【興行成績】なぜ「ターミネーター ニュー・フェイト」は爆死したのか!?

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「ターミネーター」シリーズ最新作「ターミネーター ニュー・フェイト」

映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』本予告【新たな運命編】11月8日(金)公開

「ターミネーター2」以来、28年ぶりにジェームズ・キャメロンが製作に復帰
お馴染みのアーノルド・シュワルツェネッガーに加え、サラ役のリンダ・ハミルトンとジョン・コナー役のエドワード・ファーロングも再登場
監督は「デッドプール」を大ヒットさせたティム・ミラー
そして、シリーズでもっとも人気の高い「ターミネーター2」の直接の続編
公開前の批評家のレビューも上々
「ターミネーター2」以降では最高の続編だと評された

どう考えても失敗する要因がない
多くの専門家がヒットを予想していた
専門のサイトでは3,800万から4100万ドル
場合によっては「ターミネーター」シリーズ最高である4,700万ドルというオープニング成績も、十分にあり得ると予想していた
ところが、まさかの爆死
にわかには信じられない
その原因は何だったのか?

オープニング成績

「ターミネーター ニュー・フェイト」は初週1位に輝いたものの、興行収入は2900万ドル
専門家の予想を大きく下回った

1. 「ターミネーター ニュー・フェイト」 2. 「ジョーカー」 3. 「マレフィセント2」 4. 「Harriet」 5. 「Th...

頼みの綱だった中国も、初登場2位で2800万ドルという期待外れの成績
北米を含めた世界全体では1億2360万ドル
製作費は1億8,500万ドルといわれているが、それにすら届いていない

損益分岐点は約4億5000万ドルといわれている「ターミネーター ニュー・フェイト」
絶望的な数字である
専門家は「ニュー・フェイト」は約1億2000万ドルの損失を出すだろうと見ている

なぜ、こんな悲惨な結果になったのか?
海外のサイトなどを参考に、原因を探ってみた

原因は「ジョーカー」


10月4日に公開され、9350万ドルという記録的なオープニングを飾った「ジョーカー」
その後も快進撃を続け、世界で9億ドルを越え北米でも3億ドル間近
もはや社会現象だった
ちなみに「ジョーカー」の製作費は5500万ドル
「ターミネーター ニュー・フェイト」の3分の1以下である

娯楽作というには過激で刺激の強い「ジョーカー」
会社の上層部も、こんな暗い話が売れるわけがない、と期待していなかった
それがまさかの大ヒット
「ジョーカー」を見た後では、従来の話題作や人気作の続編は、観客にはありきたりに映るのかも知れない
実際、「ジョーカー」の後に公開された「ジェミニマン」「マレフィセント2」などの話題作は、どれも芳しくない成績だった
「ターミネーター ニュー・フェイト」も「ジョーカー」に蹴散らされた1本だと言えないだろうか?

原因は不発続き

ジェームズ・キャメロンは「ターミネーター2」の後、シリーズを去った
その後の続編

2003年の「ターミネーター3」
2009年の「ターミネーター4」
2015年の「ターミネーター 新起動/ジェニシス」

これらは興行的にも作品の評価的にも芳しくなかった
そして「ターミネーター ニュー・フェイト」でついにジェームズ・キャメロンが戻ってきた
シリーズ復活!!
本来の「ターミネーター」が蘇る
そして完成した作品は高評価で迎えられた

………………なのに、観客は戻ってこなかった!!

ある専門家は言う

「どんな人気シリーズでも、駄作が続けば観客の心は離れます。シリーズ復活という謳い文句も、「ジェニシス」の時にも使われていました」

また騙される
そう観客が警戒しても何の不思議もない
ジェームズ・キャメロンが復帰しても、観客の心を取り戻すのは容易ではなかったようだ

原因はアーノルド・シュワルツェネッガー

「コマンドー」「プレデター」「ツインズ」「トータル・リコール」「キンダーガートン・コップ」
出る作品がことごとく大ヒット
アーノルド・シュワルツェネッガーは一時代を築いたスーパースターだった
あの輝きが強烈に記憶に刻まれている人も少なくないだろう

