乗れ。それが自分のためだ」
彼らは今でもギフンの行動を監視しているのだ
ゲームに関わることに、今のギフンには何のメリットもない
それどころか破滅を招くかも知れない
だが、ギフンは躊躇しない
彼らのルールとギフンのルールは違うのだ
シーズン2は？
残虐なゲームを止めるために、動き出したギフン
味方は誰もいない
それでも再びゲームに参加するのか？
世界中で大ヒットしている「イカゲーム」
十分にシーズン2の可能性はありそうだ
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