映画「ボヘミアン・ラプソディ」感想と解説(ネタバレあり)クライマックス、彼らは伝説となった!!

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ラスト21分の伝説のライブに圧倒された
クイーンのファンや音楽映画が好きな人は、そのためだけでも見る価値あり
これは大画面でぜひ体験して欲しい


予告編

映画『ボヘミアン・ラプソディ』最新予告編が世界同時解禁!

作品情報
作品名「ボヘミアン・ラプソディ」(原題Bohemian Rhapsody)
監督:ブライアン・シンガー
キャスト:ラミ・マレック、ルーシー・ボーイントン、グウィリム・リー、ベン・ハーディ、ジョセフ・マッゼロ
上映時間:135分
製作費:$52,000,000(IMDb推定)
製作国:アメリカ(2018年)

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ざっくりあらすじ

フレディ・マーキュリーは出自や容姿にコンプレックスを持った孤独な若者。ブライアン・メイとロジャー・テイラーに出会いバンド“クイーン”を結成する。

感想(ここからネタバレ)

ぶっちゃけ洋楽にはあまり詳しくない
クイーンの曲も聞いてはいたが、バンドの裏話などは全く知らなかった
成功の陰にこんな壮絶な物語があったとは

クイーン結成

フレディ・マーキュリーはロックに夢中な若者だが、自分がインド出身で歯に特徴があることにコンプレックスを持っていた
スマイルというバンドを気に入っていたフレディは、ライブの後で彼らを探した
するとスマイルのブライアン・メイロジャー・テイラーが途方に暮れていた
たった今、ボーカルが辞めたというのだ

「だったら俺をボーカルにどう?」

フレディの言葉に二人は苦笑した
だが、彼が披露した歌声は素晴らしいものだった

新たにベースのジョン・ディーコンも加入し、バンド”クイーン”は結成された
しばらくは鳴かず飛ばずだったが、車を売ったお金でレコーディングをして、レコード会社の目に留まった
クイーンの人気はみるみる上昇
全米ツアーも実現した
私生活ではフレディは恋人メアリーと結婚した

人気ロックバンドとなったクイーン
全てが上手くいっているかに見えた
だが、フレディは誰にも言えない苦悩と孤独を抱えていた………………………………

キャラクター

フレディ・マーキュリー
クイーンのボーカル
歌唱力とパフォーマンスは天性のものを持っている
自分の複雑な出自や容姿のことを気にしている
演じるのはラミ・マレック

メアリー・オースティン
フレディの恋人
疎遠になった後も、いつもフレディのことを心配している
演じるのはルーシー・ボーイントン

ブライアン・メイ
クイーンのギター
落ち着いた性格で、みんなのまとめ役
演じるのはグウィリム・リー

ロジャー・テイラー
クイーンのドラム
女好き
ちょっと短気なところがある
演じるのはベン・ハーディ

ジョン・ディーコン
クイーンのベース
一番遅れて参加した
温和な性格
演じるのはジョセフ・マッゼロ

監督

ブライアン・シンガー
「X-メン」シリーズなどを手掛けた人気監督
本作の完成前に解雇された
遅刻が多く、キャストやスタッフと口論が絶えなかったという噂である

代表作

「ユージュアル・サスペクツ」
ブライアン・シンガーといえば、やはりこれ
予測不能のサスペンス
世界に衝撃を与えた

ユージュアル・サスペクツ (字幕版)

デクスター・フレッチャー
ブライアン・シンガーの後任
残り3分の1を監督した

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サクセスストーリー

作中ではクイーンはいっきにスター街道を駆け上がる
レコーディングの金にも困っていた若者たちが、テレビに出演し各国でツアーを行い、いちやく時の人となった
そののし上がっていく様子は見ていて快感である
本作はサクセスストーリーとしての魅力もある
青春の勢いと情熱を体験できるだろう

ボヘミアン・ラプソディー

「キラー・クイーン」「ウィ・ウィル・ロック・ユー」「伝説のチャンピオン」「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」など
本作ではクイーンの数々の名曲が彩る
これはファンにはたまらない
また名曲が誕生するまでのエピソードが描かれているのも、この作品の魅力
特にタイトルである「ボヘミアン・ラプソディー」誕生のエピソードには時間が割かれている

既存の音楽に縛られたくない
フレディはロックにオペラを取り入れた
その作品は複雑な構成で6分もの演奏時間になった
クイーンの面々はこの曲をシングルにしたかったが、レコード会社は長すぎると猛反発
結果、この曲は世界中で大ヒットし、英国でもっとも売れた曲となった

Queen – Bohemian Rhapsody (Official Video Remastered)