では現在はどうか?
シュワルツェネッガーは2004年から2011年まで、カリフォルニア州の知事として7年の任期を務めた
その間、俳優業は休業
そして「ラストスタンド」で俳優として復帰したのだが、自らの主演作最低の大コケを記録した
その後も復帰後はまだ1本もヒット作に恵まれていない
もはやかつてのスーパースターではないのだ
多くの若者にとっては、ただの年老いた俳優に過ぎない
そのことが「ターミネーター ニュー・フェイト」の不入りに、影響しなかったとは言えないだろう

原因は時系列

「ターミネーター 新起動/ジェニシス」はファンには不評だった
そのため「ニュー・フェイト」では「ジェニシス」はなかったことになった
そのことは歓迎すべきことのはずだった
だが、本当にそうだろうか?
普通に「ジェニシス」の続きが見たかったという観客もいたのではないか?
特に中国では「ジェニシス」は1億1200万ドルの大ヒットを記録している
その続きが見れると思ったら、「ジェニシス」はなかったことになりました、と言われたら?
いい加減にしろ、と怒る観客がいてもおかしくない

このシリーズに振り回されることに、うんざりしている人々はやはりいたのだろう
中国での爆死はそういったことが影響しているかも知れない
何しろ「ターミネーター 新起動/ジェニシス」は2015年
そんな昔の話ではないのだ
「ジェニシス」の続きをやっていればヒットしたというわけではないが、観客が混乱したことは確かだろう

原因は「ターミネーター2」

「ターミネーター2」はアーノルド・シュワルツェネッガーの人気のピーク、新しい驚異的な映像技術、ド派手なアクションなど様々な要因が重なってファンを熱狂させた作品である
シリーズの中で最大の人気を誇るといっていいだろう
その直接の続編がジェームズ・キャメロン自身の手によって作られる
こんなにエキサイティングなことはない

だが、今になって思うと、そう感じたのはリアルタイムであの作品を体験した人間ばかりではないか
忘れてはいけないのは、「ターミネーター2」はもう28年も前の作品だということだ
若い世代にとっては過去の1作品に過ぎない
その続編が作られるからといって、心躍るだろうか?
アーノルド・シュワルツェネッガーやリンダ・ハミルトンの復活も、彼らには年老いた俳優たちの同窓会のようなものに見えたかも知れない

記憶に新しいのは「ブレードランナー2049」が、高い評価を得ながらも爆死したことだ
伝説のSF作品「ブレードランナー」の続編が作られるというのは、一つの事件だった
ところが若い世代には、昔のSF映画の続編が今さら作られた程度のものだったらしい
世代間のギャップ
「ターミネーター ニュー・フェイト」も同じ理由で、爆死した可能性はある

シリーズの終焉

そもそも「ターミネーター」シリーズは賞味期限が過ぎているのかも知れない
「マーベル」「スター・ウォーズ」のように、ファンを育てることが出来なかった
そのツケが回ってきたようだ

あるスタジオの関係者は「ニュー・フェイト」の続編について、「考えられない」と発言した
もしかしたら「ターミネーター ニュー・フェイト」は、シリーズにピリオドを打ってしまったのかも知れない
少なくともアーノルド・シュワルツェネッガーとリンダ・ハミルトンが出演する「ターミネーター」は、これが最後になるだろうと言われている

「もしシリーズが続いたとしても、数年後にアニメとかででしょう」

専門家はそんな風に見ているようだ

とうとう戻ってきた 本物のターミネーターが!! ド派手なアクション 壮大な世界観 ヒューマニズム これぞジェームズ・キャメロン ...

まとめ

ヒットしない理由がないと思われた「ターミネーター ニュー・フェイト」
だが、こうして改めて検証してみると、いくつもの不安要素はあったようだ
全て結果論に過ぎないのだが
「ニュー・フェイト」の続きが見れる可能性は限りなく低そうだ
それでも「ターミネーター」シリーズやジェームズ・キャメロンのファンなら、劇場に足を運ぶべきだろう
これが「ターミネーター」の見納めになるかも知れないのだから

この記事には「ターミネーター ニュー・フェイト」の重大なネタバレがあります 鑑賞前の人は絶対にこの先を読まないでください!! ...
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