Netflix「舞妓さんちのまかないさん」ネタバレ感想 明るくてほっこりする良作!!

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Netflixオリジナル・ドラマ
舞妓さんになるために京都へやってきた16歳のキヨは、ひょんなことから皆に食事の用意をする「まかないさん」として働くことになるが…………

小山愛子の人気コミックを是枝裕和監督が実写化
舞妓さんの日常を描いた明るく心暖まるドラマ

キヨを演じる森七菜が文句なしに素晴らしい
すみれ役の出口夏希もはまり役
親元を離れて祇園で頑張る2人を心から応援したくなった
2人を暖かく見守る屋形のお母さん、常盤貴子と松坂慶子が非常にいい味
橋本愛も祇園一の芸妓を美しく演じている
華やかな着物
美しい京都の四季
舞妓さんたちの日常が時にコミカルに、時にシリアスに描かれる
菅野よう子の音楽も素晴らしい
またキヨが作る料理が本当に美味しそう
今回は何の料理なのかと、ワクワクして見てしまった
派手な事件は起きないが、全く退屈しない
めちゃくちゃ贅沢な朝の連続テレビ小説を見ているような気分だった
Netflixでしか見られないのが、もったいないレベル
ほのぼのした原作に是枝監督流のスパイスが加えられ、かなり良質なドラマとなっている

予告編

『舞妓さんちのまかないさん』本予告編- Netflix

作品情報
作品名「舞妓さんちのまかないさん」
原作:小山愛子
企画:川村元気
音楽:菅野よう子
総合演出:是枝裕和
キャスト:森七菜、出口夏希、蒔田彩珠、城桧吏、福地桃子、若柳琴子、南琴奈、リリー・フランキー、北村有起哉、尾美としのり、古舘寛治、戸田恵子、白石加代子、松坂慶子、橋本愛、松岡茉優、井浦新、常盤貴子
全9話
製作国:日本(2023年)

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ざっくりあらすじ

親友同士のキヨとすみれは、舞妓さんになるため青森から京都へやってきた。2人は屋形に住み込み、舞の稽古に励んだが、才能著しいすみれと違ってキヨは舞妓に向いていないと見放されてしまう。しかし、ひょんなことからキヨは皆に食事の用意をする「まかないさん」として働くことになり…………

感想(ここからネタバレ)

あの原作をまさか是枝監督が実写ドラマ化するとは…………

京都へ

野月キヨ戸来すみれは幼馴染で親友同士
すみれは生真面目な努力家でキヨはのんびり屋のマイペースだったが、2人は姉妹のように仲が良かった
幼馴染の健太キヨのおばあちゃんに見送られて、キヨとすみれは青森から京都へ旅立った
2人の目的は舞妓さんになることだった

京都の祇園へ辿り着いた
キヨとすみれがお世話になるのは「朔」という屋形だった
そこにはあずさお母さん先代のお母さん千代がいた
今日から仕込みさん(舞妓候補)としての修業が始まるのだ
張り切る2人にあずさの高校生の娘、涼子は「舞妓なんて時代遅れ」と辛らつな言葉を放った

舞妓になるための様々な稽古
努力家のすみれはメキメキと上達していったが、マイペースのキヨは一向に上手くならなかった
ついにはキヨは「舞妓に向いてないから、青森へ帰るように」と言われてしまう
気落ちするキヨ
そして、それ以上にすみれはショックを受けていた

青森へ帰るためにキヨが身支度をしていた時だった
一階の台所から煙が上がった
最近、まかないさんのさちこさんがぎっくり腰で来られなくなり、屋形では食事に不自由していた
出前に飽きた先輩の舞妓さんたちは、自ら料理を試みたが失敗
台所は惨憺たる有様だった

「もしよかったら、作らせてもらえませんか?」

夕飯をどうしようかと嘆いている皆に、キヨはそう言った
キヨは慣れた手つきで料理を始めた
完成したのは親子丼
それを食べたお母さんや姉さんたちには大好評
こうしてキヨは屋形で、まかないさんとして働くことになったのだが…………

作品解説

企画は「告白」「悪人」「君の名は。」などの川村元気

音楽は「カウボーイビバップ」「海街Diary」の菅野よう子

原作「舞妓さんちのまかないさん」

原作は週刊少年サンデーで連載中の小山愛子による人気コミック

またNHKでアニメも放送され、原作に忠実な良作だった
キヨを演じた花澤香菜もイメージぴったり

この「舞妓さんちのまかないさん」は少年マンガとしては異色の作品である
少年マンガなのに、料理対決などはなし
あっと驚くような料理が出てくるわけでもない
ストーリーもドラマチックなものはまるでない
しかも主人公の仕事は裏方
ぶっちゃけ地味
丁寧で魅力的な作品ではあったが、いつ打ち切りになってもおかしくないとも思っていた
そのためアニメ化が決まった時には驚いた
そして、今度はNetflixでドラマ化とは!!
連載開始時には想像もしなかった

舞妓さんのまかないさんという非常に局地的なストーリー
地味でマイペースで暖かくて、まるで主人公のキヨちゃんのよう
まさにオンリーワンの作品といえるだろう

キヨ(野月キヨ)

