Amazon「イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり」あらすじとネタバレ感想

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1862年のビクトリア朝時代のロンドン
ジェームズとアメリアは気球での世界高度記録に挑む
実話に基づいた作品である
「博士と彼女のセオリー」のフェリシティ・ジョーンズエディ・レッドメインが再共演
正反対のキャラクターを魅力的に演じている
天気を予測することは科学的に可能なのか?
気象学の成り立ちが描かれているのも興味深い
人類にとって未知の領域だった上空
予期せぬ様々なトラブル
冒険ものとしても面白い
高いところは苦手なので、かなりスリリングだった
なかなかの良作なのだが、史実を改変したことで賛否が起こっている本作
プライム会員なら見る価値がある


予告編

『イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり』予告編

作品情報
作品名「イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり」(原題The Aeronauts)
監督:トム・ハーパー
キャスト:フェリシティ・ジョーンズ、エディ・レッドメイン、フィービー・フォックス、ヒメーシュ・パテル、レベッカ・フロント
上映時間:100分
製作国:イギリス、アメリカ(2019年)

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ざっくりあらすじ

1862年、ジェームズとアメリアは気球での前人未到の高度世界記録に挑む………………

感想(ここからネタバレ)

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なかなかのクォリティ

未知の高度へ

1862年のビクトリア朝時代のロンドン
まだ航空機などなかった時代
当時、天気を予測することは不可能だと思われていた

気象学者のジェームズ・グレーシャーは、天気は科学的に解明できると考えていた
そのためには上空のデータが必要だ
そんなジェームズを王立協会の科学者たちは笑った

当時の最高高度到達記録は7000メートルだった
それより更に上空を目指す
そのためには優秀な気球操縦者の手助けがいる

アメリア・レンは女性ながら一流の気球操縦者だった
ジェームズはアメリアに協力を要請した
アメリアは数年前に気球の事故で夫を失った
それ以来、気球には乗っていない
もう一度、空を目指す
ジェームズの熱意が、アメリアの心に火をつけた

気球打ち上げの日
広場には大勢の見物人が集まった
ジェームズはデータを測定するための、機材を持ち込んだ
アメリアは派手な衣装で、見物人に愛想を振りまいた
天気は芳しくなかったが、今さら中止にはできない
気球は上空に向かって出発した
ところが雲の層の中はだった
気球は激しい風に大きく揺さぶられた
まともに立っていることも出来ない
引き返そうとアメリアは言うのだが………………

エディ・レッドメイン

気象学者ジェームズ・グレーシャーを演じる
エディ・レッドメインは「博士と彼女のセオリー」でアカデミー主演男優賞を受賞
「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」の主人公ニュート役でもおなじみ

エディ・レッドメインは学者役がよく似合う
気象学者ジェームズにはぴったりの配役
物静かで目立たないが頑固
決して諦めない
とことんまで真理を探求しようとする
さらに上空へ行くか、引き返すか
アメリアと対立した時のジェームズは、狂気じみたものを感じた

前作よりダークさとハードさが増した 個人的には本作の方がはるかに面白かった 大人が鑑賞するに耐えうるクォリティである また若きダンブル...

フェリシティ・ジョーンズ

「博士と彼女のセオリー」でホーキング博士の妻役で、エディ・レッドメインと共演
「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」では主人公ジンを演じた

女性ながら一流の気球操縦者アメリア・レン
事故で夫を亡くしたが、再び気球に乗る決意をする
後半は孤軍奮闘の活躍
まさにこの作品のヒーロー
フェリシティ・ジョーンズはとても魅力的に演じている

気象学

航空機も衛星もない
天気の予測など不可能だ
そう本気で思われていた時代

天気は科学的に解明できる
ジェームズ・グレーシャーはそう考えた
天気を予測できれば農業の手助けになり、災害にも備えることが出来る

何気なく見ている天気予報
あって当たり前
有難みなど感じたことはなかった
それがジェームズのような先人たちの想像を絶する努力の上に成り立っていたとは
黎明期の気象学を描いているという点でも、この作品は非常に価値がある

気球の旅

この作品は映像がとても美しい
気球からロンドンの街を一望したシーン
息を呑むような光景だ
まるで自分も気球に乗っているような気分を味わえる

また雲の中で嵐に遭遇するシーン
大迫力である
気球がバラバラになってしまうのではないか
嵐の中で翻弄される姿にゾッとした

気球でただ上るだけ
見る前はそう思っていた
実際にはこれほどスリリングだとは
冒険ものとしても見ごたえのあるものになっている

挑戦

最高到達記録7000メートル
ジェームズとアメリアは、その記録をとうとう越えた
そこから先は人類にとって、未知の領域

ベテランのアメリアと違い、全く知識も経験もないジェームズ
レインコートすら持ってきていない
太陽に近づくのだから暖かくなるだろう
そんな甘い見通しだ

しかし、高く上るにつれ気温は急激に下がった
さらには酸素も薄くなっていく
ジェームズにとっては全く予期していなかったことだ
もちろん酸素ボンベなどあるはずがない

引き返そうとするアメリアに、ジェームズは断固として譲らない
もっと上に行く
もはやジェームズは正気を失っていた

記録ではこの時、11300メートルまで上昇したとされている
これは今でも破られていない
生還できたのが奇跡的である

史実との違い

この「イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり」はとてもよく出来た作品である
特に気球操縦者アメリア・レンの活躍には目を見張った
素晴らしい判断力と胆力、行動力
後半は完全にジェームズがお荷物だった
男女差別が厳しかった時代
これほどの女性がいたとは

そんな風に映画の内容を鵜呑みにし感動していたのだが、史実は大きく違った
このアメリア・レンという女性は存在しない
架空の人物である
実際に1862年9月5日に気象学者ジェームズ・グレーシャーと一緒だったのは、気球操縦者ヘンリー・コックスウェル
男性だった

僕は映画が事実と違っても、あまり気にしない人間だ
事実を映画の文脈に落とし込むのには、改変は必須
作品が面白くなるなら、それでいい
基本的にはそう考えている

しかし、今回は正直ガッカリした
気球での世界記録
これは歴史的事実である
それを成し遂げた人物を、抹消してしまっていいものなのか?
偉大な先人へのレスペクトが感じられない

変える必然性が、あまり感じられないのも問題だ
男2人のドラマでも、十分に面白いものは出来ると思うのだが

王立協会のキース・ムーアは「ジェームズ・グレーシャーの命を救ったのは、ヘンリー・コックスウェルである。彼が描かれていないのは非常に残念だ。この時代には優秀な女性科学者たちが大勢いた。女性を主人公にしたいなら、彼女たちを描けば良かったのではないか」と批判した

まとめ

史実を知って微妙な気分になった
どこまで事実を変えていいのか
難しいところだ
キャスト、演出、ストーリー
見る価値のある作品なのは間違いない


The Aeronauts (2019) on IMDb


Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/the_aeronauts
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/370712

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