映画「アリー スター誕生」感想と解説(ネタバレあり) アリーが手に入れたものと失ったもの

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見ごたえのある音楽ドラマである
主演のレディ・ガガの熱演は素晴らしく、さすがの歌唱力
初監督のブラッドリー・クーパーの演出は瑞々しく、それでいて巨匠のような安定感
一級品であることは間違いない
だが、ここで描かれるのは名声の光と影である
予想以上にビターな物語が展開するので、ご覚悟を、


予告編

作品情報
作品名「アリー スター誕生」(原題A Star Is Born)
監督:ブラッドリー・クーパー
キャスト:レディー・ガガ、ブラッドリー・クーパー、アンドリュー・ダイス・クレイ、デイブ・チャペル、サム・エリオット
上映時間:136分
製作費:$36,000,000(IMDb推定)
製作国:アメリカ(2018年)

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ざっくりあらすじ

小さなバーで細々と歌っていたアリーは世界的ロックスターのジャクソンに見いだされ、ショービジネスの世界に飛び込んでいくが………………

感想(ここからネタバレ)

1937年の「スター誕生」の4度目のリメイクである
恥ずかしながら一作も見たことがなかったので、予想したよりシビアなストーリで驚いた

ジャクソンとの出会い

アリーは歌の才能に恵まれ、歌手になることを夢見ていたが、容姿にコンプレックスを持っていた
今はしがないバーで細々と歌う日々
だが、たまたま店に立ち寄った世界的ロックスターのジャクソン・メインに才能を見出されたことにより、アリーの人生は一変する
ジャクソンのライブに招かれ、大観衆の前で飛び入りで熱唱するアリー
それは大反響を呼び、いっきにスターへの道が開かれたのだった………………

冒頭からアリーが大観衆の前で「シャロウ」を熱唱するところまで、演出といい話運びといい、全てが完璧
これぞシンデレラ・ストーリーであり、エンターテイメント
極上のカタルシスを味わうことが出来る


登場人物

アリー
才能はあるが容姿に自信がなく、くすぶっている
ジャクソンに才能を見出されることにより、スターへの道を歩みだす
演じるのはレディ・ガガ

ジャクソン・メイン
世界的に人気のロックスター
酒が手放せない
アリーの歌にほれ込み、女性として愛するようになる
演じるのはブラッドリー・クーパー

口パクを嫌うレディ・ガガの意向により、クーパーは厳しい歌のトレーニングを受けた
劇中で流れる歌は全て彼本人のものである
演技が出来て、演出が出来て、歌まで上手いとか凄すぎる

代表作

「アメリカン・スナイパー」
名匠クリント・イーストウッドの問題作
ブラッドリー・クーパーは伝説のスナイパーを演じた
アカデミー賞に6部門でノミネートされ、社会現象を巻き起こした

ボビー
ジャクソンの年の離れた兄で、彼の世話を焼く
口うるさいが頼りになる存在
演じるのはサム・エリオット
渋い演技で作品を支えた

監督

ブラッドリー・クーパー
初監督とは思えない演出の冴えを見せた
もともと映画監督になるのが夢だったらしい
特に脇役一人一人まで魅力を引き出す演出力は見事
ロバート・レッドフォード監督の初期作品を思い出した

もともと本作はクリント・イーストウッドがビヨンセ主演で映画化するはずだった
それがビヨンセの妊娠で流れて、ブラッドリー・クーパーに話が回ってきたらしい
結果的には見事な作品が出来上がった

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レディ・ガガ

映画初主演のレディ・ガガの体当たりの演技は素晴らしい
いつの間にかアリーがレディ・ガガ本人に見えてくる
監督もレディ・ガガの素顔を引き出すことに尽力したらしい
またライブシーンはさすがの貫禄
見事な歌唱力をスクリーンでも見せつけた

魅力的なナンバー

レディ・ガガもブラッドリー・クーパーも素晴らしい歌声を披露してくれる
どの曲も印象的で素晴らしかった
その中でも1曲を挙げるとすれば二人がデュエットした「シャロウ」だろう
ストーリーと歌の相乗効果で、とてつもないカタルシスだった
本作で一番盛り上がったシーンと言ってもいいだろう

アリーとジャクソンの愛

この「アリー スター誕生」はラブストーリーでもある
初めて自分の才能を見出してくれたジャクソン
アリーは彼に心から感謝し、愛するようになる
二人は音楽を通して強烈に惹かれ合った

二人で音楽を奏でる喜び
二人で一緒にいる幸せ
アリーとジャクソンは幸福の絶頂だった
しかし、名声が高まりつつあるアリーと、名声が衰えつつあるジャクソン
そのことが徐々に二人の仲を蝕んでいった


名声の光と影

ジャクソンと舞台に立ち、一躍注目を集めたアリー
スカウトされてスターへの道を上り始める
一方、ジャクソンはもともと悪かった聴力を失いかけていた
このままでは歌手としての生命は失われる
ジャクソンはさらに酒に溺れるようになった
またアリーもレコード会社に見た目や歌の内容まで指図されて、自分を見失いかけていた

物語の構造

今年、話題となり社会現象にまでなった音楽映画に「ボヘミアン・ラプソディー」がある

ラスト21分の伝説のライブに圧倒された クイーンのファンや音楽映画が好きな人は、そのためだけでも見る価値あり これは大画面でぜひ体験して...

この物語はバンドの結成から成功解散の危機、そして再起するまでを描いている
「アリー スター誕生」もスターとして成功した後に、厳しい試練が待ち受けている
すれ違い、傷つけ合い、挫折を味わう二人
非常にストレスのたまる展開である
だが、「ボヘミアン・ラプソディー」のように最後には大きなカタルシスが待っているに違いない
そう信じて見続けたのだが、最後の最後でとんでもない悲劇が………………

オリジナル作品と同じ展開だったようだが、タイトルからポジティブな内容を想像していたため、正直驚いた
まさかこんな救いのない結末が待っていようとは

アリーはあのままスターになれたのか?
本来の自分を取り戻せたのか?
あの胸糞悪いアリーのマネージャーはお咎めなしか?

色々なことに決着がつかず、モヤモヤした展開だった
この辺りは好みが分かれそうだ
「ボヘミアン・ラプソディー」のような最後のカタルシスを期待していると、ガッカリしてしまうだろう

まとめ

ブラッドリー・クーパー初監督作品とは思えない見事な出来栄えである
オリジナルを越えたという声があるのも頷ける
レディ・ガガの全てをさらけ出したような演技も素晴らしい
それだけでも見る価値がある
ただ後半はかなりビターな展開で、気が滅入ること間違いなし
そこは好みが分かれそうだ

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A Star Is Born (2018) on IMDb


Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/a_star_is_born_2018
allcinema
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=364566

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