「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」が8月13日に、日本でいよいよ公開される
「スーパーマン」や「バットマン」など、DCコミックスのスーパーヴィランが集結
大ヒットした「スーサイド・スクワッド」のシリーズ第2弾
監督は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズで凄まじい才能を見せたジャームズ・ガン
こうして完成した「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」は圧倒的な高評価だった
IMDbのスコアは7,6
ロッテントマトの批評家支持率は91%、観客支持率は84%
批評家からもファンからも絶賛されたのだ
これは大ヒット間違いなしだ!!
誰もがそう思った
ところが一足早く公開されたアメリカでは苦戦しているようなのだ
一体、何が起こったというのか?
作品解説
ハーレイ・クイン、ブラッドスポート、ポルカドットマン、ピース・メイカー
究極の悪党である彼らは、“死亡率最悪”の刑務所に収容されていた
何としてでも、こんな地獄から抜け出したい
そんな彼らに10年の減刑と引き換えに、成功するのはほぼ不可能なミッションが与えられる
首の後ろに爆弾が埋め込まれ、命令に背けば即死
ミッションに失敗しても死亡
ほぼ死亡宣告といえる最悪のミッション
それに14人のスーパーヴィランが挑む…………
出演は前作に続きハーレイ・クイン役にマーゴット・ロビー
他にイドリス・エルバ、ジョン・シナ、ヴィオラ・デイヴィス、ジョエル・キナマン
キング・シャークの声はシルベスター・スタローンが担当した
オープニング成績
「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」は8月5日にアメリカで公開された
2016年に公開された前作「スーサイド・スクワッド」のオープニング成績は、1億3370万ドルという記録的な大ヒット
そのため本作のオープニング成績は少なくとも3000万ドル、一部の関係者は4,000万ドル以上を見込んでいた
しかし、「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」が最初の週末に稼いだのは、わずか2,650万ドルだった
本作の製作費は1億8,500万ドルといわれている
首位は飾ったものの、それだけの超大作にしては、非常に残念な成績となった
これだけの話題作が爆死した原因は何だったのか?
続編か? リメイクか?
大ヒットした前作「スーサイド・スクワッド」の原題は「Suicide Squad」
そしてシリーズ第2弾である本作の原題は「The Suicide Squad」
スーサイド・スクワッド2ではない
Theがついただけなのだ
誰もが映画の情報を逐一チェックしているマニアではない
これは前作の続編なのか?
それとも全く違うリメイクなのか?
確かにハーレイ・クイン役でマーゴット・ロビーが、前作に続いて出演している
だが、ウィル・スミスはどこにもいない
続編か? リメイクか?
些細な問題かも知れない
しかし、分かりにくい映画という印象を持った観客は多かったようだ
それが人々の足を遠ざけてしまったのかも知れない
R指定
「ジョーカー」、「LOGAN/ローガン」、「デッドプール」
R指定なのに大ヒットしたスーパーヒーロー映画はいくつもある
だが、興行的なリスクが伴うのも事実だ
大ヒットした前作「スーサイド・スクワッド」はPG-13(13歳未満の子どもが鑑賞する場合には、保護者の注意や指導が望ましい)だった
しかし、本作はR指定になった(日本は「R15+指定」)
もちろん、この作品がR指定でなかったら、全くの別物になっていただろう
作品のクォリティのために必要なことだった
とはいえ大ヒットした「ジョーカー」の製作費は5500万ドル
製作費1億8,500万ドルの超大作には、かなりリスキーな賭けだったようだ
知られていないキャラクター
監督のジャームズ・ガンは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」を大ヒットさせた
スター・ロード、ガモーラ、ドラックス、グルート、ロケット
この作品のキャラクターは多くの人に知られているだろう
ところが公開当時、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」はほとんど無名の存在だった
原作のコミックを読んでいる人間は、ほぼいなかったのだ
そのため今では考えられないが、爆死すらささやかれていた
未知のキャラクターを使うのは悪いことではない
とはいえ成功するとも限らない
本作にはスーパーマンもバットマンも出てこない
前作に出ていたジョーカーすらいない
ブラッドスポート、ポルカドットマン、ピース・メイカー
知っているキャラクターが1人でもいただろうか?
それはアメリカ人も同じだったらしい
下手すると有名なのは、ハーレイ・クインぐらいかも知れない
彼女だけで観客を呼び込むことは難しかったようだ
ハーレイ・クイン
マーゴット・ロビーはハーレイ・クインのはまり役
ファンの多くがそう考えている
またマーゴット・ロビー自身もハーレイ・クインに愛着があり、情熱を注いでいるようだ
しかし、ハーレイ・クインの前作「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」は爆死した
オープニング成績は予想をはるかに下回る3,300万ドルだったのだ(それでも本作より多い)
ファンの多くがハーレイ・クインを愛している
だが、一般の人々はどうやらそれほどでもないようだ
ハーレイ・クインの不人気が、本作で改めて証明されてしまったかも知れない
スターの不在
前作「スーサイド・スクワッド」は世界中で7億4600万ドルを稼いだ
続編が作られたのも当然だろう
しかし、大ヒットした要因は何だったのか?
ハーレイ・クインの華々しいお披露目
ジャレッド・レト演じる新しいジョーカー
そして何より大スターのウィル・スミスが出演していた
確かに「アフター・アース」、「ジェミニマン」などウィル・スミス主演作でも外れることはある
だが、「バッドボーイズ」、「アラジン」、「メン・イン・ブラック」など、人気のIPと組み合わせると爆発的な動員力を誇る
確かに「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」にも、マーゴット・ロビーやイドリス・エルバなど素晴らしいスターが出演している
しかし、正直言ってどちらもウィル・スミスと比べると格下
彼らを目当てに劇場に足を運ぶ人は、あまりいないだろう
本作はヒット作に必要なスターが不足していた
前作の影響
前作「スーサイド・スクワッド」は世界中で大ヒットした
だが、公開されたのは2016年
もう5年も経っている
鉄は熱いうちに打て、という言葉もある
今さらの続編
そう感じる人がいても不思議ではないだろう
しかも前作の評価はぶっちゃけ芳しくなかった
ロッテントマトの批評家支持率は26%、観客支持率は59%
どちらかというとファンの間でも、黒歴史として認識されている作品だ
そんな苦い記憶を持つ人々が、本作を見に行くのに消極的になっても不思議ではない
新型コロナウイルス
「ゴジラvsコング」が全世界で4億6700万ドル
「ブラック・ウィドウ」が全世界で3億6000万ドル
パンデミックで打撃を受けた映画興行も、徐々に復調の兆しを見せていた
しかし、この2週間で新型コロナウイルスデルタ株による感染者が、アメリカでも急増
人々は再び映画館から足を遠ざけるようになった
こればかりはどうしようもないかも知れない
ストリーミング
日本では馴染みがないが、ワーナーはHBO Maxというストリーミングの定額制サービスを行っている
いわばNetflixのようなものである
この「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」は劇場公開と同時に、HBO Maxでも配信された
それにより多くの人が自宅で本作を視聴したようだ
HBO Maxのエグゼクティブであるアンディ・フォーセルによると「HBO Maxで初公開された映画の中で、これまでに2番目に視聴された」とのことだ(1位は「モータルコンバット」)
ワーナー・ブラザースは映画を家庭と映画館で、同時公開することを選択した
もはや映画の興行成績だけで、成功したか爆死したかなどという判断は出来ないのかも知れない
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