舞妓になるため青森県から京都へやってきた16歳の少女
しかし、マイペースすぎる性格が災いし、早々に見限られるが、屋形の「まかないさん」として残ることになる
料理はおばあちゃんに仕込まれて、かなりの腕前
明るく無邪気な性格
舞妓さんを目指す親友のすみれのことを、心から応援している

演じるのは「天気の子」のヒロイン・天野陽菜役で注目された森七菜
連続テレビ小説「エール」や映画「ラストレター」などにも出演

原作のキヨは明るくて暖かくて、どこか不思議な子
そのためアニメはともかく実写でやると、嘘くさくなるのではと不安だった
ところが森七菜は自然体で素晴らしい演技を披露
リアルのキヨはこんな感じなんだと、思わせてくれた

すみれ(戸来すみれ)

キヨの親友で幼馴染
舞妓さんになるため、一緒に青森から京都へやってきた
努力家で自分に厳しい性格
才能にも恵まれ、周囲から「100年に1人の逸材」と言われている
キヨのことが大好きで、心から大切に思っている

本作のもう1人の主人公
ドラマはすみれが見習いを卒業し、舞妓さんになるまでが描かれる
演じるのは「インバージョン」、「ばかやろうのキス」の出口夏希
キヨの前でだけ見せる年相応の素顔が印象的だった

コミックの実写化

コミックの実写化は盛んである
Netflixでは「今際の国のアリス」が記憶に新しい

「今際の国のアリス」のシーズン2がNetflixに登場 アリスとウサギは今際の国で、さらに難易度の高いトランプの絵札のげぇむに挑むが………...

「万引き家族」でカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した是枝裕和監督
その是枝監督が「舞妓さんちのまかないさん」を実写化
正直、驚きと同時に不安もあった
ドラマにするには難しい作品だと思ったからだ

京都の舞妓さんたちを描いた日常もの
主人公は裏方で地味
一つのエピソードが短い
ドラマチックな要素はなく、ほのぼのとした味わい

アニメ版は一つのエピソードを10分の短編にすることで、原作を忠実に再現していた
しかし、ドラマではどうだろうか
余計な鬱展開などを追加して、原作の良さを台無しにするのでは?
そんな懸念があった

それは第1話で登場する涼子の存在でさらに高まった

「舞妓なんかやめて、さっさと逃げた方がええと思うわ」

屋形に住む一般の高校生で、辛辣な言葉を吐く涼子
原作にはいなかったオリジナルキャラクターだ

ほのぼのした雰囲気がギスギスにっ!!

また同じくオリジナルキャラクターである出戻りの吉乃も、キャラが濃すぎて世界観にそぐわない気がした

そんな風に序盤は鼻につく部分もあったのだが、次第に気にならなくなった
むしろ最後の方では涼子や吉乃に愛着が湧いていた
キヨとすみれの物語
そういった原作の基本的な部分は、きちんと押さえられていたからだ
いわば本作は原作に是枝監督流のスパイスが、ひと味加えられた作品といっていいだろう
そのため原作より少しだけ大人向けだが、ドラマとしてのバランスを考えると、これが正解なのかも知れない

まかない

親子丼、からあげ、おにぎり、京風うどん、クリームシチュー、豚汁、サンドイッチ

本作に登場する料理は、基本的に普通のものばかり
料理ものとしては珍しい

親元を離れて暮らしている舞妓さんたち
彼女らは家庭の味に飢えている
だからこそキヨが作る飾り気のない普通の料理が必要なのだ

また登場する料理は非常に美しく撮影されている
調理の手元のアップシーンも、森七菜自身が演じているという
見ていると、こちらまでお腹が減ること請け合いだ

エピソード

原作よりも少しだけシリアスな要素が加わっているが、基本的には明るいタッチの作品となっている
特にキヨとすみれの固い友情は印象的

好きなのは第5話
仕込みさんは卒業して、舞妓見習いになることを認められたすみれ
喜びのあまり、すみれは誰よりも早くキヨに伝えようとする
キヨを見つけて抱きつくすみれ

「お師匠さんが認めてくれた。うち舞妓になるんや!!」
「えっ?」

キョトンとするキヨを見て、すみれは急に冷静になる
キヨだって本当は舞妓になりたかったのだ
あまりに無神経だったのではないか?

「すーちゃん、やったね!!」

次の瞬間、キヨが満面の笑顔ですみれに抱きつく
原作でも好きなシーンだったので、忠実にやってくれて嬉しかった

すみれが風邪をひいて、キヨが最高の材料を探し求めて、うどんを作ってあげるエピソード
1等のホームベーカリー欲しさに、キヨが商店街の福引の抽選券を集めるエピソード
第8話のまさかのゾンビ回には爆笑
また三谷幸喜が三谷幸喜役で登場したのも面白かった
全体的には明るく心暖まるドラマになっている

まとめ

原作を少し改変しているが、かなりの良作
キャストは皆が好演
映像や音楽も素晴らしい
予想以上に笑いが豊富で楽しかった
こういった良質なドラマをもっと見たい

Netflixドラマ「舞妓さんちのまかないさん」が、1月12日に全世界で配信された 小山愛子の人気コミックを是枝裕和監督が実写化 親...

The Makanai: Cooking for the Maiko House (2023) on IMDb

Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/tv/the_makanai_cooking_for_the_maiko_house/s01
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/386420

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