「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」はアメリカでは、1980年代後半にビデオでリリースされた
日本での公開は1984年7月21日
1982年~83年に放送されたTVアニメ「超時空要塞マクロス」
それを新たなる解釈で再構築した完全新作となる劇場版
飯島真理が歌う主題歌「愛・おぼえていますか」も大ヒットした
人気シリーズ「マクロス」の初の劇場アニメ
果たして海外ではどういう評価をされているのか?
「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」
異星人であるゼントラーディ軍とメルトランディ軍は、長きに渡り抗争を繰り広げていた
その戦火は地球にも及んだ
西暦2009年、ゼントラーディ軍の奇襲を受けて戦闘状態に入った巨大宇宙戦艦マクロスは今、地球への帰路にあった
マクロスが土星圏タイタン軌道上に差し掛かった時だった
ゼントラーディ軍の襲撃に遭い、マクロスは敵部隊の艦内への侵入を許してしまう
その日、マクロス艦内では人気歌手リン・ミンメイのコンサートが行われていた
コンサート会場に出現した敵から逃げまどうミンメイ
そんなミンメイを救ったのは、戦闘機バルキリーのパイロット、一条輝だった
しかし、2人は艦内閉鎖区画に閉じ込められてしまい…………
リン・ミンメイを演じるのは飯島真理
一条輝は長谷有洋
早瀬未沙は土井美加
監督は石黒昇と河森正治
海外の評価
アメリカでは「Macross: Do You Remember Love?」のタイトルでリリースされた
現時点でのIMDbのスコアは7.7/10
メディアの評価
The Anime Review
私がこの地球上で真の宝物と考えるものはほとんどありませんが、「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」はその1つです
それは本質的にTVシリーズを再構成したものですが、見事なアニメーションと信じられないほどの音楽で成り立っています
この映画の人間関係は、オリジナルよりも大人向けであるだけでなく、説得力があり現実的です
TVシリーズでは、ミンメイは少し甘やかされて我がままに感じられます
この映画ではミンメイは自由奔放ですが、もっと大人の女性です
そして、リン・ミンメイ、一条輝、早瀬未沙の三角関係は、より痛烈になっています
この映画はシリーズの本質を、非常によく捉えています
その上、完璧なドラマ、アクション、音楽の組み合わせがあります
私はこの映画をマクロスのことを全く知らないSFファンに見せましたが、彼らは大いに楽しんでくれました
たとえマクロスに興味がなくても、アニメ史に残る名作として押さえておくべき作品です
Silver Emulsion
他の作品ほど認知度は高くないかも知れませんが、SFファンの間ではマクロスは傑出した巨大ロボットアニメです
アメリカでは80年代に「ロボテック」というタイトルで放映され、トランスフォーマーにも影響を与えました
元のTVシリーズのリメイクである「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」は、様々な著作権の問題で、アメリカではまともにリリースされませんでした(英語吹き替え版はあったが、改ざんされた酷い出来だった)
宇宙でエイリアンと戦う巨大ロボットの映画のタイトルが、何故「愛・おぼえていますか」なのか?
答えは、それがマクロスだからです
マクロスの本質は常にラブストーリーです
ストーリーは複雑なものは全て省略されています
そもそも「エイリアンの侵略」よりも、どれだけ多くの説明が必要ですか?