熱演

この作品で素晴らしいのは、やはりフレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックの熱演だろう
ステージ上でのパフォーマンス
スーパースターの孤独と苦悩
フレディという情熱的でカリスマ性にあふれ複雑な人物を、見事に演じている
もはやフレディ本人が憑依していると錯覚してしまう程だ
間違いなく映画史に残る熱演である

栄光の影

素晴らしい大成功を収めたクイーン
万事、上手くいっているはずだった
しかし、実際にはフレディの苦悩は濃くなっていった

自問自答をした結果、フレディは自分が同性愛者だと認めざるを得なくなる
ショックを受けるメアリー
結婚生活は破綻した

栄光と名声はじょじょに大切なものを狂わせていった
強い絆で家族同然だったクイーンのメンバーとの仲も、ギクシャクしていった
誰にも言えない深い苦悩と孤独
フレディはクイーンからしばらく離れて、ソロで活動すると宣言する
ショックを受けるメンバーたち
クイーンは実質、解散同然となった

仲間たちから離れたことで、さらにフレディは孤立していった
彼の周りには金目当ての取り巻きしかいなくなった

さらにショックなことがフレディを待ち受けていた
フレディはHIVに感染していたのだ

メンバーとの関係が悪化
メアリーとの破局
深まる孤独
しばらく辛い展開が続く

またこの作品ではLGBTに関して真正面から取り上げている
あれだけ才能あるパフォーマーでスーパースターのフレディに、これほどの苦悩があったとは思いもよらなかった
クイーンの真実を垣間見た気分である

再結成

ここまでのこの作品への個人的な評価は、まあまあというところだった
中盤、様々な問題が噴出し、重苦しい展開が長く続くので、見ていてちょっとしんどかった

フレディはメアリーの励ましで、自分にとって大切なものは何かようやく思い出す
クイーンのメンバーにフレディは許しを請う
もう一度、一緒にバンドをやりたい
メンバーはフレディの真剣さを感じ取り、また4人でやることに同意したのだった

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ライヴエイド

「1億人の飢餓を救う」というスローガンの下、20世紀最大のチャリティーコンサート「ライヴエイド」が開催される
イギリスのウェンブリー・スタジアムとアメリカのJFKスタジアムで同時に行われ、衛星中継で全世界に放送される大規模なコンサートだ

「もう何年も演奏していない。いきなりそんな大舞台は無理だ」

メンバーは及び腰だった

「出なければ死ぬまで後悔する」

フレディは自分がHIVに感染していることを、メンバーに告白した

「俺はパフォーマンスをするために生まれてきた」

今はまだ喉の調子が芳しくないが、当日までには最高の状態にしてみせる
フレディの熱意にメンバーも心を動かされた

伝説のライブ

中盤、中だるみを感じていた本作
だが、クライマックスの盛り上がりは凄まじかった

1985年7月13日、ライヴエイドの当日
クイーンのステージは伝説となった
このライブシーンの臨場感が素晴らしい
音楽映画は好きでそれなりに見ているが、ここまで盛り上がったライブシーンを他に思い出せない

少々中だるみだと思った部分も、このクライマックスのカタルシスのためだった
21分、ライヴエイドのクイーンのステージをまるまる再現するという発想が凄い
また実際のライブ映像では絶対に不可能な、映画ならではのカメラワークも目を見張るものがある
とにかく、あまりの盛り上がりにまばたきする暇もないほどだった
フレディ役のラミ・マレックの神がかったパフォーマンス
どよめくスタジアム
全てが圧巻

最高潮に盛り上がったところで、映画は幕を閉じる
そこもまた見事だ
観客は伝説のライブの生き証人になったような気分で、映画館を出ることになる
音楽映画に限らず、これほどクライマックスが盛り上がった作品がどれほどあっただろう
まさに映画史に残るライブシーンだったと思う

Queen – Live at LIVE AID 1985/07/13


伝説の証 ~ロック・モントリオール1981&ライヴ・エイド1985 [Blu-ray]

まとめ

見ている最中は細かい不満もあったが、ラスト21分のライブシーンに圧倒されて、終わってみれば最高だったという印象しかない
帰った後も興奮が冷めやらず、頭の中をクイーンの楽曲が鳴り響いている
フレディ・マーキュリーという一人の男
彼には他人には言えない苦悩や深い孤独があった
しかし、そんなフレディがひとたびステージに立つと、そんな鬱積したものは瞬時に吹き飛ぶ
その最高のパフォーマンスに誰もが魅了される
まさに真のスーパースターと呼ぶにふさわしい
伝説のライブをぜひ大画面で目撃して欲しい

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Bohemian Rhapsody (2018) on IMDb


rotten tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/bohemian_rhapsody
allcinema
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=364404

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