Netflix「マエストロ: その音楽と愛と」ネタバレ感想 ある夫婦の愛と確執!!

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Netflixオリジナル映画
世界的指揮者・作曲家のレナード・バーンスタインと女優でピアニストの妻フェリシアの激動の人生が描かれる

ブラッドリー・クーパーが監督として、素晴らしい才能を発揮
夫婦の複雑な愛の形が印象的

「アリー/ スター誕生」に続くブラッドリー・クーパー監督2作目
今回も見事な演出だった
妻のフェリシアを演じたキャリー・マリガンの演技も素晴らしい
世界的な指揮者として上り詰めていくレナード・バーンスタイン
妻のフェリシアとの結婚生活も順風満帆に見えた
しかし、彼は同性愛者としての一面も持ち、次第にフェリシアとの関係に陰りがさしていき…………
偉大な音楽家の知られざる一面を、赤裸々に描いているのが衝撃的
指揮者としてのブラッドリー・クーパーは非常に様になっていた
特にイーリー大聖堂のシーンは圧巻
過去から現在へ、映像がモノクロからカラーへと変化していく演出も効果的
一方、夫婦の関係が物語の中心なので、レナード・バーンスタインのサクセスストーリーや、創作への葛藤みたいなドラマを期待すると物足りないかも知れない
とはいえ、改めてブラッドリー・クーパーの才能には驚かされた
非常に見ごたえのある一作だ

予告編

『マエストロ: その音楽と愛と』予告編 – Netflix

作品情報
作品名「マエストロ: その音楽と愛と」(原題MAESTRO)
監督:ブラッドリー・クーパー
キャスト:ブラッドリー・クーパー、キャリー・マリガン、マット・ボマー、マヤ・ホーク、サラ・シルヴァーマン、ジョシュ・ハミルトン
上映時間:129分
制作国:アメリカ(2023年)

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ざっくりあらすじ

世界的指揮者・作曲家のレナード・バーンスタインと女優でピアニストの妻フェリシア・モンテアレグレ・コーン・バーンスタイン。2人が歩んだ愛と葛藤の人生を情熱的に描き出す…………

感想(ここからネタバレ)

「ウエスト・サイド物語」の裏話は残念ながらなかった…………

「マエストロ: その音楽と愛と」

1943年、25歳のレナード・バーンスタインはニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団の副指揮者だった
レナードは病気で指揮が出来なくなったブルーノ・ワルターの代役として、急遽指揮者として舞台に立つことになった
コンサートは大成功を収め、レナードの名声は一気に上がった

そんな絶好調のレナードはあるパーティーで、女優のフェリシア・モンテアレグレと出会う
レナードはクラリネット奏者のデヴィッドと付き合っていたが、フェリシアにすっかりと心奪われた
2人は付き合うようになり、やがて結婚した
結婚生活は順調で、ジェイミー、アレクサンダー、ニーナという3人の子供に恵まれた

レナードの仕事は順風満帆だった
世界的な音楽家として、レナードは名声を欲しいままにした
しかし、レナードはパーティで出会ったトミーという若者に入れ込み、ついには家にまで連れてくるようになった
それを見ていたフェリシアの心中は穏やかではなかったが…………

作品解説

当初はマーティン・スコセッシが監督する予定だったが、「アイリッシュマン」を監督するために辞退
スティーヴン・スピルバーグもブラッドリー・クーパー主演で監督を検討していたが、「アリー/ スター誕生」を見てブラッドリーに監督もやるように勧めた

ブラッドリー・クーパーとキャリー・マリガンは初共演だが、出会ったのはこれが初めてではない
マリガンは2018年のブロードウェイの舞台「ガールズ&ボーイズ」で、カーテンが頭にぶつかり負傷した
たまたま観客として来ていたブラッドリー・クーパーは、病院まで彼女に付き添った

レナード・バーンスタイン

世界的な指揮者であり作曲家
極度のヘビースモーカーでもある
ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団の指揮者として名をはせ、「ウエスト・サイド物語」などミュージカルの音楽も手掛けた
フェリシアと結婚したが、同性愛者としての一面も持ち…………

演じるのは「アメリカン・スナイパー」のブラッドリー・クーパー
「アリー/ スター誕生」に続いて監督も務めた
若き頃から老いるまでを、見事に演じている

フェリシア・モンテアレグレ・コーン・バーンスタイン

レナードの妻
女優・ピアニストとして活躍
夫の才能に惚れ込んでいる
レナードが若い男の愛人を作ったことで、夫婦関係に亀裂が走り…………

演じるのは「華麗なるギャツビー」「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」のキャリー・マリガン
夫への複雑な感情を巧みに演じた

音楽映画

「ボヘミアン・ラプソディ」「ロケットマン」「ジャージー・ボーイズ」
アーティストの伝記映画には傑作が多い
無名から頂点へ上り詰めていく姿、名曲誕生の裏話など、こういった作品には様々な魅力がある

本作の主人公であるレナード・バーンスタインは、挫折も失敗もしない
音楽家としては最初から最後まで順風満帆だ
名曲誕生秘話のようなものも描かれない
そういう意味では物足りないだろう

しかし、コンサートシーンは迫力満点
特に終盤のイーリー大聖堂でのロンドン交響楽団を指揮するシーンの長回しは凄まじかった

ブラッドリー・クーパーはレナード・バーンスタインの天才的な指揮を、完璧に再現するのは不可能だと感じた
そのため、イーリー大聖堂でのレナードが指揮するシーン、「マーラーの交響曲第2番」だけに焦点を絞った
このシーンでブラッドリー・クーパーは、本当に楽団を指揮している
6分21秒のそのシーンのために、ブラッドリーは何年も準備したという
その甲斐あり、非常に迫真のシーンとなっている
本作は音楽映画としても、見ごたえのある作品だと言えるだろう

夫婦愛

音楽家として頂点に上り詰めたレナード・バーンスタイン
家族仲も良好
にもかかわらず、レナードは若い男と浮気をするようになる
実在した偉大な音楽家のクズっぷりは、かなり衝撃的

妻であるフェリシアの不満や嫉妬は、徐々に膨れ上がっていく
その描写の積み重ねは、見ていて恐ろしかった
そして、ついにその怒りは爆発する

愛情と憎悪、尊敬と蔑み
この夫婦の関係は非常に複雑
無邪気というか無神経というか、浮気をしていることに、それほど罪悪感を感じていない様子のレナード
フェリシアが何を怒っているのか、分かっていないようにも見える
こういうところが、いかにも天才芸術家
やはり普通の感性とは違うのだ

駄目なところもあるが、やはり自分はレナードを愛している
フェリシアは結局、レナードとよりを戻す
しかし、そんな時、フェリシアのガンが発覚する

レナードはコンサートをキャンセルしてまで、フェリシアに付き添う
その献身的に看護する姿は、とても感動的
フェリシアへの愛情も、間違いなく本物だったのだ

フェリシアが亡くなり、レナードは深い悲しみに襲われる
そこで終わっていれば、愛と感動の作品という印象になっていただろう
しかし、時が過ぎると、また若い男と浮名を流すレナード
本作はそんな芸術家という得体の知れない生物のありのままを、生々しく描き出している

まとめ

ブラッドリー・クーパーの監督2作目は見事な出来栄え
演奏シーンも臨場感があった
だが、その本質はある夫婦の小さな物語である
見ごたえのある作品を求めている人にお勧め

Maestro (2023) on IMDb

Rotten Tomatoes
https://www.rottentomatoes.com/m/maestro_2023
allcinema
https://www.allcinema.net/cinema/391269

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