1984年はナウシカがデビューしたのと同じ年で、アニメのクォリティの基準を永遠に引き上げました
「愛・おぼえていますか」のアニメの質はムラがありますが、素晴らしい瞬間もたくさんあります
面白くないと思う人もいるかも知れませんが、この映画は基本的にオリジナルシリーズのファンのための作品です
ロボテックを懐かしく思い出す人や、壮大な宇宙戦争が好きな人は、きっと気に入るはずです
Digital Reg
「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」はテーマ、アート、作画、ストーリーにおいて、時代を先取りした映画です
ビジュアルは技術的に驚異的で、CGがほとんど知られていない時代に、アーティストによって綿密に手描きされています
美樹本晴彦のキャラクターデザインが、もっとも輝いていたのもこの映画です
宇宙でのドッグファイトは、アニメーションの歴史の中で最も豪華に描かれているものの1つです
有名な板野サーカスも驚異的
サウンドトラックも素晴らしく、それぞれの曲はシーンにピッタリな雰囲気を醸し出します
リン・ミンメイの歌は映画のいくつかのシーンに、素晴らしい効果を発揮します
マクロスファンとして「愛・おぼえていますか」は、時代を超越した傑作であり、私の心の中ではつねに特別な位置を占めています
10年後、20年後、あるいはそれ以上先でも、この映画は観客にマクロスファンが初めて見た時と同じ魔法のような感覚を与えることが出来るでしょう
THEM Anime Reviews
この映画の英語字幕版は市販されていません
そして、英語の吹き替え版である「Clash of the Bionoids」は、本当に酷い出来です
オリジナルの「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」は、1980年代半ばの映画としては作画がゴージャスで、美樹本晴彦のデザインはTVシリーズよりはるかに真実味があります
日本の声優の演技は、英語の吹き替え版とは比較にならないほど優れています
特に英語版のミンメイの声は失笑ものでした
ただし、ストーリーはマクロスTVシリーズのあらすじを、大幅に省略しているので注意してください
意図的だとは思いますが、色々と説明不足でガッカリしました
とはいえ「愛・おぼえていますか」は、スペースオペラのジャンルにおける名作です
メロドラマ的になりすぎている面はありますが、それでも西洋版より何光年も先を行っています
ファンはいつの日か西洋でも、ちゃんと発売されることを祈りましょう
3/5
Kotaku
欧米ではあまり知られていない「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」は、1980年代の日本で最も重要なアニメの1つであり、史上最も野心的な手描きのアニメーションの1つでした
30年後の今、この映画はリマスターされ、Blu-rayでリリースされました
しかし、この映画は時の試練に耐えうる名作なのか、それとも30年前の遺物にすぎないのか、検証してみましょう
テレビシリーズを2時間の映画に要約するのは簡単ではありませんが、「愛・おぼえていますか」は他の全ての人が見習うべき教科書だと言っていいかも知れません
この映画は公開当時は手描きアニメーションの最高峰でしたが、今日でも最高のアニメーションの1つとして輝いています
そして、リマスターされたそれは、シンプルに美しいです
「マクロス 愛・おぼえていますか」Blu-ray版は色あせない名作アニメのリマスターで、全てのマクロスファンにとって必需品です
観客のレビュー
「『愛・おぼえていますか』は何年経った今でも、依然として無視できない力を持っています。河森正治の創造的才能とストーリーテリング能力は素晴らしい。この映画は私たちが日本のアニメに恋した理由を思い出させる光のビーコンです」
「この映画には私が望む全てのものが含まれています。ミンメイ、輝、未沙の3人が大好きでした」
「何らかの理由で『愛・おぼえていますか』はアキラ、攻殻機動隊、もののけ姫などの宝石と一緒に言及されることは、滅多にありません。理解しがたいです。私は幸運にも数年前に深夜のテレビでこの映画を見ることが出来て、完全に魅了されました。これは日本のアニメーションの名もなき名作であり、真の芸術作品として広く認識される必要があります」
「20年以上経った今でも史上最高のSFアニメーション映画。この映画を初めて見たのは80年代後半で、VHSで画質は粗かったですが、強く私を惹きつけました。そして今、私はついに映画のDVDを手に入れました。やっぱり最高です!」
「アニメーションが全て手描きとは思えない素晴らしい作品です。ただし、見るなら絶対に字幕付きの完全版を入手してください」
「全てのスターウォーズを合わせたよりも優れています」
「これは私が今までに見た中で最高のアニメ映画です(東洋と西洋含む)。リン・ミンメイは最高の女性キャラクターです。バルキリーを飛ばして、ガウォークやバトロイドに変形させてみたい!」
