Netflix「嵐の中で」感想 タイムトラベルものの驚異の傑作!!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

まごうことなき傑作!!
「バタフライ・エフェクト」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜」「時をかける少女」
タイムトラベルものには昔から傑作が多い
それらに全く見劣りしない出来
冒頭から度肝を抜く展開
全く先の読めないストーリーが凄い
張り巡らされた伏線
様々な謎や意外な真実
「シュタインズ・ゲート」などタイムトラベルものが好きな人なら必見!!
見事なシナリオに唸らされるだろう


予告編

Durante la tormenta – Trailer final (HD)

作品情報
作品名「嵐の中で」(原題MIRAGE)
監督:オリオル・パウロ
キャスト:アドリアーナ・ウガルテ、チノ・ダリン、ハビエル・グティエレス、アルヴァロ・モルテ
上映時間:129分
製作国:スペイン(2018年)

スポンサーリンク
PC レスポンシブ

ざっくりあらすじ

1989年と2014年。嵐の夜に二つの時間軸がつながった………………

感想(ここからネタバレ)

スペイン映画、クォリティ高いなー
この作品も普通にハリウッドでリメイクされそう

嵐の夜

ベルリンの壁が崩壊した1989年11月9日
その日はひどい嵐だった
12歳の少年、ニコはギターの練習に余念がなかった
向かいの家で騒ぎが聞こえた
ニコは窓から覗いてみた
カーテンでよく見えないが、誰かが激しく取っ組み合っている
心配になってニコは向かいの家に忍びこんだ
そこで見たのは血まみれで床に倒れているヒルダ夫人だった
気づくとヒルダの夫プリエトが、包丁を手に階段の上に立っていた
ニコは驚いて家を飛び出し、車にはねられた

25年後の2014年11月9日
その日もひどい嵐だった
ヴェラは病院の看護師で、夫のデビッドと娘のグロリアと3人で幸せに暮らしていた
新しい家に引っ越したその日、デビッドが押し入れから古いテレビとビデオカメラを発見した
この家の前の持ち主のものらしい
ビデオを再生してみると、少年がギターを弾いている映像が映し出された
近所に住む二人の友人アルトルが、25年前の事件のことを教えてくれた
その少年ニコは車にはねられ死に、妻を殺した男は捕まって自殺したと

夜も更けた頃、ヴェラは物音で目が覚めた
古いテレビに勝手に電源が入っていた
ブラウン管に映っているのはニコ少年だった

「あなたは誰?」

ニコがこちらに話しかけてきた
突然のことに困惑するヴェラ
ニコがいきなり後ろを向いた
向かいの家で騒ぎがするというのだ
ヴェラは必死にニコに、外に出てはいけない、車にはねられて死ぬことになる、と説得した

翌朝、ヴェラは病院で目が覚めた
世界はガラリと姿を変えていた………………

登場人物

ヴェラ
医学部の優秀な生徒だったがグロリアを生み、医師を諦め看護師になった
夫と娘と3人で幸せに暮らしていたが………………
演じるのはアドリアーナ・ウガルテ

ニコ
ギターが好きな12歳の少年
本当は死ぬ運命だったが、ヴェラに救われる

デビッド
ヴェラの夫
銀行に勤めるエリート
演じるのはアルヴァロ・モルテ
Netflixドラマ「ペーパー・ハウス」の教授役で有名

レイラ刑事
警察署に駆け込んだヴェラに対応した刑事
半信半疑ながらも彼女の手助けをする
演じるのはチノ・ダリン

スペイン映画

Netflixではスペイン映画が多く配信されている
それまで馴染みがなかったのだが、秀作が多くて驚いた
ここでは一部を紹介

「ガン・シティ ~動乱のバルセロナ~」
ハリウッドが近年描かなくなったハードボイルドの世界
まさかスペインで作られるとは
スケールの大きな傑作
主人公がいぶし銀の格好よさ

最近、Netflixオリジナル作品が良作続きで困る この「ガン・シティ ~動乱のバルセロナ~」も日本の劇場で公開されていても、何ら不思議の...

「エレメンタリ ~鍛冶屋と悪魔と少女~」
クォリティの高さに驚き
中世ファンタジーの傑作
悪魔サルタエルのキャラが最高
ヒーローが鍛冶屋というのも面白い
ファンタジー好きなら必見

中世ホラーファンタジーである これは意外な掘り出し物 なかなか楽しかった 中世の雰囲気が素晴らしい 悪魔やクリーチャー好きなら見る価...

「ザ・ボス」
ワンマン社長と女性清掃員の交流
気軽に見られる人情コメディの良作
ラストは爽快な気分を味わえる

Netflixオリジナルのスペイン映画である スペインでは7月6日に劇場公開された 安心安定の人情物 ワンマン社長と女性清掃員の心の交...