「信者が言うほど素晴らしいものではありません。それでも、かなり良いです。アニメーションは一流ですが、ストーリーにはかなり欠点があると感じました」
「私はロボテックも好きですが、この映画こそ本当のマクロスの物語です。勘違いしている人もいますが、ロボテックよりマクロスの方が先に作られました」
(注:アメリカでは「超時空要塞マクロス」と「超時空騎団サザンクロス」と「機甲創世記モスピーダ」という3つの異なるシリーズを編集し台詞も改訂して、「ロボテック」という1つの作品として放映された)
「私はロボテックで育ち、マクロスのパートが大好きでした。初めて『愛・おぼえていますか』を見終わった時、私はこの映画に恋をしました。そして、ロボテックはただのコピーにすぎなかったのだと気づきました。アニメーションは1984年に作られたとは思えないほど、素晴らしいです」
「『愛・おぼえていますか』はロボテックや元のマクロスのTVシリーズを見ていないと、混乱を招くかも知れません。アニメーションは20年前の作品とは思えないほど素晴らしい。同時期に作られた大予算のハリウッドのSF映画より、よっぽど見栄えがします。物語は音楽と愛を中心に展開するため、驚きと楽しさに満ちていました」
「80年代のアニメ映画の中では、最高の作品の1つ」
「戦闘機がロボットに変形するというアイデアは素晴らしいですが、マクロスのTVシリーズはお世辞にもクォリティが高いとは言えませんでした。けれど、映画はかなり改善され、アニメーションとストーリーは数段高い品質になっています。VHSで初めて見た時、かなりの感銘を受けました」
「アニメーション、ストーリー、音楽の組み合わせが素晴らしい」
「最初の5分を見ただけで、その凄さが分かります。ゴージャスな手描きの作画、CGではない完全アニメーション、魅力的な音楽。そして、重層的なストーリーも驚異的。1984年の作品とは信じられません。完全に時代を先取りしています。アメリカで広く評価されていないのが残念」
「私はこの映画が大好きです。ここまで綿密に描かれた手描きアニメーションを見たことがありません。しかし、TVシリーズの内容を2時間に収めたため、ストーリーは色々と説明不足になっています。それでも三角関係のくだりは、よく描かれています。そして、一条輝は愛すべき馬鹿です」
「アニメについて人々の考えを聞くと、多くの人が1秒間24コマの西洋のアニメの方が優れていると言います。私はそれよりも見栄えがいい日本のアニメの方が好きです。『愛・おぼえていますか』は巨大なエイリアンと戦う宇宙空間のトップガンです。ディズニーのアニメより、私はこちらの方が好きです」
「この映画は私をアニメの世界に引き込むきっかけになりました。20年以上経った今見ても、本当に楽しめます」
「細部へのこだわりが素晴らしい。あなたがマクロスファンやSFファンなら、絶対に気に入ります」
「作画はTVシリーズより、はるかに優れています。一流のアニメーションで描かれる戦闘シーンのスピード感は驚異的です。この映画はスタジオジブリすら吹き飛ばしました」
「うわー、この映画は本当に素晴らしい。このような芸術的なビジュアルがたくさんある映画を、見たことがありません」
「日本のアニメーションの技術の頂点であり、私のお気に入りの娯楽大作。アクションだけでなくロマンスでも、観客を決して失望させません。スコア:9.999999/10」
「私がこの映画をどれほど好きか、言葉で言い表すことが出来ない。デカルチャー!」
「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」をAmazonビデオで視聴
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コメント
きのう偶然、バルキリーのエリントシーカーは庵野デザインということを知って驚いたとこだったw
冒頭の主砲発射シーン
何度聞いてもミライさんの声が聞こえる
パパンがパン
主役の一条輝 役の長谷有洋が自死した時には驚いたな
彼はマクロスでは当たったけど、それ以降は演技力がないので役者としてはまるで売れなかった
声優も一発屋なってしまうと辛いよな
手書きの最高峰の(今では再現不可能と言われてる)この作品を見てムラがあるとか意味がわからないです。
北米では「マクロス・ザ・ムービー」と言えばメガゾーン23の事だったので、
あちらの感想となんかズレてると感じたりしたものだったな
ナウシカも切り刻んだりシーンによっては早送りしたりするクソ編集版を売ってたと聞いたが、愛おぼでもやってんのか
ホント度し難いな
海外に版権売っちゃってロボテクとかいう独自展開してたせいで、本物のマクロスが身動きとれなかったんだよね
2年位前に日本の版元と海外の版元が和解というか、一緒にやっていく事が合意出来てマクロスがやっと
海外展開できるってニュースになってたけど、その後特に動きないな…
和解って結局は日本側がハーモニーゴールド社に譲歩しただけじゃないのかなあ
まともに欧米(?)に知れ渡ってなかったとは本当に勿体ない。
上手いこと知れ渡って再評価される流れになればイイな。