タイムトラベル映画

タイムトラベルものには名作と呼ばれる映画が多い

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
ご存知タイムトラベルをポップなエンターテイメントに昇華した名作
この「嵐の中で」でも影響が見られる
雷に打たれたニコの学校の時計は、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の時計台と同じ10時04分で止まっている

「アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜」
大好きな作品
見ていて温かい気持ちになる良作
どちらの作品も過去を変えたことで、現在が大きく変わってしまう

スポンサーリンク
PC レスポンシブ

バタフライ・エフェクト

「ある場所で蝶が羽ばたくと、地球の反対側で竜巻が起こる」

バタフライ・エフェクトとは物事の事象にわずかでも変化を与えることによって、その後の状態が大きく異なってしまうことをいう


「バタフライ・エフェクト」
アシュトン・カッチャー主演
主人公は幼馴染の女の子を救うために、過去に戻って未来を変えようとするが………………
バタフライ効果を巧みに取り入れたタイムトラベルものの傑作
主人公が加えたちょっとした変化が、未来を大きく変えてしまうのが面白い
切ないラブストーリーとしても秀逸

この「嵐の中で」でもバタフライ効果を巧みに取り入れている
25年前に死んだはずのニコ少年とブラウン管でつながってしまうヴェラ
とっさにヴェラはニコの命を助けてしまう
翌朝、世界は大きく姿を変えていた
ヴェラは家の寝室ではなく、病院で目が覚めた
誰もが看護師である自分のことをドクターと呼ぶ
夫のデビッドは自分のことを知らないと言い、彼には他の妻がいた
自宅はデビッドとその妻が住んでいた
そして、娘のグロリアはこの世から消失していた!!
事情を話しても、誰も信じてくれない
頭がおかしいと思われるだけだ

この序盤の主人公の絶望感が凄まじい
誰も助けてくれない
世界が変わってしまったことを知っているのは自分だけなのだから
果たしてヴェラは元の世界に戻ってかつての生活を、愛する娘を取り戻すことが出来るのか!?

善意で過去を変えたために、自分の世界が大きく変わってしまう
衝撃的な展開である
なぜニコ少年を救ったことが、自分の世界をここまで変えてしまったのか?
死ぬはずだったニコは今はどこにいるのか?
世界を元に戻す方法はあるのか?
全く先を読ませない見事な脚本

秀逸な脚本

タイムトラベルものの魅力の一つは脚本の面白さにあると思う
何気ない場面や小道具が、のちに大きな意味を持ってくる
緻密に張り巡らされた伏線
ストーリーの面白さがタイムトラベルものの醍醐味である
その点「嵐の中で」の脚本は素晴らしい
タイムトラベルものの面白さに加え、様々な謎やサスペンスを取り入れている
そして、嵐が収まるまでの72時間で、世界を元に戻さなくてはならないというタイム・リミット
それが物語に緊迫感を与えている
さらにはあっと驚くどんでん返しの数々
切ないクライマックス
ここまで秀逸なオリジナル脚本は久々に見た

キャスト

ヴェラを演じるアドリアーナ・ウガルテは華があり魅力的だ
孤立無援な状態に陥ったヴェラ
愛する夫すら赤の他人を見るような目で、自分を見る
誰だって絶望しかねない状況だ
だが、ヴェラは諦めない
何としてでもを取り戻す
母親の深い愛情執念に息を呑んだ
そんなヴェラをアドリアーナ・ウガルテは迫真の演技で見せる

他のキャスト陣も好演
馴染みのない役者ばかりだが、見事な演技を見せてくれる

ラブストーリー

クライマックスで明かされる真実
そこで物語がいっきに姿を変える
ミステリーだと思っていたものが、切ないラブストーリーに変貌するのだ
この構成には本当に驚いた
少年を助けたことが、なぜヴェラの人生を変えたのか?
様々な謎が一つにつながる
この脚本を書いた人間、天才だ!!(ええーっ

終盤の展開には誰もが胸を締め付けられるだろう

まとめ

タイムトラベルものの醍醐味を存分に満喫できる傑作である
脚本の出来
役者陣の演技
エンターテイメント性
ケチをつけるところが見つからない
スペイン映画の底力には本当に驚いた

タイムトラベルものが好きな人
ミステリーが好きな人
ラブストーリーが好きな人

誰が見ても大きな満足を得られるだろう

追記

3月28日に「嵐の中で」が中国で劇場公開され、940万ドルでなんと3位に入った
スペイン映画としては異例で、ニュースでも驚きだと報じられている


Durante la tormenta (2018) on IMDb


Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/mirage_2018

スポンサーリンク
PC レスポンシブ

ブログTOP

関連記事
スポンサーリンク
PC レスポンシブ
PC レスポンシブ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする